DTM甲子園に参加しました
ご無沙汰しております。
トラックメイカー兼ボカロPのbutterflyです
今回は標題にもあります通りDTM甲子園への参加レポです。
宜しければ最後までご覧ください
① DTM甲子園について
MOVEMENT PRODUCTION様主催の作曲コンテストです。
以下、DTMステーション紹介記事
学生・社会人問わず参加OK、
歌物ワンコーラスの楽曲であればジャンル問わず、歌唱は生声でもボカロでもOK
つまり割と何でもアリのバーリトゥード、
DTM異種格闘技戦といった感じですね。
メタ的に考えれば、何でもアリ=インパクト勝負・クレイジーな楽曲が評価される感じかな〜とも思っておりましたが、
今回は審査が観客ジャッジ的なモノではなく、また審査員が全員プロの方だったので「割と公平な目線で見てくれるかも?」とか「参加してみたらワンチャンプロの方からのフィードバックが貰えるかも?」と思い、参加を決意しました。
② 提出した楽曲について
DTMステーションの紹介記事にもあった通り「ボカロOK」と明記されておりましたので、以前作ったbaby blue みたいな感じのボカロ曲も考えてみたんですが、
恐らく同じような考えの参加者の方が多そうなことや、審査員の方々の目に留まるような楽曲にしたいこと等、色々考えた結果、普段より活動しているNKBOさんYORUさんとのグループでのラップミュージックで参加してみようと思いました。
問題はお二人がやってくれそうかどうか、という点だったのですが、お二人に聞いてみたらOK貰えたのでここから制作をスタートしました。7月中旬ごろのことでした。
ラップミュージックにすることは決まりましたが、今度は曲調で悩みました。
DTM感のある曲、ということで色々連想してみたんですが、自分はtofubeatsやm-floがパッと思い浮かびました。NKBOさんはAyase×R指定の「飛天」みたいな曲調をサジェストしてくれました。
色々やり取りが続いた後、最終的に「j-popよりの曲調でいこう」という方向で纏まりました。jpopよりのラップ曲は割と普段から3人で作っているような雰囲気だったので、結局は肩肘張らず、普段通りで臨むことにしました。
1週間くらいして、自分がお二人に提案した曲が2種類あります。折角なのでお聴き頂きたいと思います。
最初のヤツはいわゆる4-3-6系、丸サ進行の楽曲ですね。エレピメインのアーバンな感じ。DTMと言えば丸サ進行、みたいなイメージがかなり強くて、個人的には3人でこういう曲も一回作っておきたかったので送ってみました。
二曲目はリリースカットピアノ+4つ打ちのエレクトロポップっぽい感じ。コード進行は1/3-4-5-6のループ。こちらが今回の楽曲のトラックなんですが、ノリで作ってたらアルペジオのフレーズがピンポンディレイで良い感じになったので送ってみました。
NKBOさんは二つ目、YORUさんは一つ目が良かったみたいで意見が分かれたんですが、自分がDTM的なテクが発揮しやすそうな方はなんとなく2つ目の方だったので最後は自分の意見を通して貰いました。
提出した楽曲のリンク👇
リリックビデオはこちら👇
③ 楽曲制作スタート
トラックを完成させるのに大体2週間くらい時間がかかりました。
展開的にフックやイントロはピアノを伸ばしっぱにして、バースはリリースカットで隙間を作って... みたいな感じでイメージしてたんですが、もう一つ展開が欲しいなぁとも思ったのでBメロ的な部分を作り、フックへの助走にしようと考えました。
シンセのアルペジオフレーズが思ったよりもハマってくれてたので軸はピアノとアルペジオで、あとはシンセパッドとギターで隙間を埋めていく感じで作っていきました
あと今回はフィルに拘りまして、リバースシンバル、カセットテープの巻き戻し音、タム回し、アーメンブレイク、スネアの連打等色々使ってる間に結局フィルで13トラック使ってましたね...
大体いつもそうなんですが、「これで完成!」といって2人にはトラックを渡すものの、途中で色々修正したりするので歌詞を書いて貰ってる間にも変更があったり負担をお掛けしてると思います... いつもすみません...🙇
今回も例に漏れず、自分がフック歌うのにデモで作ったバージョンからkeyを+1変更しましてお二人にとっては中々の迷惑だったかと思われます...
(音源を提出する直前にもボーカルのカットアップを入れたりフィルのパンニングを変えたりちょこちょこ弄っております)
④ 歌詞とボーカル処理について
2人の書いてくれた歌詞は以下の通りです
実はYORUさんの歌詞は一度書き直してくれています。
最初に送ってくれた歌詞が割とワクワク感が強めだったのですが、テーマがタイトルと同じく「brand new day」だったので新しい挑戦についてのワクワクだけじゃない悲喜交々を表現した感じにして欲しかったので、その要素も追加して頂きました。(結局全部書き直して頂きましたが💦)
YORUさんはそもそも声がかなりカッコいいので、シンプルにワクワクを表現するより色んな感情を表現する方が合うかな〜って思ったのでお願いしました。
NKBOさんは逆に「brand new dayみたいな感じで」とお願いして送られてきたのがコレでした。完成度が高かった。
どんな曲調でも割としっかりライミング出来るのがNKBOさんの良さで、YORUさんは逆に語感でやんわり踏む感じなんですが聴いていて心地が良いラップをするのが上手いと思います。
あと、NKBOさんのBメロのリリックが YORUさんの「もったいないな」から続いてるみたいで、
「もったいないな」→「通った時代が」→「放った未来が」に収束してくる仕組みになっているということを本人から聞きまして、なんというかよく練られたバースになっててすごいなぁと思いました。。
ボーカル処理は3人で作った「しょうがないよな。」のボーカルチェーンを使って細かいところは微調整してます
順番は以下の通り
MV2→マテコン→EQ(ローカット)→vitamin→
SIE-Q→ルネサンスディエッサー→utility(音量調整)
まず最初にMV2で音量差を少なくて、マテコンを掛けて、vitaminで前に押し出して、SIE Qで広域を上げて抜けを良くして、ディエッサーで耳が痛い音域をカットする、みたいな感じでやってますね。utilityは単純に音の大きい小さいを調整する用途で使用してます。
その他、waves tune real-timeでケロケロさせたり、Bメロはsoundtoysのechoboyでディレイ挿したりしてます。大雑把ですが大体こんな感じです。
⑤ 音源提出〜結果発表
トラックが出来上がったのが7月末で、二人が録音データを送ってくれたのが8/9〜12日くらいでした。
トラックの出来上がりが遅く二人にはタイトなスケジュール感で録音して貰わないといけなかったので申し訳なかったのですが、NKBOさん曰く「締切が決まってる方が制作がスムーズに出来ました」とのことで頑張って間に合わせてくれました。
なんやかんやで8/15に音源が無事提出でき、DTM甲子園への参加が間に合いました。
音源を提出した後、既に400曲弱の応募があるという情報をXで見かけ「この中から受賞とか絶対に無理じゃん...」と正直思ってました。
ただかなり3人の個性が発揮された楽曲だと思っていたので「もしかしたら...」とも思ったりしていて、提出してから数日間は悶々としていました。
ただ、審査員の石井亮輔さんの「エントリーした時点でまず一勝ですね!」というコメントを読んで、取り敢えず踏み出した感というか、一種の充足感みたいなのは自分の中で感じていました。
その後大体1週間くらいで金賞受賞のアナウンスメッセージが届きまして、速攻で二人にLINEを飛ばしました。その時のLINEのやり取りがこちらです。
金賞が一体どういう評価のものなのか、全体のどれくらい選ばれているのか、なんてことはこの時点では分かりませんでしたが、取り敢えずめちゃくちゃ嬉しかったのは確かです。
自分たちは普段youtube等ネットを中心に活動しており、普段より評価はして頂けているものの、具体的に何かの賞が頂けるような活動をしてきた訳ではありませんでした。
そんな中初めて、自分たちの作品が多数の作品の中から一定の評価を得たものに選ばれた、ということが自分たちにとってはこれ以上無いくらい嬉しいことでした...
その後、主催のMOVEMENT PRODUCTION様のyoutubeチャンネルにて各金賞楽曲が公開されることとなりました。
他の金賞受賞された方の楽曲を聴いていたら本当にクオリティの高い曲ばかりで焦りました...曲調も割とストレートなポップスというよりは若干捻った感じの曲調が多くて、冒頭にも書いた通り異種格闘技戦の様相を呈していました。
※自分の気に入った曲は以下のプレイリストに入れさせて頂いております。
金賞の中から大賞と特別賞が選ばれるということで発表は8/31でしたが、やはり公開期間中も自分たちや他の方の曲を行ったり来たり再生しながら悶々と過ごしておりました...
発表は21時〜だったんですが、他の楽曲に打ちのめされながらも淡い期待を抱きつつ、3人で結果発表を見ていました。
結果として、特別賞の「sound on賞」を受賞することが出来ました。以下その時の反応
賞を頂けたのは勿論なんですが、プロの審査員の方(石井さん)からコメントを頂けたのが本当に嬉しかったですね。
「tiktokユーザーの創造性を刺激する」や「どのパートも強いメッセージがある」等、プロの目線でそういう風に受け取って頂けたんだな、と思うと感動も一入でした。
また、そもそも自分たちの曲がtiktokでウケそうなんてのは今まで一度も思ったことありませんでした。でも普段から3人で作ってる曲は、ラップミュージックですが割とポップス寄りにしようと意識している部分があったので、もっと自分たちの似合う、似合いそうなステージがある、ということを知れたことは一つ収穫でした。
ひとしきり喜んだ後で最終的に「取り敢えずtiktokのアカウントを作る」ということで一旦落ち着きました。
⑥ 終わりに
後半参加レポというかただの感想文になりましたが、自分たちの夏が始まって、そして終わるまでの一部始終を書かせて頂きました。
最初は尻込みしていた部分もありましたが、自分たちの楽曲についてプロの審査員の方からのコメントや評価を頂けたこともあり、終わってみれば参加して本当に良かったと心から思いました。
またこれを機に、どんどん新しいことに挑戦していきたいと思いましたし、その心理的なハードルが今回DTM甲子園に参加できたことで、少し下がったような気がしています。
3人とは正式にクルーを結成し、今後も活動を続けていく所存ですので引き続き宜しくお願いします!🙇🙇🙇
それでは。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?