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肉体の限界に挑むのを見る面白さ(コリン・カリー・グループ ライヒ《18人の音楽家のための音楽》を観て)

コリン・カリー・グループ ライヒ《18人の音楽家のための音楽》(オペラシティホール)を観に行った。
ダブル・セクステット(2007)
トラベラーズ・プレイヤー(2020)
18人の音楽家のための音楽(1974〜76)
の三曲の演奏を行うものであった。
当日来ると疲れもあって、「なんで買っちまったかなー」と思ってしまったのであるが、いざ行ってみると、すごいものを見られたなと。
特に一定のリズムを刻み続ける、ピアノ、シロフォン(マリンバだっけか?)のプレイヤーの一見地味だが、超絶技巧を体験できたのはいい経験であったなーと。
18人の音楽家のための音楽は、60分くらいの演奏であったが、10以上の細かいセクションに分かれている事もあって、交響曲聞くときみたいに途中でだれることもあまりなく聞けた。
シンプルな音のコンビネーションなんだけども、ものすごいうねりが生まれるセクションもあって、組み合わせの妙、凄みも感じられた面白い公演であった。
ライヒのというか、ミニマル・ミュージックを人間がやる意味が何となくわかったような気になったかなーとも。

ただ単に正確に演奏(楽譜を再現する)というなら、PCでMIDIデータ作って演奏させればいいのではあるが、揺らぎのある人間が単調なビートをひたすら繰り替えるところが、スポーツのように肉体の限界に挑んでいくようなものに感じられたなと。

正確性とかを競うのであれば、機械の方が当然人間よりも上なわけであるが、人間が作り出す揺らぎとか不規則性のような部分を体験したくて、音楽のライブであったり、スポーツを見ているのかなーとも感じられたわけで。
クイズ大会なんかもその部分はあるっちゃあるか。まあ、単純に知識を争うようなだけなら、機械にやらせりゃいいのにとは思うのではあるが。
こういう嗜好性や個性が出てくる部分なんかは、機械なり、AIに完全に置き換わるということはしばらくはないのかもなーとも。選択肢の幅が莫大に増える可能性はあるけども。

今日の駄文はここまで。
スポーツクライミングみたいな複合的なクイズ番組が増えてくれば面白いと思うけどなー。

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