自分用に推しカプ再録文庫本を1冊刷り、現物を見て思ったこと(現物レビューのようなもの)
前々から「人生で一度はSS本を作ってみたいな〜」と思っていました。
やらずに永遠に時が過ぎていきそうだったので作りました。
ネットに出した二次創作のSSをいくつかまとめたものです。
印刷所は製本直送.comさん。1冊のみ・文庫サイズの注文でもめちゃくちゃ手ごろなお値段です。
漫画同人は経験がありますがSS本は初めて。
作ったら楽しくて良い感じでした。
しかし、注文する前「完成品ってどんな感じなんだろう?」と調べたところ、
「文庫本サイズ・200ページ弱」
という、今回の仕様に合致したものがあまり見つかりません(いくつか感想・出版お知らせツイートやサイトはありましたが、仕様の詳細が書いてなかったりした)。
いつかまたやってみたくなったときのため、仕上がりの感想を残しておきたいと思います。
手続き自体だったり、文庫同人の作り方、といった説明ではありません。
「完成品ってどんな感じなんだろう?」に対する現物レビュー、その記録が主たる目的です。
①現物の簡易仕様
製本サイズ:A6(文庫本サイズ)
ページ数:200(本文194)
フォント/大きさ:さつき源代明朝/8.35pt
1行あたり文字数/行数:41文字/16行
全体の文字数(本文以外込み)/7万8千くらい
本文用紙:ラフクリーム琥珀(77.4kg)
表紙用紙:柔らかめ(※「硬め」とのどちらかが選べます)
カラー:本文モノクロ/表紙モノクロ
料金:857円(送料込み)
②レビュー・感想(改善点含む)
・紙が結構しっかりしていて厚め
他の印刷所さんが扱うものより紙が厚く、指で表面を擦ると少しラフなサラサラ感があります。
本文用紙はラフクリーム琥珀(77.4kg)。
書籍用紙の場合、自分でもけっこう名前を聞くスタンダードな紙は淡クリームキンマリ(72.5kg)です。
コミック紙などの例外もありますが、基本はカッコ書きの数字が大きいほど厚め。
左が今回の本(200ページ)、左が新潮文庫の文庫本(224ページ)。
※作りたさが先行しまくり表紙は超シンプルに。
新潮の方は2分ほど頑張っても出来ませんでしたが、こっちは一発で直立します。
良し悪しの問題ではなくて、好みの話です。
厚みがあるとしっかりした本感が出て強そうでテンションが上がるし、薄めでしなやかだとより商業文庫本っぽくてテンションが上がります。
・ノド(ページの綴じ方向の余白)はもっと余裕を
本文用紙やや厚めなのに伴って、少し気をつけたほうが良かったな、と思うのがこれ。
少しページ数があるので、真ん中くらいまで読み進めると若干開きにくくなっています。
ごくわずかに本を傾けたり、ちょっと力を入れるくらいで問題なく読めますが、余白の調整でその手間も潰せそうです。
ページ数が減ればそこまで気にしなくて良さそう。
・天(ページ上部の余白)はもっと狭くしても良い
具体的にいうと1文字分くらい。
モニタで見ていたときより結構余裕がありそうに見えます。
上部の余白を減らして文字数を増やすか、フォントを大きくするかしても良さそうです。
・インクのテカりは気にならない
ざっくり言うとオンデマンド印刷というものとオフセット印刷というものがあり、更にざっくりと言うと前者は「トナー」、後者は「インク」が使われます。細かい仕組みは本旨でないので割愛。
オンデマンドは印刷の使用上、「トナー部分がテカる」と言われがちです。最近は印刷機や紙が進化していて、結構抑えられるらしいですが。
ともあれ手元の本はどうかというと、特に気になりませんでした。
目が肥えている人はもしかしたら気になるかもしれないけど、普通に読む分には分かりません。
フォントや1ページ中の文字数によっては気になる場合があるのかも。
トナーの範囲が広いほどテカりやすいので、太めのフォント・てんこ盛り文字数だとそうなる可能性はあります。
・「1冊だけ文庫本を作る場合」はページ数は出来るだけ8の倍数に
印刷・製本の関係上、8ページの倍数でないと後半に余白ページが入る可能性があるそうです。
複数冊作る場合は4の倍数でも大丈夫なケースもあるようなのですが、入稿確認時に出る上記の説明ページのスクショを撮り忘れました。
ともあれ。
上述の通り、本文部分は194ページ。あと6ページなんとか足さなければ、という状態になりました。
全て偶数ページ(右側のページ)始まりで構成しているので、最後に余った奇数ページ(左側のページ)は空白に。これで1ページ。
奥付をつけよう。これで1ページ。
それぞれの短編と、いつWEBに掲載したかの一覧みたいなやつをつけよう。これで1ページ。
6ページ中、3ページの空白が埋まりました。残りはどうするか。
「あとがき」です。3ページなんかそれっぽい感じでひねり出しました。
入稿直前でUターンしなくても良いように、ページ数を調整する手段はいくつか考えておくと良いと思いました。
③まとめ
原稿作りでいろいろと改善点が見つかったり、注意するべき点に気付けたりしました。
ただ、上記の点を補って余りあるくらい楽しかったです。というかそれが先。楽しかった。
WEB上に出したSSを推敲してまとめた書き下ろしなしの再録本ですが、紙媒体・縦書き&明朝体で読むと結構印象が変わる感じがしました。
上述の通り送料込みで1000円かからないので、お試しやちょっとした楽しみとして気軽に作れます。
月並みですが、やっぱり紙の本を見るとテンションが上がりました。
自分の中で、「人生で一度はSS本を作ってみたいな〜」が「次に作るときはもうちょっと色々考えたいな〜」に変わりつつあるのを感じます。
初めて文庫本を作る人間でもかなり簡単に越えられたハードルなので、もっと軽率にやっていきたい。
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