ゼロウェイスト料理②

私の暮らす岡山県新見市では
一尾の鯖が尾頭付のまま販売されている。
この辺りのご馳走「鯖寿司」を作る需要があるためだろう。
内臓を取り除き、身はそのままできつめの塩がしてある。
私もこれを時々買い求めることがある。
半額もしくはそれ以下に値引きされているときだ。
私が買わなかったらきっと廃棄されてしまうだろう。
思い切って今夜は鯖寿司にしてもよし。
でもその技術がない。
そのまま焼いても十分美味しいのだけれど
いつも「鯖のパエリア」を作って楽しんでいる。

フライパンにオリーブオイルをひいて
にんにく、玉ねぎを香りが立つまで炒めたら
米(洗わない)を加えて更に炒める。
米が半透明になったら好みのスパイス
(クミン、ターメリック、セージ、ディル、マジョラム…)を入れて
2枚おろしにした鯖をのせる。
(塩抜き不要。鯖の塩分で食べるのが美味しい。)
(頭も尾も一緒に。いい出汁が出る。頭部の肉も火が通り食べられる。)
水を入れて蓋をして
火加減をしたら米が炊き上がるのを待つばかり。

今回は家庭菜園の間引き人参を刻んで混ぜ込み、
蓋をする前にローズマリーの枝をのせた。
人参葉で緑色が加わった、鬱金色のご飯。
昼間にさらした玉ねぎの水も捨てずに保存しておいて
パエリアを炊くのに使った。
蒸し焼きにされた鯖はスパイスの香りをまとい
脂が上品に感じられる。
調理工程はさほど複雑でないのになかなか見栄えがいい。
洗い物も少なく済む。

鯖の頬肉も鯛の頬肉と同じように美味しい。
切り身にされた鯖は
その頭部を廃棄されているのだろう。
魚はまるごと手に入れれば命もまるごといただける。
鯖寿司の文化の残る新見市に暮らしている恩恵の一つだ。

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