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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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2023年11月の記事一覧

電通「もっと使わせろ」の初出を探す

もしネット歴がそれなりにあるなら、ネットのどこかで見たことがあるんじゃないかと思います。電通PRセンターの「戦略十訓」を。曰く、こういうもの。 なるほど、電通はこうやってモノを買わせるのか……と感心したりして。ただこれ、ネットのコピペでしか知らないので、初出はなんなんだろ?と気になりはじめました。 鬼十訓まず電通には、上記より前から「鬼十訓」というのが存在していました。作ったのは電通を現在の規模に成長させた四代目社長・吉田秀雄。公式サイトによれば1951年制定のよう。電通

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2023年ベストミュージック振り返る(日本以外)

音楽雑誌の年間ベスト発表の号がその年の12月に発売されることに長らく不満を持っていまして、単純に「12月に名盤が出たらどうすんだよ!?」とよく思っていました。「2023年ベストアルバムランキング」と書いてある特集を読んだら、どうも2023年11月前半くらいまでからしか選んでないぞ、みたいなのって、やっぱ変じゃないですかね。2024年1月発売の号でやると「前の年の話をされてもなあ」と読者が思うんでしょうか? みんなそんなに新しいものだけを聴きたいのか? が、ネットなら別にそこ

雑談:カウンターカルチャーはもういらない

ある程度年令を重ねたサブカルチャー好きなら、1960年代頃に存在していた「カウンターカルチャー」という言葉を聞いたことがあるだろうし、なんとなくそれに好印象を持っているかもしれません。しかしもうそれは耐久年数を過ぎているのでさっさと捨てた方がいい。という話です。 そもそもカウンターカルチャーって何かわかりますか?

渋谷陽一の一番最初の論争

ロッキング・オン・グループ・渋谷陽一社長、病気療養のため入院 山崎洋一郎氏&海津亮氏が職務代行という報道が数日前になされました。心配です。今回は渋谷陽一とロック批評について書いていきましょう。 渋谷陽一は日本の音楽評論のスタイルを一つ決定的に作った人物であり、是非は置いといて好みも分かれるとして(そもそも分かれないような音楽評論家はいないだろう)、歴史的にその影響力の強さで右に出るものはいないだろう、と思います。 1972年にロック雑誌『ロッキング・オン』を創刊し、それを

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雑談:◯◯からしか摂取できない栄養素がある

ネットやってるとオタク関連でよく見る「◯◯からしか摂取できない栄養がある」みたいな言い回し、誰が言い始めたのか気になってたのでちょっと調べた。もちろんこれは「生野菜からしか摂取できない栄養素がある」みたいな、本当の栄養素の話ではなく、「「女の子が演じる王子様」からしか摂取できない特殊な栄養素がある」みたいな心の活力の例えの話である。

メモ:ポスト・サブカルチャー研究ってなんだろ

まず、これは日本のサブカルの話とは全然関係ありません! 日本のサブカルと海外のサブカルチャーは意味が違いすぎて「違い」を説明すること自体が難しく、「同じ」ところを指摘したほうが早いくらいです。なのでとりあえずサブカルと言って思いつくようなサブカルを想像しないで読んでくださいね。難しいこと言うね。まあメモ書きですけど……。

「愛は勝つ」期のKANのインタビューを読み返す

呼び捨てにするなと言われそうですが、ピカソにピカソさんなんて言わないだろ、広く知られたアーティストは人名じゃなくて固有名詞になって呼び捨てにされる運命なんだよ、という気持ちを込めています。 KANが亡くなりましたね。ベスト盤しか持ってないのに、亡くなったニュースを見て結構動揺しました。え、自分ってそんなにKANのこと好きだったっけ……と。時代を象徴する曲を書いた人だから時代を感じて受けた衝撃かとも思ったけど、ちょっと違う。やはり曲に何かを感じているからこそ、その才能が惜しい

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書いた文章を読ませる悪の文章術

この時期になると毎回思うことだが、みんな「書いた文章は読まれる」と思いすぎである。残念だが読まれない。文章というのは読まれないものの方が多いんじゃないかと思うくらい読まれないものであって、入魂3万字!とか量を誇ってる場合じゃないのである。 「でも読んでもらえれば絶対わかるはず!」とか言ってる場合でもない。その文章の質が高いとして、文章は質で読まれるのではないのだ。量じゃなければ質かと思ったらそうではない。質は最低条件であって、3万字の質の低い文章は最悪だが、3万字の質の高い

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雑談:地図のデザインあれこれ

ちょっと前、「まっぷる」のウェブサイトにある「生き残りのカギはデザインにあった!? 紙の地図の今までとこれから」という記事をオススメされて読んだら面白かったので、反応がてら書けることを書いてみよう……と思いつつ時間が経ってしまった。 上記の記事で面白れ~と思ったのが、昔の手作業時代の地図作りが色ごとのフィルムを分けて管理してた話(人力レイヤー)、そして1980年代後半から昭文社は大物デザイナーに地図デザインを委託したという話です。 ここで河野鷹思(1906~1999)の名

雑談:インディダンス・クロスオーヴァー

インディダンス・クロスオーヴァーという言葉をあなたは知っているだろうか? いや、ワタシは知らなかったんですが、原稿書いてたら目に入った記事の出だしにそう書いてあった。 ギターバンドがハウス的アプローチを取り入れたヤツとか、インディバンドがダンスフロア向けの12インチを出したりするヤツ、のことらしい。それらを総称してインディーダンスクロスオーバーと。……これ、いわゆるマッドチェスターのことか! そういう呼び名が本当にあったんでっか? 恥ずかしながら知りませんでした。えーい検

Testpatternメモ

テクノポップのほう。なんかネットにあんまり情報がないというのを見て。でも実際は紙の時代から大した情報がないという……。 TESTPATTERN(テストパターン)とは

「日本語ロック論争」ってなんだっけ?

はっぴいえんどのアルバムが3枚、新しく再発されて、リマスターされたり初回限定盤にはボーナストラックが入ってたり、ライナーノーツが新しくなってたりするみたいです。 みたいです、って他人事じゃん、ええ、買ってませんので……。何枚も持ちたいほど好きじゃないから……。どう考えてもその後の全員のソロのほうが素晴らしい。はっぴいえんどは習作に聞こえてしまう。しいていえば作詞も作曲も3rdが一番好きですけど。 その話は今回しないで、違う話です。はっぴいえんどといえば「日本語ロック論争」

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「小室哲哉で重要な曲」を選ぶ

「最近何を更新すればいいのかまた迷っちゃってて……」「困ったら小室哲哉の話すればいいじゃん」と謎のアドバイスをされ、小室哲哉について今更することあるか!?と思いつつ、“普通の記事でも無いよりマシ”の精神で書いてみる。 最初は「小室哲哉で好きな曲」ベスト10とかにするかと思ったんですが、ちょっと趣向を変えて、「小室哲哉で重要な曲」を解説してみます。音楽史において重要とかじゃなくて、小室哲哉史において重要、の意味です。小室哲哉が変わったポイントがあるぞ、という。聞きながらお読み

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