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#095 猫【Vo.Mochida】

猫を三匹飼っている。

全員拾い猫で、一番年長の猫は今月で11歳になる。

いわゆる家猫の平均寿命が15歳程度なので
あと4年くらいは生きる計算になる。

お分かりでしょうか?

今この話をしている間にも
僕のテンションは確実に下がっています。

そう、猫って死ぬんです。

あいつら、普段はウンコするぬいぐるみ程度にしか思っていないんですが絶対かつ確実に死ぬんですよね。ええ、それはもう間違いなく。

ペットが死ぬことについてのイヤさの中で、自分としてはすごく大きなファクターではないかなと思っていることが一つあって。

それは

『自分より幼かった生き物が、自分より先に老いて、自分より先に死ぬ。』

ってことで。

それがたとえハタから見たら取るに足らない雑種の老猫だとしても、僕からすれば赤子の時代から知っている訳で。
パーカーのポケットに潜り込めるくらいのサイズだった奴が今じゃそれなりに大きくなったけど、それでもまだポケットに入れると思い込んでいるような奴が。

それが自分を差し置いて、すごいスピードで老いて、弱って、死んでいくってことにこれを書いている今ですら、少し胸が詰まる感覚を感じます。小ゲロ吐きそう。

とはいえ、生き物を飼うってことはそこまでワンセットといいますか、日々の楽しさや穏やかさの一枚裏には、どうしようもない別れというのは常にちらついているわけで、その感覚は嫌いじゃあないというか、結構失くしてはいけない物なんじゃ無いかとは思っています。

まあしんどいことに変わりはないですが。

そんな一応の覚悟を決めるために、割と頻繁に猫が死ぬ漫画を読んでます。最近だと『ポッケの旅支度』って漫画が割と気に入っています。

おそらく飼い猫が亡くなってから書き始めたのではないかと推測しているんですが、冒頭の出会いのシーンの時点で、すでに喪失の匂いが漂っていたり。あとは、細部のセリフから見え隠れする作者の方の一種のドライさが個人的に好みです。

『どうせ死ぬならうちで死んできな。いいよ、わたしがかなしいだけだから。』

とかね。

全体を通して妙なリアリティとどうしようもない諦念と愛情を感じられる作品だと思っています。

そんなわけで、今日もペットの葬儀場を探してみたりしてましたが、なんかこうすごく地続きなところに死が降りて来ている感じで、結構リアルに落ち込みます。まあ実際の今際の際でそれをやるよりかはいくらかマシなのでしょうが。

どんな時でも準備と覚悟を。
出来ているとは思いませんが。

それではまた。

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