#021 記憶に残る正月の思い出【Vo.モチダ】
あけましておめでとうございます。
BuzzWorks、ボーカルのモチダでございます。
毎月各メンバー1本ずつ、
同じテーマでコラムを書くということですが
2021年も継続させていただきます。
さてさて、今年一発目のお題は
『記憶に残る正月の思い出』ということになりまして。
常日頃から割とあいまいな記憶ではありますが
少々かき集めてみようかと思います。
まずは子供のころの正月。
理由はよく覚えていないけれど、大みそかから正月にかけては
普段寝ている部屋ではなくてリビングに布団をひいて、
テレビを見ながら眠ってもいい。というようなルールだったような気がする。
今考えると年越しの時には僕や弟も0時を回るまで起きていたので、
そのまま寝てもいいようにというような親の配慮だったのかもしれない。
何となく特別感というか、キャンプや旅行のような気分がして
妙にはしゃいでいた覚えがある。
自分の年齢が一ケタ台だったころは
正月に開いている店はまだ結構少なくて、
年末に近所のスーパーで食材やなんかを買い込んだ覚えもある。
こういう助走の部分も含めて、年末から正月というのは
子どもながらに一大イベントであったような気がする。
次に大人になってからの正月。
子どものころと比較すればまあせいぜいが日ごと
それぞれ別の輪で酒を飲み続けるくらいで、
当たり前かもしれないが特に毎年変わり映えもしなかった。
とりあえず毎年親には会っていたので
多少の変化をつけるような感覚で、
何年か前にスコッチを何本か買って持って行ったことがあった。
たぶん当時自分はウイスキーの産地だとか、味の違いだとかを覚え始めた当初で
元々酒飲みである親父に半ば胸を借りるような思いで、
どんな感想を持つのだろうと、若干の期待を持っていたような気がする。
そんなこんなで、適当に味比べをしつつ親父の意見を待ってみたが、
一通りの近況報告をしあった程度で、すでに良い塩梅に出来上がっていた親父からは
期待していたような味に関する感想や、酒に関するちょっとした話なんかは一切出てこなかった。
ただ一言、「お前はグルメだな。」といったのを覚えている。
その時には、親父の方がここまでよっぽど良いものを飲んでいただろうにという困惑と、
年に一度顔を合わせる場面に、覚えたての酒を持ち込みやがってという
自分に対しての皮肉もあるのかとも考えたりはしたのだけど、
今思うと、息子が生意気にも酒の良し悪しを判断するようになったという事に対して
親父なりの成長への祝辞。という捉え方も出来なくはないかと思う。
別に亡くなったわけではないので、
どういう意図だったのか聞こうと思えば聞けるのだけど
そもそも覚えていない可能性が高いし、
まあ野暮な気もするのでそれはやめておこうかと思う。
そして今年。
今年は誰とも会わずに、家で猫と過ごした。
餅も食わず酒も飲まず、ただ膝の上にいる猫の目やにを取ったり
昨年見逃した映画を見たりして過ごした。
現状で有意義だったかは定かではないが
例えばうちの猫や、映画の監督が死んだときにでも
振り返って2021年の正月を、自分にとって特別であったと
思い返すこともあるかもしれない。
そんなことを考えた今年の正月。
本年もよろしくお願いいたします。
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