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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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2022年1月の記事一覧

日本の歌謡曲/J-POPの名曲を一年一曲で1961年から2021年まで選ぶ会・1990年代編(1990-1999)

前回から間が空いてしまった。ほんとは残りの全部やろうと思ってたけど時間がとれず1990年代編になってしまった、ごめんなさい。どういう基準で選んでいるかなどの細かい話は前回の最初のところを読んでください。それでは続きいってみよう!

画像集:昔のヤフオクから3

またまた時間稼ぎのために、昔のヤフオクからの画像選集をお届けするしかない、という判断になりました。前の続き?です。

雑談:初出探しの将来

締切が立て込むと更新が滞ってしまう……ので箸休め。 言葉の初出にこだわる人とこだわらない人がいて、ワタシはそこそここだわる人です。大昔の言葉は難しいけど、せめてここ30年とかくらいの範囲の出来事なら、初出くらい調べればわかるのではないのか?という気持ちが強い。まあ本当に大昔……鎌倉初期くらいまでなら文献の数が限られるので、逆に探すべきところは限られるそうです。なるほどね。 「始めに言葉ありき」と聖書に書いてあるらしいですけども、実際は先に現象ありきです。犬という言葉が生ま

雑談:Mike & Richのジャケットの元ネタから派生して

まずMike & Rich『Expert Knob Twiddlers』(1996、Warp)のジャケットをご覧ください。 Mikeはµ-ZiqのMike Paradinas、RichはAphex TwinのRichard D. James。テクノ文脈では超重要人物の二人が組んだ夢のユニットですが、音はSABPMといいますか、ムーグ系の脱力電子ポップで、期待した音とは違うがこれはこれで緩さがいい……そんな音でした。1994年に制作されたものの、リリースは1996年にズレこみ

日本の歌謡曲/J-POPの名曲を一年一曲で1961年から2021年まで選ぶ会・前編(1961-1989)

「この年に1曲だけ選ぶなら何か?」。こういう遊び、音楽好きなら一度は頭の中でやったことがあるんじゃないかと思います。その年の10枚を選ぶベストアルバムランキング的なのって多いですけど、それを曲単位でやる。ジャンルはロックとかヒップホップとかではなく、歌謡曲/J-POP。大衆的な印象がする音楽。それを1961年から順にやっていく。その記録です。 こういうのって、ある年に名曲が固まってたりすると他の曲を切り捨てないといけないわけで、本当の名曲カタログにはならず、その辺りのバラン

M0-0 目次(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

モダニズムのナード・コア Nerdcore of Modernismナードコアのモダニズム Modernism of Nerdcore なぜモダニズムからはじまるか ● ばるぼら 08 モダニズムの外野から 12 カオスコアとギークコア Chaoscore and Geekcore オタク×アートの約二十年 18 カオス/破滅 ● 四日市 22 ギーク×アートの約二十年 27 『熱紙』主宰・藤伸行インタビュー 30 ギークはいかにして現代美術へ姿を現すか ● さやわか 

M7-1 編集後記(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

M6-4 椹木野衣主要文献解説(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

椹木野衣といえば、早くからサブカルチャー的アートを批評の俎上にのせ、九〇年代以降の日本の現代アート史に少なくない影響を及ぼした、名実ともに有名な美術評論家です。現代アートに興味をもって参考になるテキストを探そうとすると、必ず名前を目にすることでしょう。しかし十冊以上ある著作の中から初心者は何を選べばいいのか迷うかもしれません。ここではそれらに主観的評価と解説を加えます。「ナード視点では」と付け加えている場合は、アート史文脈の評価とは別にオススメできるか、という補足です。

M6-2 書籍も図録もない参考文献(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

 雑誌に絞っているのは、書籍のように丁寧にまとめられた文献以外へ目を向ける必要性を考慮してのことです。古い雑誌を保存している図書館はあまりないですが、ヤフオク、Amazon、「日本の古本屋」で探すとおおよそすぐに見つかるので、気になったら買って読みましょう。これ以外にも当然ながら『みづゑ』『芸術新潮』『美術手帖』のバックナンバーくらいは一通り目を通したほうがよさそうです。

M6-1 入門書入門(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

 現代アートをちょっとは知ってみようかと思った時、漠然と書店に立ち寄ってもあまりの書籍の量にうんざりする可能性があります。なので先に傾向と対策を練っておきましょう。

FumiYARtをリスペクトするのも戦略? メディア受けを狙いすぎた村上隆の90年代(『サイゾー』2010年11月号)

──"ゼロ年代"に躍進した感のある村上隆だが、"90年代"からアーティスト・村上隆は存在していた。では、その時代における彼の実像とは、いかなるものだったのだろうか? 当時のメディアを参照しながら、過去をほじくり返したい!

M5-2 村上隆とは何だったのか(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

東京発、無意味着八〇年代後半、日本のアートの話題は常に関西発だった。由緒正しい国際芸術祭のヴェネチア・ビエンナーレには、一九八八年に森村泰昌や石原友明、一九九〇年にコンプレッソ・プラスティコや松井智恵らが選出されたが、多くが関西出身だったし、美術誌で早くから脚光を浴びていたダムタイプ、椿昇、ヤノベケンジらもしかりである。そんな状況下で東京に現われた得体の知れない新人が村上隆であった。  一九六二年生まれの村上は東京藝術大学で日本画を専攻、一九八八年から大学院美術研究科後期課

M4-3 二十一世紀のフローティング・ドローイング(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

「アニメ絵」の個性「一枚の絵は一万字にまさる」とは大伴昌司の有名なコピーだが、言葉が思考に直結するのに対し、絵は認識に直結する。イラストレーションが旧来から与えられてきた役割│空想の具象化・瞬間の記録・内容の図説│はおおよそ視覚伝達であり、主な活躍の場である広告・絵本・パッケージ・挿画ではまさにそれを求められてきた。写真の登場以降、現実の忠実/細密な再現は以前ほど必要とされず、代わりに省略と見立てのヴァリエーションから生まれる新鮮な印象が尊ばれるようになる。イラストレーターの

M4-2 線のネオテニー(仮説)(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

絵画のほとんどは線と塗り、ドローイングとペインティングで作られている。本項ではそのうち前者の「線」に注目することで、日本の図像認識について仮説を立てる。