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住宅によって気密性能に差がありすぎる

住宅のすき間の大きさはC値(相当隙間面積)で表します。
C値が小さいほどすき間が小さいことを表しています。

最近は気密性能が非常に高い住宅が増えてきており、C値が0.3を切る住宅も珍しくなくなってきています。
最近の窓は昔に比べて気密性能が高くなりましたので、特に高気密化をしなくても昔よりはC値は小さくなっています。
ただ、一定以上の性能にするためには正しい気密施工が必要です。

高気密化されていない住宅の気密測定はあまり行われていませんので、実際C値がどれくらいなのかははっきりわかりません。
かなり前の調査では高気密化していない住宅のC値は2~10くらいでけっこうな幅があり、平均で5くらいだったようです。

仮に現在の高気密化していない住宅のC値を3と仮定します。
住宅の延床面積が100m2だとしますと、C値が3の場合は住宅全体のすき間(αA(総相当隙間面積))は300cm2です。
つまり住宅全体で300cm2程度のすき間があるということです。
(実際に大きな穴があいているわけではなく、住宅全体にすき間が分布していて合計すると300cm2に相当するすき間になるということです)

C値が0.3の場合はαAは30cm2です。
これは高気密化されていない住宅の10分の1の大きさです。
このように住宅によってすき間面積に大きな差があり、このすき間が漏気による熱損失や壁内結露、風や内外温度差による換気量(漏気)の変化などに影響を与えます。

どのくらいのC値が必要かは何を基準にするかによりますが、無駄な熱損失を少なくし、風などの影響が少ない安定した換気量を維持したいのであればC値0.7以下、熱交換型換気システムを使用するのであれば0.3以下が目安になります。

住宅のすき間の大きさは見た目ではわからず気密測定してみないとわかりません。
従来は目に見えない性能をアピールするのは難しかったのですが、最近は施主の方もいろいろ勉強されていて、気密性能に興味を持つ方が増えてきているようです。
それに伴って、気密測定器を購入し測定する工務店も増えてきています。

気密測定器で測定するようになると、結果が数値で明確に出ますので、その工務店のC値はだんだん小さくなっていきます。
つまり気密性能が高くなっていくということです
単に気密施工するだけでは一定以上の性能にはなりませんので、測定して確認し修正していくことでより高性能な住宅になります。


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