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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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#2010

村崎百郎の仕事不完全リスト(暫定版)(『村崎百郎の本』2010年11月)

◎村崎百郎著書(共著含む)

M0-0 目次(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

モダニズムのナード・コア Nerdcore of Modernismナードコアのモダニズム Modernism of Nerdcore なぜモダニズムからはじまるか ● ばるぼら 08 モダニズムの外野から 12 カオスコアとギークコア Chaoscore and Geekcore オタク×アートの約二十年 18 カオス/破滅 ● 四日市 22 ギーク×アートの約二十年 27 『熱紙』主宰・藤伸行インタビュー 30 ギークはいかにして現代美術へ姿を現すか ● さやわか 

M7-1 編集後記(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

M6-4 椹木野衣主要文献解説(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

椹木野衣といえば、早くからサブカルチャー的アートを批評の俎上にのせ、九〇年代以降の日本の現代アート史に少なくない影響を及ぼした、名実ともに有名な美術評論家です。現代アートに興味をもって参考になるテキストを探そうとすると、必ず名前を目にすることでしょう。しかし十冊以上ある著作の中から初心者は何を選べばいいのか迷うかもしれません。ここではそれらに主観的評価と解説を加えます。「ナード視点では」と付け加えている場合は、アート史文脈の評価とは別にオススメできるか、という補足です。

M6-2 書籍も図録もない参考文献(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

 雑誌に絞っているのは、書籍のように丁寧にまとめられた文献以外へ目を向ける必要性を考慮してのことです。古い雑誌を保存している図書館はあまりないですが、ヤフオク、Amazon、「日本の古本屋」で探すとおおよそすぐに見つかるので、気になったら買って読みましょう。これ以外にも当然ながら『みづゑ』『芸術新潮』『美術手帖』のバックナンバーくらいは一通り目を通したほうがよさそうです。

M6-1 入門書入門(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

 現代アートをちょっとは知ってみようかと思った時、漠然と書店に立ち寄ってもあまりの書籍の量にうんざりする可能性があります。なので先に傾向と対策を練っておきましょう。

FumiYARtをリスペクトするのも戦略? メディア受けを狙いすぎた村上隆の90年代(『サイゾー』2010年11月号)

──"ゼロ年代"に躍進した感のある村上隆だが、"90年代"からアーティスト・村上隆は存在していた。では、その時代における彼の実像とは、いかなるものだったのだろうか? 当時のメディアを参照しながら、過去をほじくり返したい!

M5-2 村上隆とは何だったのか(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

東京発、無意味着八〇年代後半、日本のアートの話題は常に関西発だった。由緒正しい国際芸術祭のヴェネチア・ビエンナーレには、一九八八年に森村泰昌や石原友明、一九九〇年にコンプレッソ・プラスティコや松井智恵らが選出されたが、多くが関西出身だったし、美術誌で早くから脚光を浴びていたダムタイプ、椿昇、ヤノベケンジらもしかりである。そんな状況下で東京に現われた得体の知れない新人が村上隆であった。  一九六二年生まれの村上は東京藝術大学で日本画を専攻、一九八八年から大学院美術研究科後期課

M4-3 二十一世紀のフローティング・ドローイング(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

「アニメ絵」の個性「一枚の絵は一万字にまさる」とは大伴昌司の有名なコピーだが、言葉が思考に直結するのに対し、絵は認識に直結する。イラストレーションが旧来から与えられてきた役割│空想の具象化・瞬間の記録・内容の図説│はおおよそ視覚伝達であり、主な活躍の場である広告・絵本・パッケージ・挿画ではまさにそれを求められてきた。写真の登場以降、現実の忠実/細密な再現は以前ほど必要とされず、代わりに省略と見立てのヴァリエーションから生まれる新鮮な印象が尊ばれるようになる。イラストレーターの

M4-2 線のネオテニー(仮説)(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

絵画のほとんどは線と塗り、ドローイングとペインティングで作られている。本項ではそのうち前者の「線」に注目することで、日本の図像認識について仮説を立てる。

M3-3 マイクロポップと萌え四コマ(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

マイクロポップとは美術評論家の松井みどりが二〇〇七年に提唱したコンセプトである。松井がゲストキュレーターを務めた企画展「夏への扉:マイクロポップの時代」(二〇〇七年二月から五月まで、水戸芸術館)で概念と作品がお披露目され、二〇〇九年夏には「ウィンター・ガーデン 日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」展が海外を巡回した。

M3-2 美は乱調にあり グリッチアート(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

グリッチとは機器の不調・故障のことをいい、その際に生じるノイズの原因と結果が蓄積され、意図的に利用するアーティストが登場したことで、現在は一つのメソッドとして認識されている。  これはまず音楽ジャンルに多く登場した。スピーカーの音割れ、ギターのフィードバックはもとより、レコードなら針飛び、プチプチノイズ、スクラッチノイズ。テープならヒスノイズ、絡まり。CDなら音飛び。こうした物理的障害が引き起こすグリッチは、コンピュータ時代になって絶滅すると思われたが、実際はWAVからMP

M2-3 ギーク×アートの約二十年(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

まともな話は坂根巌夫『メディア・アート創世記』(工作舎、二〇一〇年)などを参照していただき、ここではテクノ(ロジー)・アート、インタラクティヴ・アート、メディア・アートと辿ってきたコンピュータ×アートの関係から、なるべくギーク的なものに偏って二十年の歴史を解説する。ギークとはコンピュータに特に長けているオタクのことをいい、つまり漫画やアニメ的な方面より、ゲームやインターネットが好きそうな方面が主軸である。後半になるほど展覧会の話題に移るのは、もともとギークと呼べるようなアーテ

M2-1 オタク×アートの約二十年(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

オタク的モチーフ、オタク的想像力を自身の作品に取り込んできたアーティストは少なくない。しかし大抵の場合、作者がオタクであるわけではない。子供の頃に体験したものを自作に取り入れるのが第一。その奇想/奇形/奇抜さをアートに持ちこむことで化学反応を起こさせようとするのが第二。本当にオタクが当然のように持ちこむのが第三。どれが正しいというわけではないが、第一から第三へ流れてきているのが昨今の傾向である。ここでは既に歴史化できるほどの潮流を成してきたオタク×アートの関係性について、ふり