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蒐集:ミュージック・レター

日本の音楽雑誌の名前をいくつかあげてください、と言った場合に、おそらく上位に出てくる名前が『ミュージックマガジン』です。まあJ-POP系しか読まない人には馴染みのない雑誌かもしれませんが、洋楽を聴いてれば普通は知っている感じ。1969年創刊の老舗です。1970年代までは『ニューミュージックマガジン』という誌名でした。

ですが、『ニューミュージックマガジン』が1970年に創刊したもう一つの雑誌はほとんど忘れ去られています。それが『ミュージック・レター』。ここではこれがどんな内容だったかを紹介していきましょう。

まずどのように始まったのか。『風都市伝説』(2004-05-20、音楽出版社)の記述を参考にしつつ書くと、1969年4月に創刊した『ニューミュージックマガジン』の編集長は中村とうようですが、発行人には蝸牛社の飯塚晃東という人物の名前が書かれています。飯塚は中村に雑誌創刊の相談をされて、流通や印刷などを手伝う「発行人」の役割を引き受けます。飯塚が社長、中村が専務として『ニューミュージックマガジン』は始まりました。

そのうち飯塚はロックに関わる若者たちの生の声をさらに反映させようと、投稿雑誌『ミュージック・レター』を企画します。そう、中村とうようラインとは別の飯塚による企画だったんですね。なので中村とうよう史観によるミュージックマガジンの歴史ではほとんど登場しないようです。しかし重要か否かは別です。

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追…

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