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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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2020年9月の記事一覧

マンガと表現 ―テクノロジーが作品を変えたネットから生まれる新しい才能たち(2015年『マンガの現在地!』)

インターネットの存在は以前以後と呼べるほどマンガのあり方を変えました。それは単純に旧来のマンガを「紙のマンガ」と呼ぶようになった以上に、商業誌・同人誌とは違う第三のマンガ流通網として定着した点においてです。マスメディアの判断を通さない作品が、不特定の読者に直接届くことで、従来では見過ごされたかもしれない才能が世間に登場するようになりました。ここではネットと親和性の高いマンガ(家)たちを辿りながら、ネットがどのようなマンガ環境を育んできたかを見ていきましょう。

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2010年代カルチャー(ネットレーベルを喩えに)(2010年8月)

今、インターネットを介して起きている音楽の特殊な動きは、まだ貴方の目の前にほとんど現れていないと思う。それは能動的に知ろうと思わなければいつまでも知らないままでいられるものであり、だが、これから先登場する様々な文化の先行形態にもなり得るものだ。そこを少し説明したい。 現在、YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サイト、および基本データのみで完結するネットレーベルなどを舞台に行われている音楽活動は、送り手と受け手の距離が非常に近い。彼らは自分達のルールに則った創作活動を

アンケート回答(『このマンガがすごい!2015』オトコ編)

<このマンガがすごい!作品賞>

アンケート回答(『このマンガがすごい!2014』オトコ編)

<このマンガがすごい!作品賞>

アンケート回答(『このマンガがすごい!2013』オトコ編)

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こんなところにこんな人:第08回・おしゃれのえらい人

昔の雑誌をめくってるとこんな人がこんなところに!というパターンがたまにあります。そういう小ネタシリーズ。 「激論!サーファー対暴走族」という見出しも気になる所ですが、今回はそこではありません。

Paper Rare Groove 05:綜合諷刺雑誌『VAN』に戦後サブカルチャーの源流を見る?(『Tokion』66号・2008年2月号)

「作品は突然生まれない(必ず何かの影響から生まれる)」というのが持論なのだけど、それを証明するのは結構手間だ。最近は、戦後日本に影響を与えた海外の漫画家、ソウル・スタインバーグやベン・シャーンを、日本の漫画家達は一体何で知ったのか、というのがずっと気になっている。 はじめは「スタインバーグのグラフィック漫画にぶつかったときは、頭がフラフラとなったのを思いだす」と『ぼくがすきな外国の変った漫画家たち』に書いていた植草甚一周辺を疑ったものの、『文藝春秋デラックス 世界のマンガ』

Paper Rare Groove 04:80年代後半の渋谷のショップにモンド文化の源流を見る(『Tokion』65号・2008年1月号)

先月、80年代後半から90年代前半までニューヨークで発刊されていた前衛音楽系カセットマガジン『TELLUS』について調べていて、まとまった日本語資料としては『EXCENTRIQUE』創刊号くらいしか見つからなかったのだけど、ある人が「渋谷にあったパラドックスっていう店はアール・ヴィヴァンより先に入荷していたよ」と教えてくれた。

Paper Rare Groove 03:パンクZINEに当時の熱狂を見る(『Tokion』64号・2007年12月号)

海外で最初に登場したパンクZINEは『Sniffin'Glue』(1976年7月)だと言われるのだけど、では日本では何だろうかというのがここ数年の研究テーマ。音楽誌では70年代後半の『ZOO』や『rock magazine』、ファッション誌では『POPEYE』や『装苑』の音楽コーナー、文芸誌では『詩の世界』のパティ・スミス特集などに、輸入文化最新情報としてのパンクを見つけることができるけども、もっと皮膚感覚の、ナマの視線からのパンクを知りたいと考えるのは、人間として当然のこと

Paper Rare Groove 02:自販機本に20世紀末文化の源流を見る(『Tokion』63号・2007年11月号)

 自販機本というものをご存知だろうか。70年代後半~80年代前半にかけて人気を得た、その名のとおり自動販売機でのみ売っていたエロ本のこと。書店流通がなく中身が判らないので、とりあえず表紙やカラーページだけヌードにしておいて、白黒ページは編集者が好き勝手に作っていたというものだが、今読み直すと意外な?有名人が自販機本で活動しているのを発見できる。今回はそれを紹介しよう。

Paper Rare Groove 01:渋谷系の原風景をネオアコ・ファンジンに見る(『Tokion』62号・2007年10月号)

 ワインに「飲み頃」があるように、本や雑誌には「読み頃」がある。出た当時は意識していなくても、時間が経つと判るモノがある。今じゃ出版できない特殊な形態。文脈を遡ることで興味深くなる記述。今有名なあの人の無名時代の原稿。この時期に既にこんな事を言ってる人がいたという発見。どれもリアルタイムでは味わえない珍プレー好プレーだ。この連載はそんな、今だからこそ存在が面白い書籍やら雑誌やらの「紙モノ」を紹介していきたい。  記念すべき第一回はネオアコ・ファンジン。馴染みのない人に大ザッ

音楽マンガレビュー(2014年『音楽マンガガイドブック』)

※掲載図版が発掘できませんでしたので一部省略しております 上條淳士「TO-Y」 1985-1987/『週刊少年サンデー』/小学館 インディーズで話題をさらったバンドGASPのヴォーカル藤井冬威が、ひょんなきっかけで芸能界デビューをし、日本を席巻するまでの成り上がりストーリー。現在でこそ80年代の音楽マンガを代表する一作として知られるが、実は打ち切り寸前だったところを冬威のファンである女子中学生・山田ニヤのパンチラ・シーンで人気に火がつき連載続行になったという逸話がある。大友

音楽誌に載ってるマンガたち(2014年『音楽マンガガイドブック』)

「コミックスとロックン・ロール、その二つが本物のアートと呼べる物よ」と語ったのはパティ・スミスだが、日本で巨大な自主制作シーンを持つ音楽とマンガという二つの分野には、根底のところで共鳴する創作精神があるに違いない。

坂本龍一ブックガイド2009(『ユリイカ2009年4月臨時増刊号 総特集=坂本龍一』)

ここでは坂本龍一関連書籍の大ザッパな分類と解説を行うが、時時の坂本の興味の移り変わりと、折折の編集者との付き合いであると言ってしまえばそれまでだ。唯一共通するのは、聞き書き/語り下ろしや対話ではない、坂本の自筆による書き原稿が、前書き・後書きを除いてほとんどない点である。例外は、『音楽図鑑』における散文的メモ、村上龍とのFAX文通集『友よ、また逢おう』での私信風テキスト、同じく村上との共著『モニカ』における見た夢の話が数行ずつ、『アフリカノート』での少量の日記などで、エッセイ