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【F1海外記事翻訳】2023年モナコGP予選の勝者と敗者【planetf1.com_2023/5/28】
2023年モナコGP予選の勝者と敗者【planetf1.com_2023/5/28】
planetf1.comにF1角田裕毅選手関連の記事が公開されておりましたので、翻訳し紹介します。
翻訳は筆者の意訳も含まれており、原文の意図を逸脱した文章である可能性もあり、十分にご留意のうえあくまでもご参照程度にご覧ください。
また、基本的には図や写真、元記事に貼られているリンクについては転載しておりませんことをご了承ください。
参照元
Thomas Maher May 28 2023
大接戦となったモナコGPの予選では、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがトップに立ち、チームメイトのセルジオ・ペレスが20位となった。
セルジオ・ペレスはマイアミでF1の2023シーズン2度目のポールポジションを獲得したが、モナコでの再現はできず、代わりにQ1におけるサント・デボーテのクラッシュによりそのグリッドを献上することとなった。
とはいえレッドブルのポールポジションはフェルスタッペンにより丁重に守られ、シャルル・ルクレールにはモナコの呪いが再び降りかかった。
ここに私たちによる勝者と敗者をお送りする…
勝者
マックス・フェルスタッペン
フェルスタッペンは、F1チャンピオンのエリートクラスだけが持つ底力を引き出し、驚異的な予選結果を叩き出した。
フェルナンド・アロンソによるQ3セッションのラップが終わり、フェルスタッペンのやや不完全な最終走行でコンマ2の遅れがあったことから、ポールポジションはほぼ確定したかのように思われていた。しかし、残り20秒を切ったところでフェルスタッペンは、スイミングプール、ラスカス、アンソニー・ノッヘの出口で誰よりもコンマ3秒速く走り、コンマ2秒の不足をコンマ1のアドバンテージにしてしまった。
過去にルイス・ハミルトンやミハエル・シューマッハ、アイルトン・セナなどが見せてきた、「起死回生に放つ魔法」の瞬間のひとつで、フェルスタッペンは過去2年間の挑戦を最後に跳ね返されてきた中、今回、最も力強い状況で自身初のモナコのポールポジションを獲得することができた。
フェルナンド・アロンソ
アストンマーティンにランス・ストロールが2人いたとして、AMR23がフロントランナーだと思う人はいるだろうか?
ありがたいことに、チームはもう一台のマシンのホイールの裏側にフェルナンド・アロンソを乗せることができ、スペイン人のその速さと一途さが何年経っても衰えないことを証明しているのである。
オコンとルクレールが上位を抑えていた中で見せたアロンソのデモンストレーションは、アストンマーティンのドライバーが2012年ドイツGP以来のポールポジションを獲得することを予感させたが――結局はフェルスタッペンの魔法により蹴落とされて喘ぐという、壮絶なラストを迎えただけのことだった。
レッドブルは他のトラックと比べるとモナコを苦手としているため、アロンソの見通しではフェルスタッペンを日曜日の78周にわたって追いつめられると舌なめずりしているかもしれない。もしアロンソによい手札が回ってきたときに、オランダ人ドライバーをひとつ上回るような可能性を否定することはできないだろう。
面白いことに、フェルスタッペンは予選後の記者会見で、アロンソがレースに勝つために必要な手助けをするかという質問に対して「考えておくよ」と答えており――オランダ人ドライバーも実はアロンソがもう一度レースに勝つのを見たいと思っているのかもしれない。
アルピーヌ
ピエール・ガスリーとエステバン・オコンは、フリー走行と予選の早い段階から一貫してトップ10に入るなど、アルピーヌのアップグレードは今週末も静かに進行し続けている。
ガスリーは上位に食い込むことはできなかったが、オコンは予選終盤で見事な輝きを見せて暫定ポールポジションを獲得し、一時はトップドライバーたちを崖っぷちに追い詰めていた。
オコンのタイムはトップクラスで、(ルクレールの3グリッド降格ペナルティにより)3位スタートが濃厚というところだが、彼のベストタイムはトップから0.188秒差しかなく、アップグレードしたメルセデスの前に出ることができたのである。
ガスリーは、これほど目を引くパフォーマンスには至らなかったものの、7位という素晴らしいポジションに並ぶことになった。
前回のマイアミGPのあと、CEOのローラン・ロッシがアルピーヌのパフォーマンスに苦言を呈していたが、対するチームからの反応は迅速かつ精力的で、上司が間違えていることを証明しようとしているのである。
角田裕毅
先週末のファエンツァでの清掃活動で多くのファンの心を掴んだ角田は、土曜日の予選で9位と健闘し、アップグレードしたW14のジョージ・ラッセルのペースにコンマ1秒差まで迫っていた。
アルファタウリはシーズン開幕からひどい状況だが、角田はQ1の終盤にトップに躍り出て、その後マックス・フェルスタッペンに上回られたものの、チームに笑顔をもたらした。
「これはメカニックやエンジニアの努力の賜物で、特にQ1の最後の走行からすぐに自信を持つことができるようになりました」と語った。
「それからはとても楽しめましたね。僕にとって初めてのモナコのQ3進出は間違いなく特別なものです。ポイント圏内でレースをスタートできる自分のパフォーマンスには満足しているので、明日は全力を尽くして、ポイントを獲得できるよう可能な限りのことをしていきたいと思います」
デ・フリースも12位と健闘しており、AT04は曲がりくねったモンテカルロ・サーキットのほうがマッチしているのかもしれない。
マクラーレンのメカニック
ランド・ノリスはシケインでバリアにぶつかり、サスペンションが壊れたことで数秒後にタバココーナーでもぶつかるという、らしくないミスを犯してしまったため、イギリス人ドライバーのQ3の出走は絶望的かに見えた。
しかしマクラーレンのメカニックたちは、壊れたMCL60の修復に全力を尽くし、残り6分でノリスをコースに送り出すことに成功した。フェラーリのルクレールがトンネルでぐずぐずしていたこともあり、ノリスは10番手以降には進めなかったが、少なくともフライングラップを試みてメカニックの努力に報いることができた。
「メカニックたちはすべてを元通りにするために大仕事をしてくれて本当に感謝しています」とのちにノリスは言った。
「残念なことにQ3のファステストラップは完全にブロックされてしまったけど、これは僕たちの責任ではありません。運不運に振り回されてしまって、悲しいことに僕らの欲しいリザルトとはならなかったです」
「もっと多くのことができれば、たぶん8位くらいまでは可能だったと思います。悔しいですが、僕たちは多くのことをうまくやりましたから、明日も頑張って少しでも多くのポイントを取りたいですね」
モナコのファン
モナコの土曜日は、いつもハイテンションでハイスピードな戦いが繰り広げられるが、今回のモナコ予選は特に、多くのドライバーが入り乱れ、スリリングな展開になった。
フェルスタッペンも一時はタイムを上げられないように見え、エステバン・オコンやシャルル・ルクレールが暫定ポールポジションでファンを沸かせ、フェルナンド・アロンソが10年以上ぶりのポールポジションを更新するかと思われたが、最後の数秒でフェルスタッペンが逆転するという、従来の予選フォーマットならではのクライマックスフィニッシュとなった。
スプリントレースや実験的なフォーマットのことは置いておき、クラッシュではなく走りで予選の優劣をつける――それが一番面白い。その事実を浮き彫りにしたのが、よりによってモナコだったとは。
敗者
セルジオ・ペレス
フェルスタッペンが歓喜のポールポジションを獲得した一方で、ペレスはQ1序盤に愚かなミスを犯し、チームメイトへの挑戦者としてこの数週間、数カ月にわたって高めてきた評価を台無しにしてしまった。
さらに悪いことに、ペレスのミスは少しこすった程度のものではなく、メキシコ人ドライバーはとんでもないスピードでサント・デボーテに突っ込み、その際に自分は「乗客」だったと後に主張している。
明日、路上でのオーバーテイクの難しさを考えると、よほどのことがない限り(というか、思い出してもらいたい。モナコではたいていそうなのだが)、せいぜいごくわずかなポイント獲得にとどまることにペレスは直面するだろう。
2001年、ポールシッターのデビッド・クルサードはグリッドで失速し、レースの大半をアロウズのエンリケ・ベルノルディの後ろで過ごすことになったが、このスコットランド人ドライバーはチャンピオンシップへの望みをつなぐために必死に前に出ようともがいていた。果たして、この日曜日にペレスにとってのベルノルディとなるのは誰なのだろうか?
ランス・ストロール
アロンソがフロントロウを獲得した一方で、ストロールはセッション終盤にラップタイムを上げられず、Q2でノックアウトされてしまった。
さらに悪いことに、カナダ人は指示された計量ブリッジで停止しなかったため、間違った方向性でスチュワードの注意を引くことになってしまった。とはいえ公正を期すために言えば、リプレイでは、FIAのガレージで停車するよう指示されたのはほんのわずかな時間だったことがわかり、ペナルティを受けることは免れている。
チームのボスであるマイク・クラックは、ストロールがタバココーナーで破片を拾ってフロアにダメージを受けたと説明し、ストロール自身もそれに同意し、特にセッションの展開に不満を感じていると語った。
「予選ではフラストレーションを感じています。Q1ではマシンのポテンシャルは間違いなくあって、5位を獲得し、フィーリングもよかった」
「おかしくなったのはQ2からで、アウトラップでタイヤの準備がうまくいかず、計量ブリッジで引っかかり、トラフィックもあって、最後の走行ではターン18でコンマ数秒を失ってしまいました」
「とても接戦だから、こういったことが重なって起きてしまいました。明日はまた別の日だから、ロングランをするか、早めにピットインして他を引き離すか、作戦を練ってみますよ。雨が降ってくれるといいですけどね、まあ見てみましょう」
ルイス・ハミルトン/メルセデス
ポールポジション争いには多くのドライバーやチームが参加していたが、メルセデスは決して最前線の戦いに加わることができていたようには見えなかった。
この週末はアップグレードされたW14への希望と楽観に溢れており、確かにクルマが一歩前進した気配はあるものの、それはドライバーたちが望んでいたものではなかったことだろう。
ルクレールのペナルティの恩恵で5位となったハミルトンは、そのフェラーリの姉妹車を駆るカルロス・サインツと、アルピーヌという予想外のマシンの後ろからスタートすることになり、ジョージ・ラッセルもまたアルピーヌに前に出られることになってしまった。
大変なことが起きなければ、明日はメルセデスにとってタフなレースが待っていることだろうが――とはいえ彼らはできるだけ多くのデータを収集し、新しいアップグレードを理解するプロセスを早めたいと考えているはずである。
シャルル・ルクレール
シャルル・ルクレールは予選3番手タイムを記録したが、Q3でランド・ノリスに対し危険なブロックをしたため、彼のスタートポジションはすぐに疑問符がつくことになった。
このフェラーリのドライバーは、トンネルを抜けたあとによい間隔をあけるために大きく減速したことで、後ろから迫っていたノリスが、激しい衝突を避けるために急ブレーキを踏まなければならなかったのである。
ルクレールはレースエンジニアのシャビ・マルコス・パドロスからマクラーレンの接近を知らされていなかったようだが、それでも彼の判断ミスは大きい。ノリスは、狭くて暗いコースコンディションでは危険が伴うため、ドライバー間でトンネル内で減速しないよう取り決めがあることを明かした。
ルクレールは6番手となったが、母国でのレースはなかなかうまくいかないようだ。
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