キング牧師 人種の平等と人間愛を求めて (岩波ジュニア新書)

またまた本を読む習慣をつけようとnoteをつけ始めたよ。
こんにちは、社会人になって学生時代の勉強の大切さをひしひしと感じるワイです。

今回はタイトルにある通りキング牧師の伝記を辿っていき、キング牧師の行動から学べる自分たちにも出来る事、について考えていこうと思う。



幼少期からの人格形成


本を読む前の彼のイメージと言えば、
すごい人、牧師という名の政治家で生まれてすべてを悟った天才
漠然過ぎるけど、そんなイメージがあった。

そこは想像通り、父は牧師の中流階級の家に住み、幼少期から飛び級を重ねる頭の良さ。
出生からいい環境で育てられているが、当時の人種差別の問題があり、完璧な幸せではなかっただろう。

でもその現状に文句だけをいう、ではないのがキング牧師。
自身の感情がどこから来ているのか、なぜ人種差別が生まれ、今もなくならないのかにしっかり向き合った上で、数々の教授の意見や、他国のガンディーが行った行動も全て吸収して、自分の主観的な意見に周囲の意見なども取り込んでいく姿勢が他と違うんだと思った。

頭の柔らかさ。
どんな事であれ、まずは意見を聞く。
自身の立場を理解したうえで、それを更に変えるにはどうしていくか
多角的に物事を見る事に優れていると感じた。

南部での牧師生活とバス・ボイコット


自分が何をすべきなのか、何を求めていたのか、自身が進んでいくべき道を決定づけた25歳。
この時点でいまだこの道で良いのか尻込みをしている自分とは全然違うなと感じた。
ただその分キング牧師は時間をすべて、「知りたい」という思いに注ぎ込んだからというのも大きいだろう。
どんなことでも夢中になると24時間そのことばかりになるからね。

また読んでいて感じたのは、彼は自身の目指すべき場所がしっかりしていたという事。
だから周りからやめろと言われていた白人主義の強い南部のキリスト教に自ら入っていったのだろう。

そしてそこからバス・ボイコットが成功したのも、その芯の強さが、賛同者を引き付けて確実なものに出来たのだと感じた。
きっとこの時点から、キング牧師には未来が見えていたんだろう。

活動を拡大していく中での、説教


バス・ボイコットで自分たちの主張が認められてからも、どんどん活動範囲を広げていくキング牧師たち。

その中からあった説教内容
「最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である。沈黙は、暴力の影に隠れた同罪者である。」
現在も言われている沈黙は同意と同じという言葉を思い出した。

これは私を含む、今の日本人にはとても耳の痛い言葉だと思う。
本当に嫌だと、これが間違えていると思うなら、小さなことでもまずは行動する事が大切で、その為には自分自身が何を考えているのか、常に考えてその一つ一つに答えを出す事から始めていく必要がありそうだ。

ベトナム戦争、そして


内部などでも、キング牧師の考え方に不満を持つものが増えていた中で発生した、ベトナム戦争。
その時のキング牧師の考えは、民衆の意見とは逆の、戦争を行う事は間違えているという物だった。

彼が戦争は止めるべきだと声を上げると、それまでついてきていた仲間たちは、一斉にそれに対して批判される。
それでも自身の意見を変える事はなかった。

キング牧師の行動をこの本で読んでいると、黒人解放運動も、戦争の反対も全ての出来事に対して、全て一筋のきれいな線になっており、その言葉には一つも矛盾がないと感じた。

自分の立場が上がる程に、自分の意見の重みも強くなり、その意志を固く守るというのは難しいと思うのに、彼は常に自分の考えを第一に寄り添って意見を変えないのが彼の美しさだと感じた。

それも幼少期時代から、数多くの物を見て、感じて、確固たる芯を築き行きついた「人類皆兄弟」という考えに到達したからなのだろうか。

彼の死後


キング牧師の活動期間、常に平和的解決を望むと言っていた彼の言葉と裏腹に、死後にすごい暴動が起きて、物事が大きく進展したと書いてあった。
本にもあったことだが散々暴力を起こさず双方歩み寄る事を大切にしていたのに、結局物事は全て最悪になってから動くという事を強く感じる。

キング牧師も
「愛のともわない権力は有害であり、権力をともわない愛は感傷的で非力」
と言葉を残しており、自分の行っている行動がどんなに愛の上で行っていても、その力は弱く、物事を変える事は難しい。
という意味なのかと感じた。
きっと彼も、何が最適解か分かった上で、自分の行う行動で物事がすぐに動く事はないと分かっていたんだなと思うと、余計に悲しくなる。

最後にこの本を読んで


大きなことを行う場合、9割は準備期間で決まるという言葉を身にしみて感じた。
私は常に一回一回その場勝負で準備をおざなりにしてしまうため、イマイチ結果になるんだろう。前にかなり準備したときは、自分でも満足いく結果になったし、どんな歴史的な出来事の前には、小さな準備や出来事の積み重ねだという事を実感した。

良い事でも悪い事でも、自分が信じる道であれば誰かしらに認められる。
キング牧師がバス・ボイコットを説教する時、それに賛同する人々がかなりの危険にさらされるという事が分かった上で共に戦ったのは、もちろん賛同した者たちと同じ意思を持っていたというのもあると思うが、その芯の強さから、この人に信じてみようと思ったんだろうと感じた。
ベトナム戦争を反対したときも、少数だったが賛同者もいた。
だからこそ自分が芯を持つことは、自分を、他人を信頼するにはとても大切な事だと実感した。

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