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#028 印象に残っている映画【Gt.フーキ】

 印象に残っている映画、だそうです。今回からお題を決めるのはDrのヤギに投げているのですが、こんな面倒なお題目を用意しやがってと、結構本気で思ってます。
 そもそも私は映画を見ません。というか映像も見ません。漫画や本と違って30分なら30分、映画なら2時間、決まって持って行かれる。これは何というか家賃だったり電気代だったりの固定費みたいな扱いになっていて、そういうモノは少ない方が良いと思っています。

 誤解の無いように申し上げれば、映像作品は基本的に好きです。だからこそ途中で止められないので、時間にゆとりがあるタイミングでしか手を出さないってのが正しいのでしょう。
 美術館や水族館など、丸一日使って楽しみたい何か。その位に私の中で動画を楽しむのはコストが掛かるので、その気になるまでのハードルが非常に高い。

 そういった訳で印象に残っている映画ってなると随分と昔のものになってしまいます。今思い返して、最後に映画館に行ったのはシン・ゴジラでした。2016年、5年も前ですね。
 どうしても見たかったとかではなく、4DXというアトラクション的な仕組みを経験したいから行った、そういう所です。映画は面白かったですが、4DXは正直この作品には不要だと感じて終わりました。


 さて、印象に残っている映画です。ジャッキーチェンの出ている映画を金曜ロードショウ的なもので見ていた記憶があります。あの手の2枚目半な感じがきっと好きなんだと思います。
 同じようにジョーズの類も家族で見ていました。それからトップガンですね、かなり好きだったのでサントラを買った記憶があります。

 やはり当時、インターネットの無い時代。TVから大分インプットされているのだなと。定番どころは覚えているかどうかは別として見ているのです。週末のTVのロードショーを楽しみにしていたので。
 ただし幻滅もしました。TVの映画で見てから原作に触れたパターンです。当時ナウシカが好きで絶対見ていたのですが、原作を読んでから映画の端折り具合に嫌気がさしてしまいました。
 そういう所では時計仕掛けのオレンジを筆頭に、ゴールデンボーイやグリーンマイルなど、イメージが違うとか言った次元ではなく、別作品としてしか見れないモノが多いと感じてしまいました。
 映画から遠ざかったのはそれも原因の一つかもしれません。


 ただ、それでも未だに記憶に残っている映画はあります。どちらもジブリなのが何とも言えないラインなのですが、まずは紅の豚。
 先月のコラムでも触れましたが、あれは男のロマンですね、美学です。傍から見れば無駄なこと、馬鹿げていることに全力で挑むあの様。長らく見てはいないですが、今見ても浸れる自信がありますね。

 そしてもう一つがラピュタ。この作品を幼い頃はワクワクしながら勧善懲悪の物語として見ていました。
 次第にパズーの青臭さが鼻について少し嫌になります。珍しくれっきとした悪役で、マキャヴェリズムが服着て歩いてるようなムスカが好きになる、時期的にちゃんと中二病ですね。
 最終的にドーラか鍛冶屋のおかみさんが一番美しいって結論で落ち着くのですが、中々理解されません(笑)

 閑話休題、印象に残っている映画です。
 この話の流れでは私の中でラピュタの記憶に残るシーンですね。名言や名シーンが随所に散りばめられてる作品ですが、やはりこれはと感じるのが最後の玉座の間です。
 バルスではなく、そのちょっと前のシーンで「どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」と、ムスカに単身相対したシータが言い放つ場面があります。
 ダークトライアドを的確にえぐる言葉にもそうですが、土から離れてはならないという教え。これは未だに焼き付いています。神算鬼謀や深謀遠慮に溺れず、地に足をつけて今を生きろと。いつの頃に見た何度目のラピュタか分かりませんが、そう言われた気がしたのです。
 突き詰めてしまえば人間も所詮獣だとも捉えられるこのセリフ。私は自分の水商売や、誰かのやってる農業や、ネットに散らばるデジタルビジネスに当て嵌めて考えてしまう。だからこそ、未だに忘れられない映画に輝いています。

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