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#032 卒業式の思い出(捏造OK)【AG.ノド】

「卒業式の思い出」しかも捏造OKとな。

アコースティックギター担当、ノドで御座います。
今月のテーマ難しくねぇか!?

まぁ、卒業にも色々ありますね。

学校生活からの卒業、
アイドルグループからの卒業、
この支配からの卒業。

これら全部を体験している身としては、一応すべてに対応可能なんですが、
「捏造オッケー」と書かれてしまうと、まるで俺が嘘をついているみたいに
なってしまうではないか!なんということだ!今まで嘘なんてついたことがないのに!


まぁ今回はシンプルに学生の頃の話でも書いてみよう。

自分らの世代は、卒業式の日に「第二ボタン」を贈る風習がありました。
女性から、男性から、どちらのパターンもありますが、
学ランの第二ボタンには「一番大切な人」という意味があり、
それを外して相手に贈る、もしくは貰う、それはすなわち告白と同義です。

なぜ、第二ボタンなのか?
諸説あるが、一つは「心臓に近い場所」だからという説。
もう一つは「戦時中の軍服」が由来という説。
これは大切な人へ自分の形見としてボタンを渡すという話だ。
第一ボタンだと首元を止めることが出来ず、だらしなく見えてしまうから、
第二ボタンを贈ったという説だね。


さて、とある卒業式の日だ。
俺はまだ一年生で、当時かなり人気のあった三年の先輩がいたんだよね。
友人の女性が興奮気味に話しかけて来た。

「〇〇先輩から第二ボタン貰った!」

そう言って彼女は、ビニールパックに入ったボタンを見せてくれたのだが、
どう見ても犯行現場で押収された証拠品にしか見えず、まぁそれを言ったら殴られるんだろうなぁ、と、ぎこちない笑顔で対応したのを覚えている。


時は流れ、俺は三年生。
卒業式の日、後輩の女の子から呼び出された。

「先輩の第二ボタンをください」

きたきたきた、ついにこの日がやってきた。
このシチュエーションを夢見た男子諸君は多いだろう。
俺も何度もイメトレを重ねてきた。

これ以上ない決め顔で、わかった、と微笑み俺は第二ボタンに手をかける。
しかしだ。これはやってみると分かるんだが、学生服のボタンはしっかりしているんだ。華麗に引きちぎるなんて、もってのほか。取れんのよ、ボタン。マジで。

焦った俺は、ここ一番の力を込めてボタンを引きちぎる...!

引き、ちぎる...!

引き...取れた!

と、勢い余って、そのまま後輩の顔面に裏拳という形でヒット。

「なにすんだテメェ!」
と、激しめの平手打ちを喰らい倒れ伏す俺。宙を舞う第二ボタン。
後に証拠品として押収される、そのボタンが教えてくれることは、ただ一つ。

ボタンは予め、外しておきましょう。
なお、ブレザーだった場合は、知らん。ではまた。

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