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【ネタバレ有】アニメ・虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2期第3話「sing! song! smile!」感想

 前話までの感想はこちら


 2022年4月16日、22時。ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメ2期第3話が放送されました。

 いろんなことが起こりすぎ!!!!!
 
虹ヶ咲におけるユニットの在り方と、スクールアイドル−ファンの関係、動き始めそうなミアや栞子の物語の片鱗など、さまざまな要素が織り込まれていました。
 そして以下でも色々書きはするのですが特殊EDがあまりにも……あまりにも良すぎました。前期最終話のEDが流れ始めた瞬間と同様の「ヴァッ」という呻きが口からこぼれ出た。

 今回アニメで正式に結成されたQU4RTZ、終始彼女たちらしさやそれぞれ個人のらしさがたくさん出ていて、見返すたびに幸せな気持ちになります。全員が全員個性を全く抑える気のない姉妹感ユニット、好きすぎ。

 では以下より、限界乱文をしたためます。
 なおこれは「感想」であって、考察や解説とは全く異なります

「重なる色」

 QU4RTZのライブでランジュに何か大きな変化が訪れると思っていたら、まさかこのステージを通して彼女同様心配していた侑の方の悩みにクリティカルヒットするとはね……!!!! という感じでした。なるほどポイント100億点。

 また、この話で個人的に一番好きなところが、虹ヶ咲におけるユニットの意義について垣間見えたところ。
 Bパート中盤、4人の合宿の最終日の会話。

エマ「自分のやりたいことを発表する合宿だったのに、最後はみんなから自分のことを教えてもらう合宿になっちゃったね」
彼方「でも、何か見えた気がするよ」
かすみ「ソロのときは、自分のやりたい自分だけど」
璃奈「一緒になると、新しい自分を見つけることができる
エマ「わたしたちで、新しい色を作ってみようよ!

 集団になることの意味において、「他人から見た自分を教えてもらうことで、新しい自分を見つけること」に重きを置いているのが本当〜〜〜〜〜に最高です。

 あとここで要所要所で出てきた紅茶のカップが満たされ、なおかつミルクが注がれて混ざりミルクティーとして完成されたの、ひ、比喩〜〜!!! となりました。
(あと筆者は個人的にQU4RTZの既存楽曲だと「Beautiful Moonlight」がとりわけ好きなので、脊髄反射で「恋色ミルクティーじゃん!!!」となっていました。落ち着きを完全に失っていたということです)

 もちろん、目標や目的に向かって意識をひとつにすることが必要になったり、そうすることで得られるものもあると思います。
 けれど、どこまでも最初に、そして最重要とされるのは「個」であるというところが本当に大好きです。
 「新しい色を作る」というのも、ただ今までの自分たちを合わせて新しい色となるという訳ではなく、新しく見つけた自分たちを重ねるという風になっていて、非常に心に沁み入るものがあります。

 人と組むことでより真たる「あるがまま」に近づくというか。
 うまく言葉にできませんが、こういったあり方で描かれる個の尊重や、縛られることなく自分たちを表現する自由な姿は、本当にかけがえのないものであるように思えます。
 誰も諦めず、折れず、自分を曲げず、それぞれのやりたいことをやりたいように突き詰めていった結果で生まれたのがこのユニットであるということが、なんだかとても嬉しく感じました。

QU4RTZというユニット

 ふんわりしている姉妹ユニットのようでいて全員我が強く、だけれども流れる空気感がとことん暖かくて優しい。
 ”幸福”をギュギュッと人型にしたらこのユニットが完成しそうな4人組です。

 舞台の構成案で実現性度外視のデカすぎ枕ステージを提案したり、全員一致回答をめざす要旨なのに全然人に合わせようとする気配が見えないのがどっちも3年生というの、好きすぎ。

 前話の終盤で意見が揃ったからうまくいくと思いきや、思いっきり全てがバラバラで全然うまく行っていないの、あまりに我の強い集団で面白くも最高の気分になってしまいました。これこれ〜〜〜!!! 今後もずっとそれぞれ自分をどんどん押し出していってほしい。

かすみ「やっぱり4人でやるなんて、無茶だったんですかねぇ……」
璃奈「諦めるのは、まだ早い」
璃奈「あと1週間ある。1日、ひとりずつ、時間をかけて自分のやりたいことを発表し合うのはどうかな?」
璃奈「そうすれば、お互いをもっと知ることもできると思う」

 曲も構成も何もかも決まらず残り1週間という気絶レベルのヤバさの中、この提案をする方も乗る方も全員肝っ玉が太すぎる。ひとり1日使ったら残りの準備期間は3日しかないのでは……!?
 全員が妥協をする気がないからこそ、すり合わせではなくて「やりたいことの発表会」という提案に乗ったのだと思います。

 なおかつ、それを言い出すのが1期6話で超タイトスケジュールでライブを敢行した璃奈ちゃんであるのも良かった。説得力が違う。
 一度あまりのまとまらなさに諦めかけたものの、それに異を唱えることができたのは、旧同好会の分裂を経験していない(かすみエマ彼方は全員旧同好会にいた)からこその強みが発揮されたものだとも感じます。

 今話披露の「ENJOY IT!」の「それぞれの形が気付かせてくれた」がまさにユニット誕生の経緯そのものだし、ひいては今話そのものでもあったように思います。

 あと劇中でもわかりやすく示されていましたが、合宿パートで映る4人全員の部屋に同じ写真が飾ってあって、みんなバラバラではあるしそれこそが尊重されるものではあるんだけど、心の中に共通した大切なものがあるという描写がも〜〜〜〜〜好き。このバランス取りがたまりません。

ランジュ……!!!

 1話からずっと孤高であり続けようとし、それこそが自身の証明になるのだとその矜持を掲げ続けるランジュ。
 そんな彼女がAパート中盤で見せた幼なじみの栞子に対する

「次はもっと大きい規模で、ライブをやろうと思っているの」
その……来てくれるわよね?

 ここの表情で無限に「ら、ランジュ……!!!」という感情になってしまいました。そんなつぶらな瞳で……まるで恐る恐るで大好きな人に寄り添うでっかいわんこみたいに……。

 「誰かに支えられなくても一人でライブはできる」という彼女は、実際に栞子が観ていなくとも幾つもステージをこなし、人々を魅了しています。
 だけど直前の得意げな顔から一瞬の考え込む表情からのあんな声色と顔でそう言うのは……ねぇ!!! と思ってしまいます。

 例え支えられなくてもできるからといって、誰か(というか信頼できるのであろう栞子)がそばにいて欲しいと思っているのでは……? ランジュ……? 必須ではなくても、できれば他者がいるに越したことはないみたいなことなんじゃないの……? と考えてしまいます。

 壇上から彼女を見つけたエマと表情だけでコンタクトを取る姿も、ただそこだけ見ればちゃんと意思は疎通できているのにね……と熱さと寂しさを同時に感じてしまうような。

「アタシには、真似したくてもできないステージだった。それは認めるわ」「でも……!」

 そんな彼女に対して行われたQU4RTZのライブは、彼女の心へ届き切るには至りませんでした。終演後もランジュは同好会のライバルとしてのランジュであり続けていた。
 「真似したくてもできないステージ」という言葉の使い方から、彼女の心の中にも「QU4RTZのようなステージをやりたくなる可能性」が過ぎったのかと思うと、心がギュッとなってしまいます。

 それでも、特殊ED中に流れた自宅でトレーニングをしている彼女は、目標(あるいは目的)に向かって真っ直ぐに進んでいる、青春をしている充実した表情をしていました。

 眩しく孤高であるからこそ、ふとしたときに印象として脳裏を掠める彼女の孤独の片鱗が刺さってくる感じがあります。1話から多種多様な角度でオタクの魂を踊らせてくる……。


ミアちゃん

侑「……? ミアちゃん!」
ミア「『ミアちゃん』ってなんだよ。ボクは先輩だよ?

 彼女の出身国であるところのステイツでは、いわゆる日本でいう「先輩後輩」の概念は結構薄いらしいです。
 にもかかわらず自身への呼称で即この発言が出てくるの……気まぐれで来日したって言ってるけど結構いろんなこと調べたのかな……かわいいね……とにっこりしてしまいます。

 とはいえ流石はプロ。先輩へも余裕でタメ口をきいてくるベイビーちゃんに対し、至極まっとうなアドバイスをくれました。

ミア「別に自分がいいとか、どうでも良いんじゃない?」
侑「え?」
ミア「求められることに忠実に応えるのが音楽さ。相手が先生なら、教わったことを守ればなんとかなるよ
侑「求められるものを……」
ミア「ボクが言えるのはそれだけさ。またね、ベイビーちゃん」

 親切〜〜〜!!
 言葉の端々からしてやや割り切りすぎなきらいはありますが、試験を突破するためのアドバイスと考えれば、そこも含めてクリティカルな回答だなぁと感じます。
 学校で出される試験は、それまで教わったことを理解しているか確かめるためのもの。転科生用の補講の試験ということもありますし、よりその性質は強くなっていると考えても良いと思います。

 それに「求められることに忠実に応える」「提供する相手が求めるものを分析する」のはプロの仕事として実行すべき原則のようなもので、その立場からちゃんとはぐらかすことなくアドバイスをしたミアちゃん、態度がやや素っ気なく見えるだけで親切さが全く隠し切れていない。

 下記でも書いていますが、侑にとって曲は自分を表現するための手段で、ミアちゃんにとっては仕事として作る成果物。
 音楽に対するスタンスも練度も全く異なるふたりが交流することで、どんな反応や連鎖が出てくるか、今からとても楽しみです。

NEO SKY, NEO MAP!

 これね〜〜〜!!!! ほんとこれ……!!! これ!!!!!! という感じです。巨大感情で心がダンスダンスしてしまった。

 同好会を通じてもらった夢、「自分を表現できるようになりたい」「私は私しかいない」と改めて自分自身を見つめた侑のひとつの結論としてこの曲が来るの、ほんと心がヴァ〜〜〜!!!となりました。

 個人的に「自己表現」あるいは「自己実現」は、虹ヶ咲においてとりわけ大切に扱われてきたテーマだと思っています。
 1期1話、歩夢はせつ菜や、それ以外にもたくさんのステージを見てスクールアイドルへの憧れを募らせました。

歩夢「本当にすごいと思ったよ! 自分の気持ちをあんなにまっすぐ伝えられるなんて! スクールアイドルって、本当にすごい……!」
歩夢「私もあんな風にできたら、どんなに素敵だろうって!」

アニメ虹ヶ咲1期1話 Bパート終盤

 「スクールアイドルから『自分を表現すること』への夢や憧れをもらった」ことは、歩夢も侑も同じ。歩夢は同じスクールアイドルとなることで、侑は音楽という手段で。

 前期最終話では、侑がピアノを引き始めるまさにその瞬間からEDが始まり、ピアノからイントロが始まることから「もしかして試験で弾いたのはこの曲ではないか?」という説があったことを思い出します。
 今話にて結果としてそれは違うということになったのですがここでこういう形で来るなんて思わないじゃん!!!!!!
 
演奏自体は「一生懸命練習してきた感」がいっぱい出てくる、完全に滑らかとは言えない音なのが更に感情を無茶苦茶にしてきました。

 改めて歌詞を見ると、前期までは「夢を追いかける同好会メンバーたち自身や、彼女たちからファンへと向けられる未来への歌」として読めたのですが、今話にて「侑から同好会へ(ひいてはファンからスクールアイドルへ)向けられる歌」としても読めるようになってるのヤバ……となります。
 その自己表現の第一歩として生まれた曲の歌詞で「夢の色も違うけど想いは一緒だよ(2番)」とか……なんだこれは……最終回……????

 今までも最高of最高の歌詞だなぁと思っていたしシャッフルでこれが流れてくるたびに反射で「勝手に終わらないでくれる!?」となっていたのですが、更に感情が付け足されてしまって大変です。

 そしてそれを優しく聴いてくれるミア・テイラーちゃん先輩……。
 自身のアドバイスとは違った方針、つまるところプロ志向とは言えないスタンスのベイビーちゃんと出会うことで何か考えうることがあったのかもしれません。14歳のする笑顔かあれは……。


以下、ここすきポイントなど雑記


・栞子ちゃん
 頼むからぜってぇにランジュちゃんのライブを最前ドセンで観に行ってあげてくれよな……!!!
 なんだかランジュから向けられている感情の大きさに対して、本人はランジュの能力の高さをなまじ知っているがために無自覚、みたいなムーブに見えます。この世界の幼なじみって大体そうなってしまう運命……?

 少し気になるのは、Aパート途中の生徒会室での場面。

生徒会副会長「三船さんも、スクールアイドルが好きなんですか?」
栞子「私はただ、私の適性に沿って、動いているだけです」

 副会長からしたら返事の難しそうな発言すぎてちょっと面白いのですが、彼女が自身の「適性」をどのように定義しているのかが興味深いです。
 栞子ちゃんといい、ミアちゃんといい、「自分のしたいことややりたいことをそのまま表現すること」への欲求や踏み込みがキーになってきそうな感じがしています。

 前回では同好会の歩夢と少しお喋りをしてやわらか栞子ちゃんの片鱗を見せており、今回はQU4RTZのライブを見て感銘を受けているような表情をしていた彼女(ここで隣を見たランジュの表情がまた……ランジュ!!!)。
 どこを起点に同好会と深く関わってくるのか、これからも楽しみです。
 ただちょっと思うのは、これでランジュよりも先に同好会に入った場合、中立の地点からランジュの精神的なよりどころとなれる人がマジでいなくなる可能性があるので、ど、どうなっちゃうの〜!? という気持ちでもあります。
 何からなにまで全部どうなっちゃうんだ……2期……全然先が読めないぜ……。


・中須かすみ
 相も変わらず好きすぎ。
 中須家の合宿パートのところのやりとりがとりわけ最高ポイントでした。
 大量の衣装替えシーンの後(ここの着ぐるみ推しすぎのエマさんが特にかわいくてすき)、

彼方「かすみちゃんは、4人でもかわいい感じにしたいんだね」
かすみ「だってぇ、彼方先輩もエマ先輩もりな子もすっごく可愛いから、それをもっと引き出してあげたいんですよぉ!」

 彼女は自己主張が激しめで、自分自身が世界で一番可愛いと豪語して憚らない(この主張も彼女の覚悟の賜物なのですが)人間です。
 ただ、それは周囲の良さを見ず盲目に自分を信じている訳ではなく、ちゃんと周りが見えている。その上で更に可愛さを引き出したいと思うほど、同好会のメンバーを認めているし大好きだと思っている。このことが同時に分かる最高シーンでした。
 かすみの中の「可愛い」は幼い頃からの本当に特別で大切な概念なので、それを引き出してあげたい! と思わせる3人のかすみにとっての大切さが……非常に……伝わってきて……良かった……。

 そして幼少かすみん、不機嫌になっちゃってる顔も含めてかわいいねぇ〜〜〜〜と孫に対する祖父母のような顔になってしまう。
 あの表情は前髪を失敗したのか、うまく髪型が決まらなかったのか。
 ともあれ当時の写真を見た後に現在のかすみを見ると、ずっと「可愛い」に対する意識を持ち続け、磨き続けてきたということが伝わってきます。

 アニメ版の彼女の「可愛い」に対するこだわりの原初というか原体験みたいなものは書籍の「Rainbow Days 〜かすみ・愛・せつ菜〜」にて触れられているのですが、それも込みでここを見るとまたこみ上げるものがありました。中須かすみ……君こそがダイアモンドだ………………………………。

・果林ちゃん先輩

果林「愛」
愛「っ……うあぁ、なにっ?」
果林「明日……朝7時に、電話くれる?(かっこいい顔)」
愛「えっ?」

 2期、どう考えても果林さんの可愛さを推してきている。
 エマさんの前では心配させないようにと振る舞うけれど、愛に対してモーニングコールとは明言せずに電話を要求するところ、不器用すぎて愛おしい。かっこいい顔で何を言っているんだ

 愛さんのダジャレ、完成度は置いておいてガンスルーされてしまっているのはちょっぴり気の毒でした。彼女の珍しい戸惑いのリアクションが見られたのは貴重ではありましたが、何か一言言ってあげて……!

 あとBパート終盤、ライブ後の袖にいるところ、相変わらず壁に背を預けて立っていて安心しました。果林先輩、ふとした瞬間にもかっこいい立ちポーズをとりがち。

 以上、3話を観たオタクの感想です。

 EDで最大級に情緒が狂わされ、けれど冷静になって見返すとひとつひとつの要素でも丁寧に情緒をおかしくさせられる23分でした。
 本当にいろんなことが同時に起こりすぎ。密度。あと上記で書き忘れたのですが近江家のド美人ママとか細かいところでもいろんなことが起きすぎ

 あと2期に入って果林さんもそうなんですがはんぺんの可愛さが加速してきているというか、もうあざといまである。
 可愛い動物はいくら出てきても困らないので、いつか桜坂家の飼い犬ことオフィーリアも出てこないかな……とひそかに思っています。8話のMVで一瞬出たけど声付きで動いてくれても良いんですよ……?

 来週は愛さんと果林さんにスポットが当たりそう。QU4RTZのことを考えると曲自体は再来週でしょうか。
 個人的に次回予告でチラッと出ていた愛さんの関係者のお姉さんがかなり好きなので、アニメではどう描かれるか楽しみです。
 愛さんも大概なのですが彼女も相当属性が多いよくばりキャラなので……。


1期の感想はこちら

お借りしたヘッダー画像:https://pixabay.com/images/id-250016/

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