母にとっての#はじめて買ったCDになった、クリスマスのあの日。
秋のせいなのか、時々、音楽に沿ってじぶんの気持ちが、
決まってゆきそうになることがある。
すでにこぼれだしている。
耳をすますなんてことをしないでも、どこからか音がやってきて、
するりと耳のなかから、心のある場所めがけて
ひっそりと、ひそんでしまう音。
ずいぶん前のことだけれど。
あたたかなイヴの日に、仕事の打ち合わせ場所に到着して
タクシーを降りた途端に、そういう経験をしてしまった。
気持ちが曲に、ずるずるとひきずられてゆく。
緊張しながら、スピーチもしなきゃいけ