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日記16 みなみのみなと街から

2023年2月20日(月)
本日は昼過ぎから「グループとチームで働くこと」をテーマとしたセッション。単位が出る訳ではないので、クラスメイトの3分の1は出席していない。なんとも寂しい。
「悩んでいたり、馴染めていない人がいたら、とにかく傾聴すること」
これは自分のメンターである人も言っていたことだった。セッションの後はグループミーティング。プラディープより新たな使命が下る。そのタスクをレポートのどこで使うか理解できないものの、部屋に戻りすぐに完成させる。

2023年2月21日(火)
「ビジネス分析とリスク」の最終授業。ビジネス分析をする際に重要となるフレームワークを教わる。この授業が終わると早速2週間後には課題提出となるのだが、なかなか理解しにくい講義だったので、クラスのほぼ全員が頭の上にクエスチョンマークを浮かべている。どうしたものだろう。授業後プラディープから
「昨日のタスク最高だったけど、これどこで使うんだっけ?メイン?それとも補足?」
と尋ねられ「補足で使うって自分で言ってたぞ」と指摘すると、どうも補足の文字数が大幅に超えているそうで頭を抱えていた。言わんこっちゃ無かった。フラットに戻り、武藤敬司引退試合のPPVを購入し観戦。武藤の入場と蝶野のステップで感極まってしまう。本当に一つの時代に区切りがついた。

2023年2月22日(水)
朝10時前に起床すると、トレイシーが近くの公園を走っているというので近くのカフェで一緒に朝食を取ることにする。値段の割に質素なフルイングリッシュブレックファストをむしゃむしゃと食べる。夕方からはレポート提出とプレゼンテーションが明日へと迫った「戦略と意思決定」のミーティング。プラディープと女性のメンバーはパワーポイントの作成、自分と二シャントはレポートの仕上げに取り掛かる。何を思ったか知らないが、プラディープは女性陣を帰してしまったために、男性3人だけが残り、作業を続けることに。他のグループでは、色々トラブルが発生しているらしく急遽教授とミーティングなどを行なっていた。それに参加していたマユリがブチギレており、俺は横でただただ話を聞くだけだった。プラディープから振られた無茶なタスクをやっとこさこなし、男3人が解散したのは夜の12時。その後もレポートの見直しなどがあり、夜中の3時にやっと床に着けた。

2023年2月23日(木)
朝の7時には起きて弁当を用意する。節約しないとイギリスでは生きていけないのだ。学校へ向かい歩いていると、自分のグループがプレゼンテーションの一番手となったのを知り、10時過ぎまで慌ただしい時間を過ごす。二シャントが明らかに緊張した様子でプレゼンの練習をしていて可愛らしかった。一方自分はレポートの体裁を整える。プレゼン前のストレスで汚い言葉をプラディープから頂くも、何も気にせず訂正を続ける。本番はプレゼンから質疑応答までプラディープが終始こなして、無事に終了する。彼はスマートでアイディアマンだが、リーダーシップが欠けていて、自分の周りの人にしか仕事を頼まないので、チームとしての団結感はかなり欠けてしまう。フリーライダーにとっては都合が良いかもしれないが、自分としては理想的じゃない。しかし、ポジティブに良い勉強になったと捉えている。とにかく長い1週間が終わった。早く寝ようと思っていたものの、トレイシーとお茶しながら、夜中までダラダラとここ数週間の出来事を話してしまった。

2023年2月24日(金)
朝から学校でスワナと卒業論文に関するスモールミーティング。書きたいトピックが二つあるが、情報を集め、それの量と質でどちらにするかが決まりそうだ。ミーティング終了後にアスウィンと一緒に武藤敬司引退試合を観戦する。すると後ろからプラナーブとアージャンが登場し
「おお!プロレス見てるのか!?俺は小さい頃にWWEをよく見てたな
!アンダーテイカーとか、トリッシュストラタス最高だったよな」
と後ろで超盛り上がっていた。そして発覚したのは、みんな一度は子供の頃にプロレスラーになりたいと思っていたということ。これだからプロレスは世界共通言語って言われる所以だ。そんなことを考えていた時にクラスメイトの1人で、アージャンの彼女であるアディティが急に自分の元に駆けてきて
「ねえ!新しい彼女ができたって本当!!??」
と斜め上すぎる角度から話を放り投げてきたので、盛大に面を食らってしまう。どうやら、昨日の帰り際にプラナーブが「一緒に帰ろうぜ!」って俺の腕を組んできた際に、いつも一緒に帰っているマイが「だめ!私と帰るの!」とジョーク混じりに言って、自分も合わせて「これはシークレットだからな!」と追いジョークをしたのを真に受けていたらしい。それをアディティに伝えたのが事の真相とみた。いつも彼らインディアンはジョークを言っては笑ってるのに、なんで人のジョークは受け取れないのかと思い可笑しくなってしまった。

2023年2月25日(土)
そんな新しい彼女疑惑が上がっているマイと世界遺産であるストーンヘンジへワンデイトリップ。ちょうど一ヶ月前にこの時期に1人でふらっと、そんな遠くないストーンヘンジへ行くかと考えていたところ、同じタイミングでマイも同様のこと考えていたことが発覚し実現したのだ。朝早く出発し、ストーンンジ近くの街のカフェで一休みしながら、いろんな話を聞いたり聞かれたり。寒の戻りで、肌をつん裂くような寒さの中、少し外を散策してはまた室内に避難し暖をとりながら話をしたりしなかったり。昼食をとり、ストーンヘンジへ向かうバスに乗り込み「太陽が出てくれば最高だなー」と話しているタイミングで日光が差し込んできて、現地に着いて離れるまでは良い天気が続いたりとなんともスピリチュアルな1日だった。ここ一ヶ月しんどそうだった彼女がいつもの大人数から離れ、少しでも元気になってくれればと思っていたのだが、最後に
「どう?今日で結構リフレッシュできた?」
と尋ねられ、どうやら自分も心配されていたようだったので自分自身片腹痛く感じてしまった。朝からトイレで嫌なものを見たり、携帯の液晶を割ったり、自分のポラロイドだけ何故か現像されなかったり、と多々不幸なことが今日起こったものの、それはそれは有意義な1日となりました。

2023年2月26日(日)
再来週の月曜日までに提出しなくてはいけない統計学の課題なのだが、なんと授業中に習った統計学の知識は課題で使用しなくていいことが発覚。初日から三日目まで習ったことはどうでもよくて、最終日にチラッと触れられたフレームワークを使いケーススタディを批評せよとのことらしい。統計学の本をAmazonKindleでダウンロードし必死こいて読んだ俺が馬鹿らしい。ちょっとこれは異議申し立てしたいくらいだ。しかし課題提出の現実は変わらないのでケーススタディを読むもチンプンカンプン。さて、どうしよう。


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