見出し画像

「2040年までに1万社のスタートアップを支援する」ミッションを具体化してみた話

2023年の年間計画を立てるにあたって、これまでのミッション
「Support entrepreneurs to solve global problems」
(世界の問題解決に貢献する起業家を支える)

「Support 10k startups by 2040 to solve global problems」
(世界の問題解決に貢献するスタートアップを2040年までに1万社支える)
と数値を入れて具体化しました。

これは世界一への挑戦でもあります。
世界最大のアクセラレーターであるY Combinatorは2005年からこれまで3000社以上のスタートアップを支援してきました。(注1)500 Startupsは名前をはるかに上回る1300社を2010年からの12年間で支援してきています。(注2)ただ、このケースでは2040年になってもまだ1万社には到達しません。

我々がどうやって1万社を達成するか。ざっと内訳をお話すると

  1. 将来の新たなファンドも含む自社ファンドからの出資:約2000社

  2. 弊社卒業生によるファンドからの出資:約3000社

  3. 弊社のスタートアップ向けプログラムでの支援:約5000社

1の弊社からの直接投資が当然直接的かつ骨子となるものですが、2023年には3号ファンドの組成を行います。その後も継続的にファンド組成を行っていくことで2040年までに2000社への投資が可能になる見込みです。

2についてはベンチャー・キャピタリストを育成していく一つのゴールとしてキャピタリストの独立支援までを見据えてサポートしていくことにしました。ベンチャーキャピタル業界はキャリアプランが難しい業界であるとこの2年間チームを増やしていく中で感じてきました。1-2年で一定のレベルに達した感覚が出るのと、小さなファンドでは将来のアップサイドが想像し難いというフィードバックも離職者から受けました。中南米の他ファンドを見てもパートナーが利益を抱え込む閉ざされた構造から脱却できているところはありません。
一方で弊社では当初よりインターンからの採用に力を入れていますので、キャピタリストの研修を体系的に行っております。今後もより充実させていく見込みができたので、今後は弊社ファンドで経験を積んだ若いキャピタリストが自分たちのファンドを組成できるところまで支援できればと思っています。2040年までに10ファンドが卒業生ファンドとして育ってもらえればと思います。

3のスタートアップ向けプログラムはこの2年間試行錯誤を続けてきたものですが、スタートアップ業界の大きな問題点として、有力ファームから投資を得られるスタートアップとその他のスタートアップでの格差がどんどん広がってしまう問題を感じたところからはじまっています。上述のY Combinatorの通過率は1-2%。98-99%の応募者はY Combinatorからのサポートを受けられません。
こうした歪を解消すべく、様々なプログラムを試行錯誤しながら提供してきましたが、ようやくStartup Boost Labとして一つの形が見えてきました。2023年は頻度も増やし参加者も増やしてより多くの起業家を支援できるように拡大していきます。

それでも1万社、世界一というのは大きな目標。なぜ達成できるのか、何をすべきかを以下のように考えています。

  • ラテンアメリカを広くカバーする:ラテンアメリカは人口6.3億人。アメリカの倍です。また、ベンチャーキャピタル業界は業界と呼ばれるようになって2-3年程度の国がようやく出てきたところです。こうした中で、シードステージでラテンアメリカのブラジルとスペイン語圏を両方カバーしているのは弊社のみで圧倒的なアドバンテージがあると考えます。

  • マイナーなセグメントと伴走する:ブラジルのようにラテンアメリカの中で早くからエコシステムができている地域はスタートアップへの投資規模が日本を超えるほどになりました。メキシコも続いています。一方でその他の国ではまだベンチャーキャピタル自体が珍しく、経験のあるベンチャーキャピタルとして弊社の果たせる役割は大きいと思います。また、中南米でもエコシステム内の男女格差は大きな問題ですが、弊社では過半数を女性のキャピタリストが占めており、キャピタリストも起業家も女性が活躍できる場を提供していきます。

  • クロスボーダーでエコシステムをつなげる:弊社は創業者である私がたまたま日本人なことで、日本の起業家、投資家を中南米にお連れする活動を当初から積極的に行ってきましたし、今後も続けていきます。また、弊社の投資先のスタートアップに日本の企業・ファンドから追加投資して頂くケースがで始めましたラテンアメリカの起業家を日本に招く企画も計画中です。こうした他ファンドでは提供できない機会を提供することで現地起業家を支援します。

  • LATAMプレシードデータベースのローンチ:上記のようなユニークなポジショニングを持つ弊社ではスタートアップの評価を行うデータベースを独自に構築してきました。特にプレシードで最も大変な時期にある初期のスタートップの情報を取りまとめたデータベースがなかったためです。このデータベースを外部にも提供することでより多くのスタートアップが投資家からの支援や企業との連携を始めるきっかけを強化できればと考えています。

こうした想いを一つのスライドに整理したのがこちらです。
MECEではありませんし、今後もどんどん更新されるべきものとは思いつつも2023年の年初において弊社が特に重きを置くエリア・活動として社内外のコミュニケーションに活用していこうと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?