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インターネットの歴史発掘の最前線(最後尾?)

大げさなタイトルですが気持ちの上ではそんな感じ。前説から。

ワタシが『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』を書いた人だということを、ここを読んでる皆様も忘れかけているかもしれませんが、もう書籍としては書かないと思うけども日本のインターネットの歴史で個人的に知らなかったことはないかの隙間埋め作業は細々と続けています。

過去のインターネット事情を発掘する際に活用するのは、Internet Archiveの「Wayback Machine」ですね。URLを入力すると、同サービスが保存していれば、過去のURLの該当ページが見られます。ただ、Waybackがクロールを開始したのは1996年10月。日本の多くのサイトは1997年に入ってから保存されており、それ以前に閉鎖してしまったサイトは当然ながら同サービスでも見ることができません。日本最初のウェブページができたのは1992年9月30日。この1992年9月~1996年10月のあいだに閉鎖してしまったサイトを見る方法はないだろうか?と常々考えていました。

一番いいのは本人から直接当時のデータをもらうことですけども、まあ一人ずつやるのはちょっと現実的ではないので、代替手段としては、とりあえず当時どんなサイトがあったのかを知るために、昔のインターネット雑誌をめくる方法があります。90年代はウェブサイトを紹介するだけの記事というのが山ほどあったので(インターネット自体が珍しかったので)、掲載されたトップページの画像、URL、サイト名、一言解説などを収集して、なんとなくの概要をつかんでいく……という作業をよくやりました。

もうほとんどのネット雑誌は国会図書館と古本屋でめくり尽くしたので、一応情報だけなら漏れは少ないはず、と思っています。もちろんフォーカスの当て方によって重要度は変わってくるのでワタシの興味範囲の話ではありますけども。

インターネットの歴史発掘の最前線

んで、久々に大物を発掘したのでその話だ! どういう意味の大物かというと、Waybackに残っていない、1995年7月時点のウェブサイトを大量に発掘した!のです。

どういうこと? はい、こういうのをヤフオクで見つけたのです。最初に見つけてから落札できるまで「誰かが横から入ってきて争ってしまったらどうしよう」とヒヤヒヤしていました。そんな人いるわけないのですが……。

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追…

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