#067 運動会の思い出【AG.ノド】
ノドで御座います。
『運動会の思い出』と聞いて真っ先に思い出すのは、
生まれて初めて"愉悦"を感じたことですかね。
何を言っているんだこいつ?
と思われた方もいるでしょうが、まぁ落ち着いて。
ちょっと珈琲を入れてきましょう。
大した話じゃありません、リラックスしていきましょう。
運動は得意な方ではありませんでしたが、
それでも水泳や体操を習っていた記憶があります。
水泳はバタフライ、体操は何かの大会に出たかな?
だが決して運動神経が良い方ではない。
走るのは苦手、武道は負けないけど勝てない。
必然、運動会なぞ全く興味がない。
血湧かず、肉躍らない。お弁当のおかずは唐揚げ一択。
そんな少年でしたが、
当時は運営委員長を務めておりました。
いわゆる"生徒会長"みたいなもんですかね?
どんな活動をしていたか、全然覚えておりません。
募金活動?何かお金を仕分けしたりとかかな?
唯一覚えているのが、この運動会のことなんです。
我が校も多分に漏れず、
紅組、白組と分かれて競技を行い、
点数を競い合っておりました。
運営委員はそのサポート。
点数の掲示を変えたり、用具を準備したり。
さらに、結果発表を伝える役目も担っていました。
運動会の後半、ちょっとした交流競技として
『玉転がし』が行われました。
紅組、白組がそれぞれ巨大な玉を複数人でゴールまで転がしていくという
何とも不可解な競技でありましたが、
皆真剣な表情で玉を転がしていく様は、さながらエジプトの
ピラミッド建造のワンシーンを想起させました。
結果は紅組の勝利。
私は朝礼台の上に立ち、こう告げました。
「ただいまの競技は、紅組の勝利です!」
私からみて右側半分、紅組陣営は歓声を上げる。
まさに狂喜乱舞。
だが私には分かっていた。このあと何が起きるのか。
交流競技である玉転がしは、得点には加算されないのだ。
つまり、本当にただの"お遊び"である。
私は続けて、こう告げました。
「なお、ただいまの競技は得点にはなりません」
左半分から歓声が上がる、狂喜乱舞が移動していく。
なんだこれは?私の一言で、群衆が一喜一憂するぞ!
これが...これが権力か!これが愉悦か!!
「ふははははははははははははは!!!!!」
と、全く自分の力でも何でもないし笑ってもいないんだが、
あの日、朝礼台の上から見た光景は鮮明に覚えております。
言うなれば自分の初ステージです。
何の因果か?今でもステージの上で色々やっていますが、
それがこの出来事がきっかけだったのか?
多分違うと思いますが、そんな運動会の思い出でした。
それではまた!
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