著作権の基礎を知って、NFTの理解を深めよう!
こんにちは。事業計画研究所です。
本日も「NFTの教科書」天羽健介/増田雅史(朝日新聞出版)の所感をレポートしていきます。
前回は、「NFTやその保有・移転の法的性質」というテーマについて話してきました。
今回は、「NFTに関連する著作権について」というテーマで話していこうと思います。
著作権法
NFTの法的価値について考える際に、絶対に避けては通れないのが著作権法です。
まず、著作権法は、著作権の対象となる作品などを「著作物」と定めています。
そこでは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義するとともに、「小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物」、「絵画、版画、彫刻その他の美宇津野著作物」、「(コンピュータ)プログラムの著作物」など、9つの典型例を挙げています。
ここで、プログラムも著作権の例として挙げられていることから、有形物でなくとも著作物とみなされることが分かります。
すなわち、思想又は感情を創作的に表現したものであれば、デジタルアートも著作物であるということです。
著作権
ある作品が著作物に該当する場合、その創作者には、著作権と著作者人格権が発生します。
著作権は著作物の利用に関する財産的な権利を指し、一般的に支分権と呼ばれるさまざまな権利で構成されています。
著作権は、第三者に譲渡することが可能なため、創作者に限らず著作権を保有しているものを「著作権者」と表現します。
著作権法においては、著作権の譲渡方法を特定の方式に限定していないため、口頭での合意による譲渡も可能とされています。
著作権の侵害
著作権の侵害とは、著作権者の許諾を得ないまま、こうした著作権の内容として禁止される行為を行う場合に発生します。
著作権侵害があった場合には、著作権者は侵害者に対して、その侵害行為を止めるように求めたり(差止請求権)、著作権者が被った被害を賠償するように求めたり(損害賠償請求権)することができます。
著作権侵害は一定の場合には刑事罰の対象にもなります。
ライセンス
それでは、著作物は著作権者以外はどのように使うことができるのでしょうか?
著作権者が利用方法と利用条件を定めたうえで、利用を許諾することを、「ライセンス」と呼びます。
このライセンスについても、著作権の譲渡と同様に、許諾方法を特定の方式とは定めていません。
よって、利用規約・契約による方法に限らず、口頭での利用許諾も認められます。
例えば、商業的利用以外での複製を認めつつ、それ以外の利用は禁止するなどの制限の設定が可能です。
これに関連して、著作権者が不特定多数に一定の条件の下で自らの著作物を利用してもらいたいと考える場合に、その利用許諾を一方的に公表することがあります。
その場合の条件設定を簡易に行うための仕組みは「パブリック・ライセンス」と呼ばれることがあります。
その代表例であるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスは著作物を公開する際に、複数の記号やマークを組み合わせて表示することで、利用条件を簡易に示すことができます。
例えば、「表示・改変禁止」(BY-ND)のマークをつけて著作物を公開すると、第三者は著作権者との直接の契約関係にがなくとも、作品名や作者名といった作品情報を表示さえすれば、その著作物を自由に複製したり、収益化したりすることができるというわけです。
まとめ
いかがでしたか?
今回はNFTから少し離れた著作権の話でした。
NFTやメタバースを語るうえで、どうしても避けずにはいられない著作権についてですが、やはり法律は堅苦しく複雑だと感じてしまいます。
次回は、今回学んだ著作権の基礎をもとに、アートNFTの法的価値について話していきます。
次回作をお待ちください!
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