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ちいさな言葉の欠片たち(エッセイ)

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あの日のあの言葉って、納得いかないんだけどとか。誰かが言ったちょっといいなって言葉を紹介しながら、まるで日常なエッセイや日記書いています。
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2020年11月の記事一覧

#旅する日本語 全制覇してみました!ひとりじゃなかった、みんなと走ってたんだ。

なにかものごとを、最後までやり遂げるのが いつも苦手な子供でした。 飽きちゃうんですね。…

走り抜ける彼らを、風になったあなたとみていた。

道の上を宙を舞う声。 散らばっていたのに、ひとつになって 駆け巡る。 箱根駅伝のルートに…

顔も名前も知らないあなたに贈りたい。言葉にできなかった「ありがとう」。

<世のなかには、毎朝目がさめるとその目ざめるということがおそろしくてたまらないひとがあち…

双子の君に、君がすきって言われた。

この世の中には、自分に似た顔の人間が3人 いるらしい。 子供の頃、家族で山荘に出かけた。 …

燃える夕日と、とけてゆくこころと。

日暮里で降りてみいへんかって、ハスキーな 声が言う。 なんで? なんでって、落ちこんでる…

どうしようもなく、ふたりぼっちだったから、エコーズの「愛をください」を聞いていた…

感動するって、心が微動して、その微動に耐えられなくて。 時としてそのことに、傷ついて。 …

曼殊沙華、あなたの瞳に映ってた。

きしょうてんけつのない世界に憧れる。 たぶん、今じぶんがここにいるのは、 き、しょう、てん、ぐらいの位置なんだろう。 物事が順番に進んでゆくことに、軽い抵抗を覚えるし、 いつだってランダムがいいなってどこかで思ってる。 10年ぐらい前、好きな人が教えてくれた ロラン・バルトの「偶景」。 <木の葉のように落ちてくるあらゆる>出来事、つまり 偶然の小さな出来事だけで構成されている本だよって、 教えてくれた。 ある日 鎌倉の腰越あたりで降りていった人をみていた

灯台の光が、ふいに心にともされたような。

もこもこのマフラーと手袋の温かさを頼りに 駅の改札を抜けて、階段を足早に駆け上がる。 は…

誰かと一緒にご飯が食べられなかった。そんな季節がありました。

誰かの目を見て、誰かと喋りながらご飯を食べることが 急にできなくなった。 そんな季節がわ…

ガラスの欠片ように、ふたり漂いながら。

銅板でつくられた大きなシーラカンスや、魚たちが 間接照明の明るさに包まれた店の天と地のあ…

【いつどこnote】だって、言葉って風みたいにいなくなるんだもん。

noteはじめてみたら、どうしてここにはこんなに書くことが 好きな人ばっかり集まっているんだ…

水蜜桃の種に涙した。横たわりながら、なみだした。

心の中が微熱っぽく、まつわりついていた ある夏の昼下がり。 鹿児島本線に乗って鹿児島駅に…

あなたの指先に、フラミンゴを想う時。

指先に流れている薄く透き通る血の色を見て それはわたしだけじゃなくて、あなたにも 流れて…

だから、レエスに捧げた。追いつけなかった言葉たちを。

糸と糸がもつれることもなく、格子状につむがれて。 いくつかのしずくが、水玉模様みたいに、浮かんでいた。   蜘蛛の巣だった。 京都の深泥池近く。 そこにいた黄緑色と黒の、横縞の蜘蛛。 ジョロウグモだった。 蜘蛛の研究家だった従兄の秀さんに 教えてもらった。 その巣には もうすでに戦利品らしきものがひっかかって。 横糸がこまかくはりめぐらされていて。 丸いというよりは、楕円だ。 繊細なレエスをつむいで、そこに獲物が包まれている。 身動きできないけれど、な