もしもプロレスがこの世になかったら
もしもプロレスがこの世になかったら。もしかすると、オレは〇〇〇になっていたかもしれない。なぜならばオレは基本的に「好きなことしかやりたくない、やれない」体質の人間だからである。ちなみに〇〇〇の中身はのちにしっかりと白状するので、どうかご安心のほどを。
皆さんはどうであろう。もともと人間は、「好きなことしかやりたくない、やれない」ように生まれついている生き物のような気が、オレにはしている。しかし学校を出て、社会の荒波に揉まれているうち、そんな体質も影を潜め、好きでもないこと(多くの人にとってそれは仕事)のために人生のほとんどの時間を割き、自分のためではなく会社のため、あるいは仕事をこなすこと自体のために、生涯の定められた大切な時間のほとんどを費やしてしまう……それが一般的……かどうかはオレは知らない。
で、
そんな話を、下の写真↓のこの人とした。
シマ重野選手。生まれついての旅人体質な彼と、オレは異様にウマが合う……と、自分勝手にそう思っている。
今日。九州プロレスはイオンモール直方で試合だった。モールでの試合は、店じまいをした閉店後にしか撤収作業ができないことが多い。今日もそうだった。第1部が11時に。第2部が14時から始まり、それぞれ1時間以内には終わってしまうので、終了後から閉店時間の午後9時まで。第2部終了後から6時間もの長い時間を拘束されてしまうはずだったのだが、若い者たちが気をきかせてくれ
「人は足りてるんで、大先輩たちは早目に帰ってください」
と、やさしい言葉をかけてくれたのだった。
筑前さんとオレと重野さんと、阿蘇山が先に帰らせてもらえることになった。オレと重野さんは筑前さんが運転する車で来ていたので、必然的に一緒に帰ることになる。で、筑前さんが「車を持っていきますので、搬入口で重野さんと待っていてください」と。オレと重野さんは「お先にすみません」と皆に挨拶し、カバンを引きづり搬入口へと向かった。
快晴の福岡。時刻はまだ午後4時前。高台にあるモールのそとには、青い空が広がっていた。何時から働いている人たちなのだろう。搬入口を何人もの従業員たちが出入りしている。オレは重野さんに言った。
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