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「ハイエース」 普免で無免許運転も

同じ大きさでも2ナンバーは中型  インバウンドで需要増の中、要注意


 トヨタの人気車種「ハイエース」は近年、インバウンドや介護施設の利用者を送迎する車としても需要が高い。それに伴い車両の改造も増えているが、そんな中、うっかり2ナンバーのハイエースを普通免許で運転し、免許取り消しになるケースがあるという。

 先日、ある自動車販売店が中古のハイエースを仕入れて改造を行った。整備工場は販売店とは別の場所にあるため、販売店の若いスタッフが整備工場まで回送した。
若いスタッフは、そのハイエースの座席数が、いつも見ているハイエースとは違うことに気付いた。「普通免許では運転できない車なのでは?」と思ったスタッフは、コンビニの駐車場に車を止め、店に電話した。
 上司が確認したところ、スタッフが回送していたのは「ハイエースコミューター」と呼ばれる14人乗りの車両で、運転には中型免許が必要だった。そのスタッフは普通免許しか持っておらず、実質、無免許運転をしていた。
その後、中型免許を持っている別のスタッフが急行。運転を代わり、事なきを得た。
「ハイエースコミューター」は2ナンバーで、ナンバープレートを見れば、「これは14人乗りのハイエース」と判断できる。ただ、車両の長さや幅は、普通免許でも運転できる3・4ナンバークラスの車両と同じ大きさのため、免許を取って間もない者や車に詳しくない者には、全く同じ車に見えてしまうのだ。

 ハイエースの車両寸法は、「スーパーロング」と呼ばれる車種が全長5380㎜・全幅1880㎜・全高2285㎜。ハイエースコミューター(14人乗り)の寸法は、普通免許で運転できるハイエースワゴンのスーパーロングと全く同じだ。
法律上2ナンバーの車両は、「乗車定員11人以上の普通自動車」、いわゆる「普通乗合自動車」に分類される。運転するには、「乗車定員11人以上の条件を満たす中型以上の免許」が必要となる。
 普通免許で運転すれば、無免許運転となり、免許取消となる。
 関係者は、「近年、インバウンドの外国人観光客や介護施設の利用者などを送迎する車両として、ハイエースの需要は高まっている。それに伴い、車両の改造件数も増加している。車に『人をたくさん乗せる・乗せない』で安全性に違いがあるのはわかるが、外観がまったく同じ車両を運転するのに、違う免許が必要というのは、全ての人が、こうしたルールを理解しているわけではない。警察は、わかりにくいルールについて、運転者に分かりやすく説明する義務があるのではないか」と話している。(3月4日号)

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