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こんにちは。

日本バトラー&コンシェルジュ新井直之です。


本日は、

「クチコミは安売りの始まり」

ということについて、お話ししていきたいと思います。

よく、うちはクチコミでお客様がやってくる。

あるいは、クチコミを起こすためにはどうしたらよいでしょうか?

という相談をいただきます。

クチコミは、ビジネス的に良いことのように思われます。

しかしながら、クチコミが起こってビジネスが上手く行っているということは、少々、注意が必要です。

何故ならば、クチコミは、コストパフォーマンスに優れている時に起こる場合が圧倒的に多いからです。


「こんな値段で驚異の内容!」

「コスパ良過ぎ!」

「すごい効果!」

つまり、口コミが起こるという事は、お客様が支払った対価に対して、相応以上の価値を提供してしまっているのです。

これも良いことのように思われますが、未来永劫、これが続けば良いのですが、物やサービスなどの商品にはライフサイクルがあります。


いつかは売れなくなります。

売れていたとしても、低利益率のビジネスであれば、売れば売るほど苦しくなる事もあるのです。


皆さんも、食べログなどの口コミサイトで評判の良い飲食店が、いきなり閉店しているなんてことを目のあたりにしたことがあると思います。

そういった飲食店は、低利益率の料理ばかりお客様に注文されて、人件費やその他のコストを考えると売れば売るほど赤字になるサイクルに突入してしまってている場合が多いのです。

このことが如実に現れるのがラーメン店です。

人気店のラーメンになればなるほど、ラーメンの味の決め手であるスープを作るためのコストが非常に高く、利益があまり取れません。

そこでお店は餃子やお酒などを一緒に販売して、利益率を確保します。

ラーメンそのものが口コミなどで評判になってしまうと、ラーメンだけを食べるお客様が殺到して、やればやるほど売上が増えても利益が出なくなると言う悪循環に陥るのです。

そこで、ラーメン店が取らないといけない優先度の高い戦略は、ラーメンの価格を上げると言う事なのですが、それに気づいて踏み切れる経営者はごく少数です。

大部分の経営者は、値段をそのままにするか、場合によってはたくさんラーメンの注文が入るので、さらにお客様を呼び込むようにクーポンを配ったり、実質的な値下げをしてしまうのです。

この戦略で失敗した飲食店で代表的なのはマクドナルドです。

数年前、マクドナルドは、コーヒーや、100円マックといった低価格商品を充実させることによって、今までいない多くのお客様を呼び込むことができました。

しかしながら、低価格商品を充実させることによって、多くのお客様が100円の商品だけを買って、店内のテーブルを数時間占領すると言う現象が起きてしまったのです。

そのことによって、マクドナルドにとってありがたい高い利益率が取れる高額ハンバーガーを買ってくれるお客様が、店内が混んでいることによって避けられてしまうようになったのです。

マクドナルドぐらいの規模になると、原材料の調達コストはかなり安いので、100円マックのような商品がたくさん売れても、総額では確保出来ます。

しかしながら、それ以上に高い利益率が保てる高額ハンバーガーを買ってくれるお客様1人を大切にする方が、将来的に利益を確保する上でも重要だったのです。

ですので、皆さんのようにお客様満足度を向上させ、高い利益率を確保し、永続的にビジネスをしていこうと思っている方は、自分が販売している商品に口コミが起こっているようであれば要注意なのです。

もし、口コミが起こっているようであれば値上げを検討することが最優先になります。

そのために、高く売れる時こそ、適正な利益を得て、次の商品開発、機能改善、コンサルタントであれば、新たな知識の吸収をする勉強をしなくてはなりません。

ビジネス的には、クチコミは、本来の価値や利益を失っていると考えなくてはなりません。


お客様の満足度を価格の安さ、あるいはコストパフォーマンスで得てしまっている現れなのです。

しかしながら、このクチコミの魅力に押されてしまい、大部分の人たちはクチコミを起こそうとSNSで過剰でアピールをしたり、おまけや値引きをして、クチコミを起こそうとします。

しかしながら、これが利益率低下、価格下落の入り口なのです。

この戦略をとって良いのは、価格競争力のある大企業だけです。

つまり、大部分の中小規模の事業者は、クチコミを起こそうと考えてはいけません。

クチコミは、商品が良いから起こるのではなく、商品が良く、かつ価格が安いから起こるのです。

ここを目指しても良いのですが、よっぽど原価率を下げる、あるいはビジネスモデル自体を革新的なものに変化させるなどの工夫が必要です。

例えば、いきなりステーキという飲食店があります。

この飲食店は、皆様もおなじみだと思いますが、ビジネスモデルを変化させることにより、低価格で、高品質な料理を提供しています。

いきなりステーキは、立ち食いステーキという新分野を作り、通常の飲食店であれば2回転すれば良いところを、10-20回も回転させ、原価率を高くしても儲かる仕組みを構築しています。

つまり、これよりビジネスモデルで圧倒的に勝ち抜けるのであれば、クチコミが起こっても、利益を低下させることなく収益を得ることができます。

それ以外の事業者、特にこのメルマガを読んでいる方々のように、高く販売して、お客様に満足してもらい、ブランディングをしようとしている方々は、クチコミを起こそうと考えない方が得策です。

逆に、クチコミが起こってしまったら、自分は安売りをしている、あるいは市場価格よりも安価に提供してしまっていると考えるべきです。

そして、値上げに踏み切る切るべきです。

つまり、多くの人に紹介したくなる、あるいは多くの人が受け入れやすいクチコミよりも、高単価でブランディングする必要がある皆さんは、一人ひとりのお客様に、値段は高かったけど自分にとってはこれがベストの選択であったと思っていただける販売方法、マーケティング方法、営業方法を取らなければなりません。

そのための方法を、今後もお伝えしていきたいと思います。

今日のまとめ
「自分の販売している商品のクチコミが起こったら、それは値上げのサイン」

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