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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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2021年2月の記事一覧

渋谷系とインターネット

インターネットで渋谷系が盛り上がったって話を『教科書~』やその他で何度かしてるんですけど、第三者からすると理解が難しいようです。その話を聞いた人の反応は「趣味があう人と話せたら盛り上がるよね」という感じかと思います。ちょっと違うんですね。ここではいつもより若干細かく説明しましょう。 渋谷系というのはリスナーの文化です。実際のところ、ミュージシャンが主導したのではありません。送り手と受け手を分けた場合、受け手が主導したという意味です。送り手側の多くが否定的に渋谷系を捉えたのは

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雑談:テストに出ないJ-POP批評

これはもう10年以上前に伝聞で聞いた話で、ソースを示せないので、こうやって地味に書いておくに留める。

「テクノ歌謡復活祭」開催記念アンケート(2008年11月)

2008年11月30日にロフトプラスワンで開催された「テクノ歌謡復活祭」というイベントで、来場者に配布された『テクノ歌謡復活祭のしおり』という小冊子があり、冊子掲載用のアンケートに答えた時のQ&Aを再録します。 もともと『テクノ歌謡ディスクガイド』という書籍の発売記念イベントで、ワタシも登壇しないかと誘われてたのですが、当時はワタシは顔出しNGを今よりも厳密にしており、ロフトプラスワンのステージだと撮影される可能性があるな……と断ったのでした。司会は田中雄二さんで、パネラー

アリスがせめてきたぞっ(2010年8月『月刊トーホー』)

東方Projectの二次創作のマンガ同人誌に参加したときの原稿、出てきたから載せます。東方Projectの二次創作ガイドラインによれば〈常識の範囲内で基本的に自由〉なので、ここに載せるのも大丈夫だと思っていますが、noteって二次創作って大丈夫かな? でも権利者が二次創作OKしてるんだから著作権侵害とは違うし大丈夫だよね? ダメだったら消すわい。下記表紙絵は涼宮よかりさん画。 「東方Project」というのは同人サークル「上海アリス幻樂団」主宰のZUN氏が制作する弾幕シュー

日本出版史のターニング・ポイント 自販機本の世界(2013年『季刊レポ』14号)

自販機本とは一体何なのか?八〇年代エロ本文化はほかのどの時代とも違う特殊性を持っている。それは七〇年代に登場した出版におけるいくつかの潮流が一つに集約されたために起きた衝突と混乱による。安保闘争の流れで大学生の間に広まったミニコミ/キャンパス・マガジンの普及。セルフ出版で末井昭が手がけたエロ本『ニューセルフ』『ウィークエンドスーパー』などに見られるゴールデン街人脈を活用した文化欄の充実。『漫画大快楽』『劇画アリス』『漫画エロジェニカ』を中心に全共闘世代がエロ本で革命を起こそう

面白主義とは何か

昨今、面白主義はかなり内省を迫られている主義です。悪趣味/鬼畜文化と面白主義が現代の悪い流れの源流だとさえ言われてしまいます。一体その面白主義とは何なのでしょうか? 面白主義とは何か

アール少女手帳について

『アール少女手帳』について、ネットで検索してもまったくヒットしない状況があり、しかし渋谷系を語る上でこれについて何も言及しないのも嘘くさいため、少し解説します。

4文字「サブカル」の初出を探す

サブカルという言葉が示す対象は時代によって変わっており、その変遷をここで深追いする気はありません。ここではいつ「サブカルチャー」が「サブカル」の4文字になったのか、に焦点を絞ります。 そもそもワタシが「サブカルチャーとサブカルって違うものだったんだ」と思ったのはわりと最近、といっても約15年前。竹熊健太郎さんのブログ「たけくまメモ」にこういう記事があったからです。 その後中森君は「おたく」を離れて「新人類」になり、サブカル誌時代の「宝島」で『トンガリ・キッズ』を連載、『オ

セッソマットについてのメモ

1973年に公開された『Sessomatto』(Sesso Mattoと区切るのはどうも間違いらしい)というイタリア映画があります。しかしこの映画の話は思いっきり省略、サウンドトラック盤について話しましょう。 この映画音楽は日本では下記の2つの理由によって知られています。 (1)1989年リリース、ヤン富田プロデュース・いとうせいこうのアルバム『MESS/AGE』収録「Happy Syndrome」でサンプリングされていること (2)1991年リリース、フリッパーズ・ギタ

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漠然とした大阪カルチャー認識(音楽編)(2018年『ASK ZINESTERS』#2)

漫画編と同じく、2018年に関西でトークイベントをやった時に配布した冊子からの抜粋です。 1960年代関西フォーク 1960年代後半、ベトナム戦争を契機とする反戦・反体制運動と結びついた、社会的メッセージを含むフォークソングの歌い手が関西に相次いで登場したことで「関西フォーク」と総称される。東京の健全なフォークソングとの対比で語られる。代表歌手に高石友也、中川五郎、岡林信康など。1950年代後半から、民謡/伝承曲(フォーク)を現代的に解釈したリバイバル運動がアメリカで起き、

漠然とした大阪カルチャー認識(漫画編)(2018年『ASK ZINESTERS』#2)

これは2018年に関西でトークイベントをやった時に配布した冊子からの抜粋です。音楽と漫画について話を聞く、という展開のため、基礎知識を先にまとめて配布したのですね。 1940年代赤本 1949年前後にブームとなった子供向けの漫画本。大阪の玩具菓子問屋街の松屋町で流通し、そこから全国各地へ売られた。書店ではなく駄菓子屋などで売られていた。仙花紙(くず紙を漉き直した粗悪な用紙)を使っていたため印刷ミスの多い粗雑な作りで、表紙に赤が多く使われていたのが特徴。代表的出版社に不二書房

通信速度で見るインターネット文化の変遷(『一個人』2018年5月号)

文字→画像→動画。もちろん文字も画像も現役だが、インターネット文化がこの順番で発展してきたことは誰も否定できないだろう。ではなぜこの順番だったのか。人々の興味が徐々に動画へ移っていった、わけではない。みんな本当は最初から動画を見たかった。でも見れなかったのだ。ここには、ネット文化とネット環境の密接な関係が背景にある。

2018年のデザインメモから

2018年に「ちょっとデザインについて話をうかがいたい」と頼まれた際、先に「今デザインについて自分は何を考えてるか」を書き出してみようと思って、箇条書きでメモしたファイルがありました。ここに転載します。こんな話を聞かされて楽しかったんでしょうか?

岡崎京子関連年表(2015年1月「岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ」展用)

※読み方 年号の下にカテゴリが【】で書かれている 【主な出来事】→岡崎京子に関する出来事 【単行本】→その年に出た単行本 【新連載】→その年に始まった連載 【関連書】→その年に出た関連書、雑誌の特集など 【大衆文化】→サブカルチャー的な事象 【社会】→事件や世間一般の出来事 -1979【主な出来事】 ・1963年12月13日、東京下北沢生まれ。射手座、B型。理髪店「ハナビシ」の長女として生まれる ・名前の由来については「東京オリンピックの前の年に生まれたから」「東京に生まれ