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二酸化炭素(CO2)濃度測定の注意点

最近換気に関心が集まっている関係か、二酸化炭素(CO2)濃度計が注目されているようです。

測定方法

通常は設置して電源をオンするだけでCO2濃度を測定します。
測定する場合は人や開放型暖房器など、CO2が発生する場所から離して設置します。
また、外気の影響を少なくするため、窓や換気口などからも離して設置します。

CO2濃度は1000ppm以下に

CO2濃度は換気の指針になります。
基本的には換気量が適切であれば、CO2濃度は1000ppm以内になると言われています。
そのため、CO2濃度が1000ppmを越えた場合は、窓を開けるなど換気量を増やします。

一般的に一人当たりの必要換気量は30m3/hです。

この必要換気量が維持されていれば、CO2濃度は1000ppm以内に保たれるという前提でCO2濃度を指標にしています。
なお、実際の必要換気量は有害物質の発生量によります。
たとえば、たばこを吸っていたり、開放型暖房器を使用していたりする場合は、有害物質の濃度が高くなるため、もっと換気量が必要になります。

CO2センサ

CO2濃度計は一般的には赤外線のCO2センサ(NDIR)を使用します。
(安価なものはNDIRでないものもあるようです)

CO2センサは長く使用していると測定値がだんだんずれてきます。
そのため、定期的に校正をしなければなりません。
校正とはセンサの測定値を正しい値に調整することです。
校正する場合は本来複数濃度の基準ガス(濃度が保証されているガス)を使用しますが、これは基準ガスが必要になるため研究用の高価なCO2濃度計にしか行われません。

自動校正

CO2濃度計には自動の校正機能が付いているものがあります。
自動で校正する場合は、一定期間の濃度を測定して、その中で最低の濃度を外気の濃度として、たとえば450ppmという値にしてしまいます。
(ここでの450ppmというのは仮の値です)

ただ、CO2濃度は外でも流動的に動くので、最低の濃度が450ppmという保証はありません。
そのため、自動の校正機能で却って測定値がずれてしまう可能性もあります。
特に測定器を室内に置きっぱなしにしている場合は、最低の濃度が450ppmになるとはかぎりませんので、自動校正する場合は外に置くなどの工夫が必要です。

測定値のずれに注意

CO2センサは使用していると測定値のずれが大きくなることがありますので、定期的な校正は必須です。
正しい校正が行われない(または校正しない)と表示しているCO2濃度の誤差が大きくなります。
CO2濃度計を使用する場合は、上記についてご理解の上使用することをお勧めします。

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