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【福田萌子は、広辞苑に載っていた】

今回は、「バチェロレッテジャパン」最終回について書いていきます。
ネタバレ全開なので、ご注意ください。一部、乱暴な言葉もあるかと思いますので、予めご了承ください。





いやー、無事“じゃなく”終わりましたね。本当に。
あれだけ引っ張っておいて「黄皓・スギちゃん、どっちも選ばない」っていう。
酒飲みながら配信直後の深夜に視聴したのですが、その時は「このアマなめとんのか」と怒りを禁じなかったです(笑)。
ものを作る側としては「この人は自分に誠実である一方で、番組に不誠実だな」という思いでした。

番組最大のルール「参加者の中から、最後に一人だけ選ぶ」を破ってしまったことに対して、もちろん福田萌子さんだけを責めるつもりはありません。それこそ「私の人生は、私が決める」は、腹が立ちますが正論です。テレビ番組には、出演者へのケアはできても、一人の人生の責任なんて到底負えません。それに「真実の愛を目指す」という点では彼女はルールを守っています。心から結婚したいと思える男性と出会えなかったわけなので、それは彼女にとっては不満であり不本意なので、誰も選ばずに終わらせるという選択は究極的にはありです。

ネットの感想を見ると、幸い福田さんへのヘイトはありません。むしろ賞賛の方が多いようにも思います。おおむね「自分の気持ちに正直で、それを貫いてエライ!」という誠実褒めです。それを彼女の気高さと思って胸を打たれた人がいるなら、それはそれでいいのですが、僕は「番組に参加しといて、そんなわがまま認めねえぞ」という思いです(笑)

そもそも福田萌子さんは結婚願望が強いのに、実社会では結婚できていない女性なんです。彼女自身に魅力があれば、こんな番組出る必要もなく結婚できるわけなので。要するに、スタイルがよかろうが健康的だろうが実家が金持ちだろうが、言葉は悪いですが、“売れ残っている”わけです。

その状況を、人気コンテンツ「バチェラーの男女逆転版」というお立ち台に上がることで打開しようとした。それなのに、福田さんはバチェロレッテという仕組みを散々利用してきたくせに、最後は気に入らない結果となったので「やーめっぴ」した。

往生際が悪いなぁというのが正直なところです。参加者のサーファーが最後に言った「ずるい女」という批判は的を射ていると思います。「誰かを納得させるために、自分は決断していない」という反論も含めて、ずるいんです。
試しに「ずるい」という言葉を広辞苑で引いてみたら、「しなければならないことを巧みになまけたり、自分の利益を得たりするために、うまく立ち回る性質である」と出てきます。福田萌子そのものじゃねえかと思いました(笑)。
自分の都合で、ルールを守ったり破ったりするクセに、最後は「人の心は自由だ」という基本的人権に近い葵のご紋を出してくる。ずるいを通り越して、もはや卑怯です。

言わずもがななのですが、「最後に一人を選ぶ」というルールをなし崩しにしたら、元も子もないんです。“大人のゲーム”に参加したのならそのルールは守りましょうって話なんです(アフタートークで男性陣が怒っているのは、そこですよね。加えて「わざわざ参加してあげたのに」「俺は自分のためではなく番組のために振る舞ってたのに」っていうオーラが出ちゃっている)

設けられた制限の中で選択をしなければいけないから緊張感が生まれるし、見てて面白いわけです。

そもそも、無理にどっちも選ばなくてもいいってなったら、そりゃ今回のような結果になるよって話なんです。
〇黄皓 ・・・実業家のイケメンだけど、萌子のことが好きじゃない
〇スギちゃん・・・萌子のことを愛している優しい芸術家だけど、男性としての魅力に欠ける

回を追って見てた人なら、誰もが気付いている構図なんです。100点満点ではなく、それぞれに弱点がある。
それを折り込んだ上で「さぁどっちを選ぶのか!?」っていう目線で見ているんです。

それなのに、既に分かりきっているそれぞれのウィークポイントを挙げへつらって、どちらにもローズを渡さないという結末は、「それをやっちゃぁ おしまいだ」なわけです。

とはいえ、黄皓がローズもらえないのは仕方がないと思います。
彼の欠点「福田萌子を愛せていない」は、周りの男性陣から指摘されていましたし、終盤バチェロレッテ本人からも言われています。それを解消・克服できなかったんですね。

最終回の食事会で、自分への愛を伝えてこない黄皓に、萌子は半ギレで詰め寄ります。リスクヘッジだとかなんとか言ってましたが、要は「愛していると言ってくれ」です(あの名作の名を出すのは失礼ですが)。
まぁ、自分を好いてくれる人が集まるのが前提の企画なのに、好きって言ってくれない男がいたらムカつく気持ちは分かります。そこは萌子さんに同情します。

肝心の黄皓は、歯切れ悪くて結局「好きだ」と発せられなかった。あの涙は、気持ちが高ぶったんじゃなくて「ごめんね、君を愛せなくて」という涙です。実はいいヤツです。

それなのに、萌子が「今までで一番カッコ良かった!」とハグしたので、「ええっ!馬鹿なの?黄皓なら何でもありなの??」と思いましたが、そうではなくて安心しました。
だから、黄皓がローズをもらえないのは当然の結果なんです。


だけど、スギちゃんは違います。
萌子さんから改善点を要求されていません。このまま行ったらアリなんです。黄皓が逆転しなかったら、暫定ではなく最終1位なので選ばれないとおかしいんです。
それなのに、実質的に「生理的に無理」だと言われて断られているわけです。いまさらそんな重要なことを言ってくる??という残酷な結末。仲良くなった結果、生理的に無理と散々フラれてきたワタクシにとっては耐えられない結果です(笑)。
「スギちゃんを当て馬に残して、黄皓を発奮させようと思ったけど、結局私のことを好きになってくれなかったので、今回はなし!!」って・・・バチェロレッテというバトルロイヤルではやってはいけない蛮行でしょう。
やっぱりスギちゃんとはキスできねえ!すまねえ!って涙を浮かべるならば、せめて「スギちゃんのことを好きになろうとしたけど、やっぱりダメだった。私は黄皓のことを好きになってしまったので、彼を選びます」ってやってくれないと、後味悪くても番組としてダメです(この「後味悪い」という言葉を覚えておいてください)。

けど結局、自分にウソはつけない萌子さんは、どちらも選ばなかった。どっちを選んでも番組後に結婚できないと思ったので、延命治療(=とりあえず最後に一人選んでおく)すらしなかった。黄皓を選んで「自分が振られる」、スギちゃんを選んで「自分が振る」という先行きが彼女には見えているので、リアリティショーに殉じることをしない。それを「誠実」と見なす人はいるのも分かります。

けど僕は、番組が一生懸命用意したステージを存分に利用したのに最後は不義理するなんて、やっぱり自分勝手な人だなぁと思います。

さて、ここまでは、なんとなくモヤモヤした感情を言葉にして整理してきました。前半はここまで。
後半は制作者目線でひと分析したいと思います。
ズバリ「バチェロレッテのスタッフは、なぜ福田萌子の最後の決断をOKしたのか?」についてです。
明日お楽しみに!!

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