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【F1_2023】f1i.com ドライバーレーティング翻訳【第3戦オーストラリアGP】

f1i.comよりドライバーレーティングが公表されていましたので翻訳し紹介します。
翻訳は筆者の意訳も含まれており、原文の意図を逸脱した文章である可能性もあり、十分にご留意のうえあくまでもご参照程度にご覧ください。
また、図や写真については転載しておりませんことをご了承ください。

参照元

F1i's Driver Ratings for the 2023 Australian GP
Andrew Lewin 03/04/2023 at 14:15

オーストラリアGPは、夜更かしする価値――あるいは地域によっては早起きする価値があり、奇妙で混沌としたゴールまで、ドラマとエンターテイメントに満ちていた。マックス・フェルスタッペンがトップに立ち、ルイス・ハミルトンが喜んだかと思えば、他のドライバーは落胆し、アルバート・パークでのほとぼりが冷めたころ、ちょうど月曜日のメルボルンのレーティングの時間となったのだった。

シャルル・ルクレール 6/10

シャルル・ルクレールは「今までのシーズンの中で最悪のスタートだった」と語ったが――それはそれはバラ色の展開ですね! と言いたくなるほど、ここまでは本当にひどい状況だ。FP2では2番手だったかもしれないが、それは予測不可能なウェットコンディションでのことだ。SF-23の本当の実力を知るには、彼の予選でのパフォーマンスを見なければならないところだが――最終的には残念なことに7位だった。チームメイトのカルロス・サインツに2つ差をつけられたが、それでも彼にとっては2023年の開幕以来で間違いなく(少しだけ)良い結果だった。レースにおいては活躍できたと考えにくいが、とはいえ起きたインシデントの数からすると、赤旗と再スタートがうまく絡めばサプライズのチャンスがあったのかもしれない。しかし、1周目にアストンマーチンと接触してスピンアウトしてしまったので、その可能性があったのかどうなのか、分からずじまいだった。

アレクサンダー・アルボン 8/10

アレックス・アルボンは土曜日の予選で素晴らしいパフォーマンスを見せ、ウィリアムズは日曜日の決勝でルクレールのフェラーリに次ぐトップ10グリッドを獲得するにふさわしいように思われた。ルクレールがスピンアウトし、アルボンがストロールを上回ったため、1周目に6番手まで浮上した。それは、彼にとって非常に大きなチャンスだったが、突然リアエンドを失い、バリアに激突して3回目の赤旗が出され、彼のレースはあっけなく終了した。「前のコーナーでワイドになり、タイヤの温度が急上昇してグリップを失って、次のコーナーに少し深く入ったので、それが原因だと思う」のちに彼はそう言った。今週、大きなポイントを獲得する絶好の機会を逃したことを悔やんでいるだろう。

ジョージ・ラッセル 9/10

オーストラリアGP終了後、ジョージ・ラッセルは「この週末、できることはすべてやり切った」と語った。本誌の評価を見れば、その自己評価とほぼ一致していることが理解できるだろう。できなかったのは完走だけで、それは彼の責任ではない。車の後部が燃えているときにできるのは、できるだけ早く車を停めて脱出することだけだ。その前にまず、彼は予選で素晴らしい結果を残し、日曜日のフロントロウを獲得した。そして、今年、誰もが不可能だと思ったことを実現した――第1コーナーでマックス・フェルスタッペンに競り勝ったのだ! しかし、メルセデスが最初のセーフティカーに(過剰に)反応してピットインし、黄旗が赤旗に変わって戦略を台無しにしたことで、彼はリードを失ってしまった。それでも彼は誰を責めるでもなく大人しく状況を受け入れ、リアから火を噴いたときには忙しく対応していた。不本意だろうがラッセル自身の言う通り、この週末、彼自身は本当にできることすべてを行っていたのだ。

ケビン・マグヌッセン 5.5/10

ケビン・マグヌッセンにとってこの週末は胸を張れるような結果ではなかった。金曜のフリー走行では2回とも下位に沈み、FP3でも17番手という”目のくらむような高さ”までしか上り詰められなかったため、予選ではよい流れをつかんでQ1の足切りにかからなかったのは驚きだった。レースでは赤旗が提示される前のセーフティカーでピットストップを行ってしまうという不運に見舞われるまで、第1スティントを12位で走行していた。順位を落としたあと、DRSトレインに巻き込まれながらも53周目に12位を挽回したが、壁への接触で右リアタイヤがバーストし、ポイント獲得の望みは絶たれた。「第2コーナーの出口で壁に接触してリムが破損し、タイヤが外れてストップしてしまった。コクピットには衝撃が伝わらなくて、ぶつかったことすら気づかなかったが、リムが割れてタイヤが外れるほどだったんだ。残念だ」

ローガン・サージェント 6/10

ローガン・サージェントはフリー走行1回目で経験豊富なウィリアムズのチームメイト、アルボンよりコンマ3秒遅いだけの堂々の15位だったが、マシンに電気系統のトラブルが発生したためフリー走行2回目を欠場することになった。このようなことは、アルバート・パーク・サーキットを初めて走るルーキー・ドライバーにとって避けて通れない道であり、予選Q1で敗退してしまったのもやむを得ないことだった。レースではセーフティカーと赤旗のおかげで長いDRSトレインの中に閉じ込められてしまい、ミディアムコンパウンドに苦戦したことから前に出られず、終始後方から追いかける形になり、ほとんど何もできなかった。それでも彼は(アルボンより50周多い)56周を留まったものの、最後の再スタートで混乱に巻き込まれ、F1デビュー3戦目にして初めて完走を逃すことになった。

ニック・デ・フリース 5.5/10

デ・フリースは金曜日、初めてのアルバート・パーク・サーキットに慣れるために静かな時間を過ごした。そしてその努力は予選で実を結び、3人のルーキーの中で唯一Q1を突破した(コンマ1秒すれすれだったが)。残念なことにレースではフロントウイングの損傷によりアンダーステアとタイヤのグレイニングが発生し、後方に下がってしまった。その後、ボッタスとサージェントの後塵を拝し、最後のリスタートでサージェントに追突されてリタイアした。「ローガンを責めるつもりはないし、誰にでもミスはある」レース後に彼は言った。「実際、僕は正しい時に正しい場所にいなかったんだ」

エステバン・オコン 7/10

悪天候による中断はあったものの、3回のフリー走行では16番手、6番手、3番手と正しい方向に進んでいたオコンだったが、予選ではトップ10入りを逃す結果となった。11番手からスタートし、オープニングラップを好調に走行していたが、安全策としてピットインを要求された。27周目には1つ順位を上げてトップ10圏内に入り、アルピーヌのダブルポイントフィニッシュを狙った。そして最後のリスタートで、彼とチームメイトのガスリーは互いに、これからというときに手痛いリタイアを喫することとなった。「ピエールはコースに復帰したとき私に気づかず、僕を壁に押し付けたんだ。そういうことで大きなチャンスを逃したよ」と彼はため息をついた。次戦のバクーではここからチームの調和がどのように回復するか見ものである。

ピエール・ガスリー 7.5/10

ピエール・ガスリーはFP1では速かったものの、FP2、FP3ではチームメイトで「宿敵」のエステバン・オコンの後塵を拝した。とはいえ、予選ではQ3まで勝ち進み、日曜日に向けて堅実に9位を獲得したことで、最後に笑うことができた。レースではルクレールの早期戦線離脱とアルボンの事故による赤旗のタイミングから恩恵を受け、再スタート後は4位まで順位を上げた。25周目にサインツが仕掛けてきたときには、言うまでもなくどうすることもできなかったが、その後は5位をクルーズコントロールするかのように走ることができた――2回目の赤旗が振られ、オコンに追突するまでは。本当は2台揃ってポイント獲得に貢献するはずだったのだが。「あと少しで10ポイントを獲得できたのに、1ポイントも獲得できずに去っていくのは、僕らにとっては苦い経験だ」そう彼は言った。「それでもエステバンも僕も無事でよかった。チームとして、前に進み、集中し続けるよ」

カルロス・サインツ 7.5/10

フェラーリにとって、今シーズンは最高のスタートとは言えない中、2人のドライバーのうちカルロス・サインツが比較的ましな状況にあった。金曜日にルクレールに先を越されたものの、最後のフリー走行ではモナコ人を上回り、予選でも0.1秒差をつけて2ポジション上の、アロンソに次ぐ5位を獲得している。レッドシグナル消灯でスタートを切り、ミディアムタイヤの感触を確かめると、アストンマーティンの前に出て1コーナーに進入した。しかしラッセル同様、最初のセーフティカーが入るタイミングに巻き込まれ――ピットインするやいなや赤旗中断となり、11位まで順位を落とした。リスタート後は気合を入れなおし再び戦列に復帰、25周目にはガスリーをパスして4位に浮上したものの、同様に上がってきたアロンソが再び壁として立ちはだかった。2度目の赤旗でレースが再開されたとき、サインツはアロンソの前に出た際に彼をスピンさせてしまい、最後のリスタートで5秒ペナルティを受けることとなりポイント圏外へと脱落してしまう。これは非常に手厳しいペナルティで、通常であればスタートやリスタート時のアクシデントはレーシング・インシデントとして片付けられるものだが――懇願通じず、今回のアクシデントが彼の側に非があったことを映像が明らかにしてしまっていたのだった。

バルテリ・ボッタス 4.5/10

これだけポジションアップしてフィニッシュしたドライバーがこのような低評価を受けているのは普通はおかしな話だが、これはバルテリ・ボッタスの日曜日がいかに幸運で、午後の間ずっとトラブルから逃れることができたのかを示しただけのものにしか過ぎない。というのも、冷静に考えれば、彼があまりにも遅かったために誰かに接近することすらできなかったからでしかないからである。予選では最下位のタイム(ロックアップしてタイムを出せなかったセルジオ・ペレスは除く)となり、アルファロメオのエンジニアは彼のペース不足を解消するための試行錯誤をした結果、日曜日のレースはピットレーンからのスタートを選択することとなった。レースではデ・フリース(26周目)、サージェント(35周目)の前に出ることができたが、これは結果にはつながらなかった。最後のリスタートがされたとき、混乱に巻き込まれてまたもや最下位になってしまったが、その時にはすでに12台しかグリッド上に残されていなかった。サインツのペナルティで1つ順位を上げたものの、現実的な評価では11位というのはフィンランド人にとって不釣り合いな結果だった。「午後はすこし孤独でやることがなかった」と彼は認めた。

角田裕毅 7.5/10

2023年の開幕2戦をノーポイントで終えた角田裕毅とアルファタウリが、メルボルンでついにトップ10入りを果たした。それは、8台のマシンがリタイアやクラッシュを喫し、さらに1台が手厳しいペナルティを課されただけだったと言えるのかもしれない。しかしそれが何だというのだ。探そうと思えば成功はどこにでも転がっているということではないか。そして(かつてはコース上のアクシデントを拾ってくる側だった)角田が、日曜日の混乱に巻き込まれることなく、無事にAT04を持ち帰ることができた結果ということである。FP1では不調だった角田だが、雨の中行われたFP2では調子を取り戻し、土曜日の予選ではQ2進出を果たし、12番手と好位置からレースをスタートすることができた。スタートで2つ順位を上げ、最初の赤旗のタイミングにも恵まれたが、レース後半に形成されたDRSトレインの中で順位を維持するには純粋にマシンのペースが足りなかったので、その後は14位まで順位を落とし続けてしまった。最後のリスタートの混乱に乗じて5位まで駆け上がっていったものの、その前に再度レースが中断され、順位は元に戻されてしまった。とはいえ多くののライバルがすでにリタイヤしていたことから、11位でチェッカーを受けることができた。そして、アロンソをスピンさせたサインツのペナルティにより、角田は今季初のポイント圏内に昇格したのである。

周冠宇 7/10

アルファロメオのチームメイトが今週のメルボルンでどれだけひどい目に遭ったかを考えると、周冠宇が日曜日にチームのために2つのポイントを獲得したのは奇跡のようなものだ。金曜日のアルバート・パークに慣れるのに時間がかかり、FP3でバリアに接触してしまったこともあって、予選ではQ1落ちの17番手(それでもピットレーンスタートのボッタスよりはましだが)となった。赤旗中断のタイミングにも助けられ12番手で再スタートを切ったが、直後にオコンと猛烈にリカバーしてきたペレスに抜かれてしまった。結局、レース後半はマグヌッセンの後ろで押さえつけられてしまい、角田にも後ろに付かれていた。残り2周でハースがウォールに接触したのを機に別のリスタートが切られたとき、彼自身はその前後の「惨状」から身をかわすことができた。その結果、オコンや先行するドライバーが次々リタイアしたため、セーフティカー先導の下で10位フィニッシュをすることができ、その後さらにサインツのペナルティで1つ順位を上げたのである。

オスカー・ピアストリ 7.5/10

この週末のレースはチームで働くみんなを元気づけたことだろう。なぜなら、マクラーレンがメルボルンでダブルポイントを獲得し、シーズン序盤の2戦の暗雲を晴らすとは誰も予想していなかったからだ。ピアストリは、今年の新人ドライバー3人の中で最初にポイントを獲得したことになったのだが、今回のホームレースではあまりにも運の要素が大きかったことから、この結果を終了30分前の段階であってもまったく予測することができなかったと言わざるを得ないだろう。フリー走行ではトップ10に入れず、Q1突破に失敗して16番手からレースをスタートしたが、好スタートを切ってすぐに3つポジションを上げ、最初のセーフティカー/赤旗のタイミングでピットストップを行ったことでさらに順位を上げた。その結果、彼はポイントまであと一歩のところまで迫った(ラッセルがリタイヤしたときは10位だった)が、すぐにオコンに抜かれ、28周目からはアルピーヌの後方で11番手に押さえつけられた。最後のリスタート直後の混乱をどうにかかわし、修羅場をすり抜けて9位まで順位を上げると(その後、サインツのペナルティで8位となった)、セーフティカーが先導する中、チェッカーが振られるまでその座を守り抜いたのだった。

ニコ・ヒュルケンベルグ 8/10

ミック・シューマッハの後任としてベテランのニコ・ヒュルケンベルグが選ばれたことをその当時は疑問視されたものだが、今週末もギュンター・シュタイナーはドイツ人ドライバーの力強いパフォーマンスによって、ますますその決断が正しかったことを証明してみせた。フリー走行ではチームメイトのマグヌッセンを常にリードし、トップ10まであと一歩のところまで迫ると、予選ではQ2で5番手のタイムをマークしてQ3進出を決めた。Q3では新品のソフトタイヤが残されておらず10番手となってしまったが、最初の赤旗によるピットインに助けられ、6番手で再スタートを切ることができた。メルセデスのラッセルを阻止することはほとんど不可能だったが、レース中盤のスティントでは7番手につけ、その後マシンの調子が落ちたことでペレス(43周目)とノリス(50周目)に抜かれてしまった。しかし、最後のリスタートでガスリーのアクシデントとサインツのペナルティによって2つポジションを取り戻し、チームとして6ポイントを獲得。今シーズンの現役復帰への信頼に応えたのだった。

ランド・ノリス 7.5/10

ウォキングの2023年はこれまで散々な状況で、もしかしたらマクラーレンが1年間勝ち星を挙げられず、木のスプーン(最下位の称号)を手にすることになるのではないかという懸念もあっただろう(6年前にも似たようなケースはあったが)。それなのにたった1回のメルボルンの週末で、MCL60の性能を余すところなく引き出したランド・ノリスを筆頭に、両ドライバーのダブルポイント獲得により、チームはコンストラクターズランキングで最下位から5位にまで躍進した。もちろん運もあるが、ノリスは金曜日のフリー走行でも7位と8位を獲得していた。しかしFP3では走行を制限されて最下位となり、予選ではカードをプッシュしすぎてうまくいかず、Q3進出を逃して13位に終わってしまった。「限界に挑戦しすぎて本来の走りができなかった」と悔しがった。しかしレースでは、スタートで2つポジションを上げ、最初のピットストップをセーフティカーではなく赤旗の下で行い、再スタートしてからは角田裕毅をサヨナラし、レース後半では50周目にヒュルケンベルグをパスした。そして最後のリスタートでガスリーがアクシデントに見舞われ、サインツもレース後にペナルティを受けたため、まったく予想外の6位と今季初ポイントを獲得することができたのだった。「まったく無茶苦茶なレースだったけど、どうにかそこにとどまることができたよ」

セルジオ・ペレス 7.5/10

サウジアラビアでの非常に価値ある勝利から明けて戻ってきたが、これはセルジオ・ペレスが思い描いたような続編ではなかっただろう。むしろこのメキシコ人は呪われていると言っていいくらいだった。FP1ではフェルスタッペンのペースから0.5秒遅く、FP2では7番手まで下がった。その後、土曜日全体にわたってブレーキバランスの問題が生じたため、予選ではタイヤをロックアップさせてコースをランオフしてしまい、タイムを出せずに終了となった。チームは、ピットレーンスタートとなってでもレースまでにこの問題を追究することにしたが、それはペレスにとって不安定な日曜日の始まりを意味するもので、最初の赤旗までに望むような順位まで上げることはできなかった。それでも、フェルスタッペンが2週間前のジェッダで見せたような「バターを切る熱いナイフ」のような素晴らしい日ではなかったかもしれないが、ペレスはようやく落ち着きを取り戻し、再びRB19を信頼し始めると、順調に順位を上げ、43周目にはヒュルケンベルグをパスして最高潮に達した。最後のリスタートでオコンが脱落し、サインツにペナルティが課せられ、ペレスは5位となったが、このような状況下では間違いなく堅実な結果だったと言えるだろう。しかし、そのうえファステストラップまで獲得したにもかかわらず、メルボルンではフェルスタッペンとの差が15ポイントまで広がってしまったのだった。これからバクーに向けて、レッドブルはチームオーダーを発動するようなことはあるのだろうか?

ランス・ストロール 8/10

2023年の初戦はアロンソの復調に注目が集まり、ストロールのことを見落としがちだったが、このカナダ人は好調で、アロンソの才能だけということでなく、今年のアストンマーティンのパッケージ全体がいかに優れているかを証明している。金曜日のフリー走行では控えめなタイムだったものの、FP3ではトップ10に入り、予選ではいよいよ6番グリッドを獲得して決勝に臨むことになった。最初の1コーナーでアルボンの奇襲を受けたが、赤旗のタイミングでピットストップを行えるという幸運にも恵まれた。その後、前を走るサインツとガスリー、後ろを走るヒュルケンベルグとペレスとの間、6番手を走ったが、全員がタイヤを温存していた2番手ハミルトンのDRSトレインにかかってしまい、身動きが取れなかった。ガスリー達は最後のリスタートで揃ってレースを後にし、サインツはアロンソをスピンさせてペナルティを受けたため、ストロールはこの午後に4位という願ってもない成績を残した。アロンソがチームメイトになったことで、ストロールが衝撃を受けたり困惑したりしてしまうことも考えられたが、今のところ、そのようなことはまったくないようだ。

フェルナンド・アロンソ 9/10

2023年が始まって3レース、フェルナンド・アロンソは3度の3位表彰台を獲得している。もはやその一貫性を疑う者はいないだろう。しかもグリッドで最年長のドライバーでありながら、まるで駄菓子屋にいる子供のように、自分のほぼ半分しかない年齢のルーキーよりもエネルギーと熱意にあふれている。そのうえ、金曜日のフリー走行でトップタイムを記録したときの表情が「すごい!」というよりも「当たり前だろう、何を期待しているんだ」というものだったほど、今の彼は新たな気迫と自信を感じさせているのだ。予選でメルセデスの両ドライバーに敗れたことも、決勝のスタートでサインツに待ち伏せされたことも、アロンソにとっては喜ばしいことではなかっただろうが、日曜日のコースに出ること自体彼にとって幸せなことだし、ピットストップが終わると3位に復帰し表彰台間違いなしというならなおさらだろう。彼はすぐにハミルトンにプレッシャーをかけ、3位から2位へアップグレードするためにあらゆる手を尽くしたが、結局、元ワールドチャンピオンのライバルは決して屈服も妥協もしないという認識を改めることになった。最後のリスタートでスピンを喫するというアクシデントもあったが、グリッドのリセットを求める彼の訴えはレースコントロールに受け入れられ、再びトップ3に返り咲き、ジェットコースターのようなフィニッシュを迎えた。

ルイス・ハミルトン 8.5/10

ルイス・ハミルトンは、2023年のメルセデスのパフォーマンスについて、7度のワールドチャンピオンには二度と陽が当たらないのではないかと思うほど不満げで寂しげに語っていた。それは、ちょうどメルボルンで引き起こしたようなサプライズを続けるための演出だったのではないだろうか? FP1では2番手でフェルスタッペンより0.5秒遅かったが、それでもジェッダで見た二人の差の半分になっていた。FP2、FP3ではやや出遅れたが、予選ではメルセデスが気炎を上げて2位と3位を獲得した。レースではラッセルがフロントロウのポジションを活かして先頭に立つと、ハミルトンはその好機に乗じてフェルスタッペンから2位を奪い取った。もしセーフティカーが出たときハミルトンに選択肢があったならどうしたかは気になるところだが、それはさておき、ラッセルのピットインでトップに立つことができたが、すぐに赤旗中断となった。再スタートでもトップには立ったものの、フェルスタッペンの突破を防ぐことはできず、一息入れたところでタイヤマネジメントに専念し、アロンソを真後ろに抑えながらチェッカーフラッグを受け、今季初表彰台を獲得した。レース界のナイトにとって、ブラックリーでの状況は唐突に好転したのだった。

マックス・フェルスタッペン 9.5/10

フェルスタッペンは、サウジアラビアで優勝を逃したことが本当に悔しかったようで、ペレスが素直に彼を追いつかせ、車を脇に寄せて追い越させてくれなかったことに腹を立てているようだった。フェルスタッペンは今週もまた2位になることなどできないという強い意志を持っており、彼が金曜夜にレッドブルのガレージに潜み、フリー走行と予選の前にペレスのマシンの後ろでレンチを振り回していたというエイプリルフールの噂を耳にしても誰も驚かないほどだった。メキシコ人の週末が土曜日に破綻してしまったなか、フェルスタッペンはFP1、FP3ともにトップタイムをマークし、予選でも3ラウンドすべてを堂々と突破し、メルセデスのラッセルに0.236秒差と予想以上の僅差に迫られながらもポールポジションを守り抜いた。ラッセルは日曜日も引き続き目の上のたんこぶとなり、スタートダッシュを決めてフェルスタッペンからトップを奪取(しかもルイス・ハミルトンが続いて2位を奪取)したものの、フェルスタッペンにしてみればそれは一時的なエラーでしかなかった。12周目に彼は再びトップに立つと、すぐにDRSの範囲から抜け出していった。終盤、コースアウトしてしまうという不注意もあったが、11秒のリードがあればそれも大した問題ではない。最大の懸念は、マグヌッセンのアクシデントで再スタートを余儀なくされたこと(今日のフェルスタッペンはスタートがよいとは言えなかったため)だが、彼はその最終試験に見事合格し、後方の騒乱を引き離して、F1キャリア37回目の勝利を確定させたのだった。

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