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【要約・書評】読書脳・樺沢紫苑



要約

本書は、ChatGPTを使いこなすために必要な読解力と文章力を、読書を通して向上させる方法を解説しています。

読書は他人の経験をお金で買うようなものであり、時間とコストの節約になる。読書の効果を最大化するためには、アウトプットを前提とした読書、目的意識を持った読書が重要である。具体的には、重要箇所をピックアップしてSNSで発信したり、全体像を把握してから読みたい箇所を読むなどの方法が紹介されている。また、良書を選ぶための基準や、電子書籍の活用法、本の買い方についても触れられている。

【主題】この本が投げかける問いと主張

【要点】忘れない読書のコツ

【基準】本を覚えていると言っても良いのは「他人に説明できたら」

  • 「この本を読んだ」と言える基準は本の内容を他人に説明できること

    • 内容を覚えてなければ、読んでいても意味がない。

    • 自分の血肉になっていません。

    • そのためそれは本を読んだとは言えない。

  • 本を読んだらアウトプットまでして、その課程で、知識を自分の血肉にまで昇華させましょう。

【メリット】読書はなぜ必要なのか?

  • 読書は他人の試行錯誤した経験をお金で買っているのです。

  • 本には著者が何十、何百時間もかけた試行錯誤がまとめられています。

  • 自力で試行錯誤するよりも、最初に基本の内容だけでも本で読むことで時間を節約できるのです。

  • 知っているか知らないかでその後の作業が何十時間も差がつくこともある。

※試行錯誤が必要ないということではなく最初からレベルの高い試行錯誤ができるということ。

【方法論】読書効果を高める方法

  • 読書の目的を明確にする

    • 全体像を把握し、速読か精読かを決める

    • 目的に応じて読み方を調整する

  • 最初から全部読もうとしない

    • 目次から読みたい箇所へジャンプする

    • 全体を俯瞰してから、重要な箇所を読み込む

    • 全体の論旨もある程度把握できているので読み進めるのも早くなる。

    • どこか目的地に行きたい時に地図でおおまかな場所を把握すると同じ。

本は学びや気づきを得る為に読むもの。
だから、その目的に最適な読み方をすればいい。

  • 良書を選ぶ

    • 初心者向けの本から始める

    • 信頼できる書評を参考にする

    • 知識を深めるのか広げるのか、目的を意識する

ビジネス書1500円が高いと言う人は
つまりビジネス書1冊から1500円以上の価値得られていないということです。
1冊の本からたくさんの気づきがあれば1500円の価値を得られるはず。

読解力が仮に低い人でも「これは買ってよかった」というホームラン級の本に出会うことがあります。
読者の読解力の能力が仮に低い状態であったとしても、本の内容さえ良ければ価値を感じることができるのです。
つまり、本に1500円の価値を感じられるかどうかというのは「本の選び方」が大きなポイントになってきます。

どんなに良い打者でも全打席でヒットを打つことはできません。
ヒットを量産するには、まず打席に立つ回数を増やす必要があるのです。

本に関しても同じで、月に30冊読んで、その中に1冊「この本は良いだ」と思えるものに出会えたらラッキーです。
そのため、良い本に出会うためには多少多読をしなければならないが、選書がうまくなればホームラン本に合う確率が高くなる。

【購入方法】複利の効果で富をもたらす本の買い方

  • ユダヤ人の教えにこんな言葉がある

    • 「財産をすべて奪われても知識だけは奪えない」というものがある

    • ユダヤ人はお金より知識を重視していて、こどもの教育に熱心。

    • 結果的に知識があることで富をもたらすので、世界中で成功している人が多い。

    • 知識は最高の貯蓄である。

  • だからお金にあまり糸目をつけない方が良い。

  • 知的な自己投資はケチるところではない。

読書は10年複利の定期預金のようなもので、後から大きな利子が付いて返ってくるもの。
あなたがそれなりの本しか読まないとするのであれば、あなたの将来の自己成長もそれなりのものにしかなり得ない。

書評



本書は、2015年4月に小社より刊行された読んだら忘れない読書術を加筆・再編集した本です。

ChatGPT時代において、読解力と文章力でプロンプトの記述に差が出ます。
それを鍛えるために読書の重要性を説き、そのための具体的な方法論を提示しています。

この本の想定読者としては、読書慣れしてない人などはおすすめしたいですね。
忘れないための読書術の本なのですが、王道を行く「本との付き合い方」の本と捉えて読むと良さそうです。肩肘張らずに気軽に読める内容だと感じました。

主題とはそれるのかもしれませんが実際、「なぜ読書は必要なのか?」という部分に関しては著者の言葉には説得力があり、「たしかに!」となりました。
読書が大事であることは誰もが聞いたことがありつつも
「なぜ必要なのか?」という突っ込んだところまでは理解が曖昧だったことに気付かされます。
多くの読者にとっても有益な示唆になるのではないでしょうか。



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