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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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#渋谷系

ゴロワーズを吸ったことがない

1990年代のムッシュかまやつ再評価のキモになった楽曲といえば「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」です。え、オリジナルバージョン聴いたことないの!?今すぐ聞け!! シングル「我が良き友よ」(1975)のB面。 アメリカのファンクバンド=タワーオブパワーが演奏と編曲に参加した、日本のレアグルーヴとして、今となっては知られます。1974年11月の来日公演の際、声をかけて参加が実現(他にRCサクセションのアルバム『シングル・マン』にも参加しています)。当時はA面曲が売れまくって話

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LT再考

ラブ・タンバリンズ(Love Tambourines)は、このグループこそ渋谷系の象徴でありながら、同時に世間的なイメージの渋谷系からかなり離れている存在でもあるという、非常に興味深い存在だと思います。

京都系の始まりだけ

ここでいう「京都系」は東京都の渋谷系ではなく「京都の渋谷系」です。渋谷系的な価値観が、渋谷や下北沢以外の、京都にもあった、という文脈で使います。東京とのズレがあり、そこが特徴です。 東京にいる側として、京都の1990年代シーンはけっこう憧れがあります。単純に、そこにも行ってみたかった、という気持ち。伝わってくる情報も断片的なので、未だに気になっています。 京都系前身1、ニューウェイヴファンク

雑談:最近してなかった話

何度も書いてますが、このnoteは執筆のリハビリ(2016年頃?から急に長文を書けなくなった……)と渋谷系の原稿の小出しを兼ねており、noteを購読している皆様には大変感謝しております。「こういうの書いてください」というご意見も募集しています。書けるような内容だったらそのうち書きますが、書けなかったらすまない。 で、最近、渋谷系の話をしてなかったわ……という気分になったので渋谷系の話をしていこう。あんまり出ない話を。

かせき1st再考

久しぶりにかせきさいだぁを聴いていてやはり最高だなと思ったので、今回はかせきさいだぁについて書いていきましょう。 かせきさいだぁは加藤丈文の一人ユニット。これ以前に組んでいたヒップホップユニットTONEPAYSが解散し、一人でやる、となって、ユニット名をつけたものです。 前史:TONEPAYS

雑談:ロンバケと渋谷系は何が違ったのか

渋谷系を好きな人なら誰でも、LONG VACATIONの扱いに困ると思います。大瀧詠一のアルバムではなく、1990年代のドラマでもないです。ナゴムレコードのケラが、有頂天の次に始めたグループ=ロング・バケーション(以下ロンバケ)。元・有頂天、元・筋肉少女帯、元・P-MODEL。の3人組。 ロンバケのサウンドは、有頂天のようなニューウェイヴ以降のビートの強いバンドサウンドとは違った、テクノポップとジャイヴと映画音楽が混ざった、のちに渋谷系と呼ばれるような音とわりと近かったので

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Quiet Nights of Quiet Stars

本が出るまで待てない人向けということで……。 渋谷系を調べていると誰もがクワイエット・ナイツにぶち当たると思います。え、ぶち当たらない? それはおかしいですね……。しかし資料的なものはウェブ上に数件しかありません。そこで改めて足跡を辿っていきましょう。

ゼロ・コーポレーション探究

本が出るまで待てない人向けということで……。 渋谷系を調べていると誰もがゼロ・コーポレーションにぶち当たると思います。え、ぶち当たらない? それはおかしいですね……。しかし資料的なものはウェブ上に数件しかありません。そこで改めて解説しましょう。(センチュリーレコードの時と同じ書き出し) と言いつつ、ゼロ・コーポレーション全体が重要なわけではありません。ある一時期のゼロ・コーポレーションです。 前提

センチュリーレコードの再発探索

本が出るまで待てない人向けということで……。 渋谷系を調べていると誰もがセンチュリー・レコードの洋楽部にぶち当たると思います。え、ぶち当たらない? それはおかしいですね……。しかし資料的なものはウェブ上に数件しかありません。そこで改めて足跡を辿っていきましょう。 前史1:センチュリーの成り立ち

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『Something Beginning With O』の最初だけ読む

ケヴィン・ピアースが1993年春に出した『Something Beginning With O』という本があります。いや、本というには薄い、A4サイズで48ページしかない、ノートのような本です。版元はHeavenly。このマークでおなじみの。 え、知らない!? ファクトリーとクリエイションで働いていたジェフバレットが1990年に設立、初期セイントエティエンヌをリリースして世界的に注目されたレーベルです。1994年にはハシエンダと組んでクラブ「Heavenly Social」

『レトロマニア』の渋谷系の話だけ読む

「ポストロック」というタームを生み出した音楽批評家、サイモン・レイノルズが2011年に出した『Retromania』という本があります。海外では先にハードカバー版が出て、その数年後に普及版のペーパーバック版が出る、という順番で出版されまして、ワタシは2012年に出たペーパーバックのほうを持ってます。 なぜこの本を持ってるかというと、2010年に翻訳が出た『ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984』という本があまりに名著だった影響で、サイモン・レイノルズという著者を

「印刷物と渋谷系」講義録(2021年)

2021年7月18日に「ゼロから聴きたい渋谷系」というオンライン講座のゲスト講師として一時間くらい喋ってきました。ワタシのテーマは「印刷物と渋谷系」。ここではそこで喋った内容と喋り忘れた内容をミックスして記事にしておきます。 一から全部書き起こしても無駄なので、あくまで何を話したか分かる感じで、ササッと読み飛ばせるようにやりましょう。先行して発表した方の話題に出てたから省略した部分は、ちょっと補っています。

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渋谷系までの渋谷東西戦争(東急VS西武)(2009年未発表)

渋谷の東西戦争勃発!というとアウトローの話みたいで不穏ですが、今回するのは東急と西武の話です。両社がしのぎを削って開発しあったことで、渋谷という街が発展してきた側面があります。その歴史のおさらい。 東急のルーツは田園都市開発会社です。住宅を建てて売る、というのがメイン事業でした。住宅を高く売るには、土地の価値を高めなくてはなりません。そこで鉄道を引っ張ってきて(東急鉄道)、駅前に百貨店を作って(東急百貨店)、バスを走らせ(東急バス)、便利でみんなが住みたくなるように街を開発

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雑談:今度のイベントで何見せようか会議

また更新が止まってしまった。7/18に美学校の「ゼロから聴きたい渋谷系」というオープン講座に出て何か喋らなくちゃいけなくて、それの準備を考えてたらあっという間に時間がすぎていってしまった。ワタシ、ずっと言ってるんですが渋谷系の本を書いてまして、本を読んだときにびっくりさせたいから、あんまり渋谷系に関することを表で発信してないんですよ。同業者にパクられたら嫌だし……。このnoteは例外的にちょこちょこ書いてるんですけどね。 で、その美学校のでは「印刷物と渋谷系」について話す予