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謎、作りたいですか? 恐怖のスケジュール管理の巻

この世の中には、スケジュールが守れる人間と守れない人間がいる。

当たり前のことを偉そうに言いたいKと申します。今回は謎制作者のスケジュール管理について話したいと思います。パンドラの箱ですね。

前置きとして、私はそこまでスケジュール管理が得意ではありませんが、私が知っている範囲では、謎制作者はスケジュール管理ができない人が多すぎて、出来る方に入れてもらってもいいんちゃう?と思っている次第です。小学生の時の夏休みはラストウィークに詰め込み派で毎年親に怒られておりました。耳が痛い人もいるとは思いますが、スケジュールというものに向き合うきっかけとして読んでいただければと思います。できる人は、下々はこんなくだらないことで悩んでおられるのじゃな、という天上人気分で読んでいただければと思います。謎制作者以外もスケジュール管理が苦手な人はもちろん沢山いますが、謎制作者はだいたいスケジュールが守れません。すみません。

制作者のスケジュール事情

もちろん、ちゃんとやってる人もいます。でも私の肌感覚で8~9割は守れていない、もしくはかなりギリギリという惨状を見ております。謎制作者以外の世の中のクリエイターの方はどうなんでしょうか?村上春樹先生や植田まさし先生は、きっちりスケジュールを守ると、よく啓蒙本で紹介されているのは見ますが。まあ、苦手な人が多いのは事実でしょう。人間はそうゆう風にできていますから。パーキンソンの法則ですね♪

第1法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

第2法則
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

(引用:wikipedia)

要は、お金と時間はあればあれだけ使う、ということです。人間の性なら、まあしょうがないっか☆じゃ、すみませんね?だからと言って、「おい!お前スケジュール守らねーとぶっ飛ばすぞ!!!」と言ったところでまあ改善することはないでしょう。じゃあ、どうすればいいのか?

私は以前、スケジュール管理改善のプロジェクトに入ったことがあるんですが…PERT算出とか、アンケートや聞き取り調査とか、有識者会議とか、モルモット実験(スケジュール管理できない人にツールを渡してやらせてみる)とか、色々やったのですが… できない人は改善しようとする気すらないため、やらされている感で定着しない、ということがわかりました。ふむ、次はロボトミー手術でもしようかな?

その時の失敗もとい、思い出をしたためます。当時は色々改善策を考える前に、まずはタイプ別に分析することを始めました。

スケジュール管理できない人のタイプ

スケジュール守れない人のタイプは色々あるんですが、私がよく見るのは下記のタイプでした。

①完璧主義タイプ
②先送りタイプ
③メタ認知力欠如タイプ
④やりたいことばかりタイプ
⑤お膳立て過剰要求タイプ

多いのは②ですが、謎制作者の中には良くも悪くも妥協できない人も多いので①や④も割と見ます。合併症を起こしている場合もあります。

ここはとても議論を呼ぶことかもしれないですが、①の完璧主義タイプ「納品した作品がよい物であればスケジュールが遅れても仕方ない、それよりギリギリまでブラッシュアップしてよりよい物を世に出したほうがいいでしょ?」という考えが見えなくもない…と思うことが多々あります。さすがにそこまで言う人はいないんですけど、そう思われても仕方がないかな、という進め方をします。

消費者にとってはよりよい物が世に出るほうがいいかもしれませんが、現場は荒れます。現場が荒れるとどうなるか?辛い経験を糧にレベルアップ…!となればいいのですが、慢性的にその状況が繰り返されると、人が辞めます。もしくは病みます。最終的にはクオリティが下がります。この完璧主義者は、私はアーティストと呼びます。アーティストなのか、クリエーターなのか、どちらも必要なのですが、アーティストは周りの心を殺すことが多いです。アーティストの是非は、これだけで50ページ書けるぞ!ということで、別の機会に。

そして、②の先送りタイプですが、はっきり言って一番ぶっ飛ばしたくなるタイプです。私もこのタイプです。気を抜くと「やりたくな~~い!!」という気持ちがMAXになって先送りしてしまいます。大体は、徹夜すればできる、土日使えばいける、という気でいます。徹夜だろうが土日だろうが終わればいいのですが、大体「寝てしまった」「遊んじゃった」という結果になります。朝、目が覚めたときに突然謎が思いつくといいなという希望で寝てしまうんですね。周りからみればいい加減にしろ!!エンコだぞ!となりますね。

③のメタ認知力欠如タイプですが、自分の能力を見誤るタイプがこの世には一定数います。経験不足は仕方ないですが、自己肯定感が高すぎる(俺/私ならできるでしょと思う)場合や、あまり何も考えていない(真剣に向き合っていなかった)場合が多い。本人が思っていた以上の時間がかかってスケジュールが破綻します。バッファも見ないので、想定外がちょっとでも起こるとガラガラガラガラと音を立ててくずれます。心配性な人間からすると、ある意味とてもうらやましい。悲しいことに、成績が低い人ほど自分の能力を高く見積もる傾向にあるという実験結果もございます…コチラの記事をご覧ください。自己採点できる力も低いということですね。我も気をつけよう。。

④のやりたいことばかりやるタイプの人は、他にやらなきゃいけないことがあっても、優先順位を考えずにやります。謎制作者でいうと謎しか作らなかったりやりたい案件だけやったり、デザイナーでいうとギミックを避けて絵ばっかり描いたりしているのを見ます。必要以上に特定の部分に時間をかけるということです。やらなかったパートが間に合わなかった場合、他の人がやることになったり、作業の遅れが他の人の業務を圧迫します。しかも、メインで担当した人だけ評価されるので、「俺/私すげ~の作ったぜ!」みたいに調子づいていると、手伝った人は「は?」という気持ちになることもあるとかないとか。

最後の⑤のお膳立て過剰要求タイプは、材料が揃わないと手を付けません。謎制作者よりもデザイナーに多いです。謎制作者もたまにいます。謎制作者の場合は、場所や条件が決まりきらないと作り始めないという人。スケジュール的に余裕があればいいんですが、余裕がない時は見切り発車でも進めないととんでもないことになります。確かにパターン考えなきゃいけないとか大変なんですけどね。また、デザイナーも全部そろってからやる方が楽ですからね。でも謎解きなんて最初から完璧に決まったものが落ちることはほとんどないです。先にやっておかないとどうなるか?最後の一分一秒が大事になる局面で首が締まります。

机上の空論の解決方法

先に言っておきますが、他人を変えることはできません。改善方法はありますが、自分が変わろうとしない限り無理だ、というのが私がスケジュール改善プロジェクトで出した結論です。ですが、改善方法を知っているだけでもましかな、と思うのでとりあえず記載します。

①の完璧主義タイプですが、最終的にちゃんとしたクオリティで間に合わせられるなら、どうぞどうぞそのままで、ありのままの君でいて、となるんですが、間に合わない人はこれを目指してください。とにかく早く失敗すること。失敗したって整ってなくたって別にいいんです

「七放・五落・十二達」です。キャリア・ポートレート コンサルティング代表の村山 昇さんが提唱する法則です。7割で一回見せる、5割まで落ちる、12割まで上げる、ということです。失敗が早ければ早いほどリカバリーが効きます。個人的な意見ですが、一人で作り上げるより周りの意見が入ったものの方がいいものになる気がします。何より、一緒につくってる感を演出することが結構キモかなと。アーティストの作品作りに協力させられていると感じるよりも、一緒に作品を作るんだ!という気持ちにさせられるように配慮した方が、周りの人によい影響を与えます。

②の先送りタイプや③のメタ認知力欠如タイプですが、大体傾向があります。自分のスケジュールを作ってない。やっているつもりの人もいますが、大体下記の欠点があります。

・すべての行程を細かく落とし込んでない
・毎日確認する習慣がない
・スケジュールを常に修正しない

スケジュールちゃんと作ってます!という人でも守れない人が多い。見ると、大雑把な締め切りしか書いてなかったり、作っていても毎日は見ていないということが多かったりします。確実に言えることは自分の記憶を信じるな、です。タスク洗い出したら、まず時間が見えてくるので”想定外に時間がかかる”、”思ってたよりやることがある”ということが減ります。

スケジュールが守れる人に聞き取り調査をしたところ、毎晩次の日のタスクを付箋に書き出す、次の日の朝にタイムスケジュールを組んでから仕事を始める、ということをやっていました。とにかくスケジュールを確認する時間を毎日取る、というのがキモなのかなと。そして、アナログがいいのか、デジタルがいいのか等も、色々調べましたが、やはり本人の意識の問題ですね。泣ける。ただ、出来てる人は大体アナログでしたが、調査対象人数が少ないのでなんとも言えません。私は毎日見るという習慣を作るのが無理だと思ったので、アナログのスケジュールをデスクの目の前に飾っています。常に強制的に目に入ります気分悪いです。

さらに、ポイントとして修正しやすい構造ではないと、面倒になって途中で更新しなくなります。付箋にタスクを書き出して、いつでも移動できるようにすると、修正は楽になります。デジタルは修正が楽な分、一画面でチェックできないことが難点かなと思いました。とにかく見づらい。でも、アナログのスケジュールも、タスクが増えすぎると、付箋ON付箋ON付箋というカオスになります。あとは、やる気は動いてからではないと湧いてこない、という人間の心理に基づいてとにかく早く手を動かすことです。

④のやりたいことばかりやるタイプは、まずやらなきゃいけないことを洗い出して全部やってから、やりたいことに力を入れてください。これはマジでただの当たり前のことなので、やれ。資格も学歴もいらねーぜ?

⑤のお膳立て過剰要求タイプは、このスタイルでいきたいならジョブチェンジをお勧めします。原則テンプレの仕事をしたほうがお互い幸せです。でも、それでも改善するとしたら、謎制作者はAパターンBパターン考えるための経験を積まないとなりません。また、デザイナーは、プロトタイプの作り方のスキルをつけること。最初のデバッグに完成されたデザインは必要ないです。変わらない確立が高いものはデザインしてもいいですが、謎が成立さえしてればよいのです。しっかり描きこまれてしまったものに修正指示出しづらいですしね…

デザイナーの苦悩

謎ができるとデザインに入ります。謎制作者の後ろに常にデザイナーあり。私の後ろに誰もいなかったら私はスケジュールを守る気になれなかったかもしれません。

デザイナーは辛そうだな、としか思ったことがない。そして、このスケジュールでやれと言われたら私なら血管ぶちぎれて緊急入院だな、とよく思います。彼らはアンカーなので、スケジュールを遅らせることができないストレス値の最も高い場所に位置しています。デザイナーからの謎制作者へのクレームは本当に多い。当然です。だって守れてないんだもの、スケジュール。やばい時はデザイナーがネームを切ってたりします。

デザイナーが大変なのは、謎の落とし込みが遅いというだけではなくて、結構頭を使うことにもあると思います。ギミックもそうですが、謎を理解してもらわないと、完成形がイメージと違うものになってしまうことが多いからです。これは、すっごく説明しなきゃいけない人と、一言で伝わる人が明確に分かれる。通常業務でも理解力の差で、伝える側の労力が変わることはよくあるのですが、謎を説明する時の比ではない。パワポで鬼の資料を実装する人もいますが、結構な労力です。

あと、資料が細かければ細かいほど読まないで聞いてきます。書いてあるだろ!っと思いがけずでっかい声が出る時があります。ちなみに私は大変申し訳ないのですが資料手抜き派です。だから伝わらないことが多々あります。でも、落とし込みから間空けられて、説明したことを再度聞かれてイラっとすることがあるのでお互い様ですよね!?とまあ、棚に上げたら東京湾に沈められてしまうので、猛省します。

謎の内容変更に合わせて、大幅なデザイン修正が入ることを「手術」ということがあるのですが、デザイナーが「もうこれ整形手術じゃん!」と叫んでいたシーンは一生忘れないでしょう。整形手術というか臓器も全部とっかえてますからね。

謎制作のスケジュールは、謎制作者とデザイナーとの連携がキモです。謎制作者は大体失敗するんので、デザイナーに対して常に罪悪感を抱えています。アイツはなんも考えてない!と思ったそこのあなた!そうは言っても、少なからず悪いとは思っている人がほとんどです。謎制作者も泊まりが多いですが、デザイナーはもっと多い。泊まり、やめよう。ニキビ出来る。私はここ数年あまりしてません。

それでもスケジュールを守りたくないアナタへ

私の好きな青年失業家の田中泰延さんは、スケジュールはお宅の都合でしょ?とよく言っています。そうです。スケジュールを守りたくないのであれば、それが許される環境を作ればいいだけです。会社のようなところに所属したり、期限の決まった案件を受けたりしないこと。待ちますから作ってください、と言わせることです。富樫先生のように…。

まとめ

スケジュールを守れないのは主に次の5つのタイプです。

①完璧主義タイプ、②先送りタイプ、③メタ認知力欠如タイプ、④やりたいことばかりタイプ、⑤材料が揃わないと手を付けないタイプ

①は「七放・五落・十二達」で早く失敗すること、②と③はちゃんとしたスケジュールを作ること、④のタイプは周り見ろ、⑤のタイプは経験を積みやり方を工夫する、という風にまとめました。

でもさ、スケジュールってさ、その人に合わせないと絶対にうまく回らないんですわ。このままじゃだめだ!と思うなら、片っ端から本やネットの記事でも読んで研究してください。私も本やネットを結構漁りましたが、まだ正解が見えてません。ロボトミー手術が一番かな?と思ってます。最近だれているので猛省します!!

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