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住宅の気密測定方法(手順)

今回は気密測定の方法を順を追ってご説明します。
気密測定器で測定する場合、自動測定というモードがありますので、基本的には測定開始したら自動で測定を開始し結果を表示します。

ただ、これでは測定の手順がわかりませんので、ここでは手動測定モードの説明をします。
手動と言っても測定自体は難しくなくセミオートという感じで、人がやるのは測定点(圧力差の位置)を決めることです。

前に気密測定方法について書いていますので、今回はもう少し具体的に書きます。

気密測定器の電源を入れる

気密測定器の電源は測定を開始する10分くらい前に入れてください。
電源投入後10分程度はセンサが安定しません。

風速の確認

の影響があると圧力差、通気量の測定値のばらつきの原因になります。
測定時に風速が3m/s以下であるか確認します。
風速計がない場合は、室内外の圧力差が3Pa以下であることを確認します。
圧力差は気密測定器を使用して確認できます。

室温の確認

室温は5~35℃の範囲内かを確認します。

測定開始

圧力差と通気量をゼロリセットします。

送風機を操作する

測定する圧力差を決めて、その圧力差になるまで送風機を回します。
通常は圧力差が20~50Pa間の5点を測定します。
(5点以上測定しても問題ありません)
風がある場合、高気密住宅の場合、通気量が100m3/h未満になる場合は、圧力差を上げて測定します。
たとえば、圧力差を30~70Pa、または40~80Pa、または50~90Pa間の5点を測定します。
どの範囲を測定するかは環境によって変わります。
通気量が100m3/hを超えない点がある場合は、圧力差を高くして測定します。

圧力差、通気量、外気・室内温度を記録する

決めた圧力差まで送風機を操作したら、その時点の圧力差通気量外気・室内温度を測定器に記録します。
たとえば、圧力差20~50Pa間の5点を測る場合は、まず圧力差が20Paになるように送風機を操作します。
20Pa付近になったら気密測定器に記録します。
なお、このとき20Paちょうどにする必要はありません。
だいたい20Pa付近であれば大丈夫です。

5点以上測定する

圧力差の測定点を変えながら測定し、これを5回以上繰り返します。
一般的には5点で測定することが多いですが、環境によっては5点以上測定することもあります。

測定終了

5点以上測定したら測定を終了します。
本来であれば、圧力差、通気量、温度などから複雑な計算をして総相当隙間面積(αA)を計算します。
気密測定器を使用している場合は、この計算は自動で行います。
後はαAを延べ床面積で割れば、相当隙間面積(C値)が求まります。
(気密測定器によっては延べ床面積を入力すればC値を計算します)

これで1回の気密測定は終了です。
できれば気密測定は3回行い平均を求めます。

気密測定結果の見方については以前書いていますので以下をご参照ください。


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