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Paper Rare Groove 01:渋谷系の原風景をネオアコ・ファンジンに見る(『Tokion』62号・2007年10月号)

 ワインに「飲み頃」があるように、本や雑誌には「読み頃」がある。出た当時は意識していなくても、時間が経つと判るモノがある。今じゃ出版できない特殊な形態。文脈を遡ることで興味深くなる記述。今有名なあの人の無名時代の原稿。この時期に既にこんな事を言ってる人がいたという発見。どれもリアルタイムでは味わえない珍プレー好プレーだ。この連載はそんな、今だからこそ存在が面白い書籍やら雑誌やらの「紙モノ」を紹介していきたい。

 記念すべき第一回はネオアコ・ファンジン。馴染みのない人に大ザッパに説明すると、「ネオアコ」は主に80年代に流行したパンク世代のフォーク・ロック、「ファンジン」はファンが作る自主出版物のこと。最近は聞くところによると「渋谷系」が再評価されているらしく、たしかに雑誌その他メディアで何度かその名前を目にした。ならば「渋谷系」のルーツの一つと言われる「ネオアコ」周辺を今一度見てみるとナウいのではないだろうか。

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追…

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