WPF Sudoku GP ラウンド2出題パズルの基礎知識
この記事では、Sudoku GPの出題パズルについて、過去の出題や基本的な解き方について書きます。
パズルによっては、ここで触れる以外にも、さまざまな手筋があります。事前に検討しておけば本番でぐっと有利になることもありますので、考えてみてください。
作者について
第2ラウンドを担当するのは、ポーランドの3名。2015年以来、久々の出題です。前回はJan Mrozowskiの単独出題でしたが、今回は新たにŁukasz BożykowskiとPiotr Gdowskiを加えています。
Janは第4回世界ナンプレ選手権(10年前)の優勝者。昨年も5位入賞と、世界トップクラスのナンプレソルバーです。残る2名は初めて見る名前ですが、Piotrの方はSUDOKU Plusというナンプレ本のシリーズを出している模様。
出題パズル
全13問で、スタンダードナンプレが5問、定番バリエーションが3問、それ以外が5問という構成です。
一見目新しいバリエーションが並んでいるように見えますが、実際は多くが定番ルールの派生形です。全体として定番寄りの傾向が強いセットと言えそうです。
1-5. Classic Sudoku / スタンダードナンプレ (16, 25, 22, 24, 47)
プレーンなナンプレ。いつもより1問少ない、5問の出題です。
ラウンド1は全問初~中級レベル(pair系手筋不要)の難易度でしたが、今回はどうでしょうか。
6. Diagonal Sudoku(対角線ナンプレ) (33)
定番バリエーションのひとつ。出題率は非常に高く、前回のポーランドラウンド(2015R4)や2018R4、2018R7などで出題されています。
典型的な手筋を紹介します。下図左では、各対角線で1が中央のボックスに入ることから、中央に1が入ることがわかります。右は、赤丸で19の二択があることから、左下の青丸にピンポイントで19が排除されるもの。33点問題ということで、これらをどこまで使うかは分かりませんが、いずれにしても対角線を使った何かがあることは間違いありません。
7. Irregular Sudoku(幾何学ナンプレ) (43)
定番バリエーションのひとつ。出題数も多く、ここからさらに追加ルールを加えることも多いです。前回のポーランドラウンド(2015R4)や2016R8や2017R4で出題されています。
幾何学ナンプレ特有の見方といえば、次の2つでしょうか。
1つは前回も紹介した、列の出入りを利用するもの。ある列(赤線)で切った時に、上下の出っ張りと引っ込みで数字の組み合わせが同じになります。もう1つはやはりある列(青線)で切って、そこから出っ張るマス全体が1~9のセットになるというもの。
なお、どこで切るかは、経験と勘です。はい。
8. Extra Regions Sudoku(エキストラエリアナンプレ) (51)
定番バリエーションのひとつ。前回のポーランドラウンド(2015R4)や2016R6で出題されています。
下図左では、3×3ブロックとの重なりから、赤丸と青丸で数字の組み合わせが同じになります。一方右では、赤丸に89の二択があることで、青丸のマスだけに候補89削除が発生します。
ブロックの形によって、さまざまな見せ方が考えられるパズルです。
9. Quad Sums Sudoku (45)
レアバリエーション。SGPでは2013R2で出題されているほか、Rishi Puri氏やRajesh Kumar氏がブログで問題を発表しています。
黒丸の周りの4マスで、どれか1マスの数が残り3マスの合計になるというルールですが、もちろん4マスの中で一番大きい数が合計になります。8や9なら明らかですが、5や6ならどちらの可能性もあります。また、黒丸が境界線上にある時は、数字の重複がありえます。
部分表出なので、ナンプレ基本手筋の他は黒丸の周りに集中すればいいはず。ていねいにパターンを洗い出すタイプのナンプレと予想しますが、さて。
10. Prime Sums Sudoku (62)
おそらく初出ですが、ひとつ違いナンプレの亜種です。2016R2のFives Sudoku(和か差が5の場所全表示)やKropki Sudoku(1差の場所を白丸、2倍の場所を黒丸で全表示)のように、基準の違う類似ルールが大量にあります。
全表出ルールのため、黒丸のない場所にも「和が素数にならない」という情報があります。
このタイプでは、最初にグラフを書いてみるのが定石ですが……
今回はつながるところが多すぎて、あまり有効ではなさそうです。強いて言えば、2と4だけが4種類の数と黒丸の関係にある……などが気になるポイントでしょうか。
11. Divisible by Three Sudoku (40)
SGP初出ルールです。Rohan Rao氏がブログで出題しています。
12. Sum Product Killer Sudoku (109)
SGP初出です。前回のサムナンプレの流れを引くパズルですが、細かいところで違いがあります。特に数字の重複が可能なので、パターンの見落としが怖い。例えば配置によっては、3マス 25 = 5x5x1 = 9+9+7 = 9+8+8というパターンがありえます。
13. Braille Sudoku (83)
Brailleとは点字のこと。USSQ2012(要会員登録。詳細はこちら)で出題があります。
このタイプのバリエーションは、過去にデジタル数字やダイスの目、ローマ数字(2015R4)などありとあらゆるパターンが出題され、今回の点字もそのひとつです。
これらは候補を全て書き込んでしまえば、全部同じ種類のバリエーション(Pencil Mark Sudoku)に還元されてしまいます。確実に行くならその方法も有効ですし、早解きを狙う場合は、記号ごとの特徴から、作者の狙いを読み解くことになります。
以上です。間違いや疑問点があれば、コメントやtwitterアカウントなどにお願いします。
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