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【Act.7】志望企業の決め方の注意と四季報企業研究の方法

個人的な意見としては、多くの就活生は志望企業の決め方を間違えていると思ってる。

就職人気ランキングや就職偏差値で決めるのは論外中の論外として、
何となく気になった業界の説明会を聞き、
なぜかドンドンその業界に興味を惹かれ、
最終的にその業界ばかり受けるという、ある意味で「ご縁」「運命」で選んでいる就活生が多いかと思う。

もちろん、やりたいことがすでに決まっている人はその業界をピンポイントで攻めれば良いと思うけどさ、、、
多くの就活生、特に俺の就活論に共感されるような人たちについては、志望企業、志望業界の決め方すらも既存の常識に囚われない方が良いと思ってる。

その理由や、「じゃあどうしたら良いのか」ということについて深堀りしていくよ!
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人気ランキングで決める愚者

就職人気ランキングを見ると、JTBのような観光業界であったり、
〇〇銀行といった金融業界だったり、
総合商社であったり、
誰しもが知っているような大手企業が載っているからか、その辺の企業を思考停止で受験する就活生は多い。

しかしながら、
就活人気ランキングって広告料を払えば上位に載せてくれることもあり、
そもそもあれのインタビューされている人を俺は1人も見たことないし、知り合いたちも1人も見たことが無いと言っている。

要するに、あれは広告・出版業界がページビューを獲得するために作っているだけであり、あれに躍らせる人たちはあまりにも自分の考えが無さすぎるんだよ。

これから40年の社会人生活を送るのに、ファーストキャリアをそんなランキングに乗せられて決めてしまうのはもったいなさ過ぎて、ワンガリ・マータイさんも「Mottainai !!」って言って真っ青だ。

就職偏差値に至ってはプライドの高いネット民が勝手にランク付けしたもので、あれも結局「今現在の評判」でしかない。


最初か2番目に説明会に行った業界に決めがち

多くの学生は、最初にか2番目に説明会に行った業界に決めがちだ。
ちょっと詳しくなったこともあって、企業研究や業界研究が捗るようになり、その業界に目線が固定されていく。

そもそも強いこだわりの無かった学生たちは、

「うん、まあ別にこの業界で良いかも」

と納得する理由を自ら探し始め、
他の業界に志望チェンジすることはなかなか無い。

俺からしたら、何故こだわりが無いけど大手に行きたい!って言ってた学生が、わざわざ夜勤がある鉄道系のゼネコンに行きたがるのか理解不能だ。

これの酷いケースは、就活エージェントにオススメされた企業(十中八九ブラック)でいいやと適当に決める人が一定数いるということ。

さすがにそこまでのことは無いにしても、最初か2番目に説明会に行った業界に囚われがちなのは俺が過去に支援していた学生たちにも見られた傾向だ。

本人たちがそれで良い、納得してるから否定はしないけど、
そもそも俺の就活論やnote内の各記事に共感して支援を依頼してくるのであれば、もう少し別の決め方があったでしょって思うけどね!

将来性のありそうな優良企業という決め方

これの本質を分かっていない状態で優良企業探しをする人がいる。
こういう志望企業探しの方法は面白いし、筋の良い考え方だとは思うけど、

「無知なあなたが将来性なんて分かると思いますか?」

って話なんだよね。
というか、

「NIDさんにオススメされた企業に将来性あると思いますか?」

って話でもある。そう思える人はピュアすぎるね。
さらには、こういうことも考えてみよう。

「ソフトバンクの孫正義会長がオススメする企業に将来性があると思いますか?」

ここに本質が隠れている。
ソフトバンクって売上高6兆円の超巨大企業で、創業者はもちろん孫正義会長。

そんなすごい人がオススメする企業だったら将来性があるので入りたいって思う人は少なからずいると思うけど、

つい最近は、孫正義氏個人では3,000億円の損失出してるからね?笑
普通に投資に失敗してるんだけど、ってお話。


ということはさ、
将来性というのは「たぶんある」とか「理屈で考えればあるかな」くらいのものであって、
確実に分かる人はこの世に1人もいないんだよね。

ということは、就活において短期目線を捨てて「将来性がありそうな会社」という長期目線で探したとしても、

企業選びは「投資」ということになり、
あなたのキャリア、人生をBETするということになる。

まあ就職人気ランキングで決めたとしても結局「エイヤ!」で決めるから同じようなもんかもだけど、大事なのは「あとで後悔しないよう調べられるだけ調べて、やることやってから最後に”エイヤ!!”」ということではないかな??

まずは世界経済を俯瞰してみる

せっかくこの記事を読んでいただいているのであれば、まずは「ミクロ」からではなく、「マクロ」から勉強しないか??

業界を点で捉え、思いつく業界を調べることを繰り返すのでは森の中の木を1本1本見ていることと同じだ。

そうではなく、まずは今の世界経済がどうなっているかをざっくり把握し、そこから具体化していく順番で調べよう。
マクロを捉えてからミクロにフォーカスしていくということだね。

就活生の常識はこの逆で、とにかく脈絡もなく「点」で捉えがちだ。
それではいくら未来のことは読めないにしても、将来性があるかどうか仮説を立てることすら難しい。

ポンプメーカーのお客さんが半導体製造装置メーカーで、そのお客さんが半導体チップメーカーで、そのお客さんがスマホメーカーで、そのお客さんが我々消費者という商売の繋がり、バリューチェーンを意識できるようになれば、何も知らないときよりかは将来性を読める確率が上がるとは思わない???

東京エレクトロンが日系企業で最も高いボーナスを出している会社ということはちょっと調べれば分かるけど、

10年前はスマホが普及している途中だった時期。半導体が今後の世の中で必要ということをきちんと想像していれば、ボーナス重視の人は10年前に、今の会社ではなく、東京エレクトロンを受験できていたんじゃないかな???

というわけで何が言いたいのかというと、まずは世界経済全体をざっくりで良いので俯瞰してみませんか?ということだ。


四季報の実践的な読み方

さてここで学生の皆さんに質問だけど、
就職四季報、きちんと読み込んでる???

実は四季報には数字以上のことが書いてあるんだよね。

色々な仮説も立てられるから、
企業研究と思考訓練の両方に役立つよ!

まずは「倍率」だね。
就職四季報の「倍率」ついて。

ここから読み取れることを書いていく。

まあ、ちょっと頭を使える人であれば、
「そんなの当たり前だよ」と言った内容だ。

四季報の倍率の欄を見ていると

「NA」

という記載になっている企業を目にするよね??

NA。つまりはノーアンサー。
他の項目は回答しているのにNAってどういうことだと思う???
そもそもこのデータを回答している人は誰??

そう、普通はその企業の人事だよね。

では人事はなぜノーアンサーにしたのかな???

ここまで来れば殆どの人が気付いたと思うけど、就活生の応募が、

①増えて欲しくないから
②減って欲しくないから

どちらかじゃない???

ということは倍率が「NA」になっている企業は、

①引くほど倍率が高い
②引くほど倍率が低い

このどちらかだよ!!
従って、「NA」の大手企業は倍率が高いと判断すべきなんだ。

具体的には100倍以上。
下手したら1000倍前後。

「うちの大学レベルじゃ金融行くか中小行くかが大半だけど、私はどこでもいいからホワイトな大手に滑り込みたい!!!」

こんな人は、倍率が低い企業をバンバン受けよう。
30倍以下は結構狙い目になる。

もちろん30倍だとしても、

「自分は30人に1人の逸材か?」

と考えたらやっぱり激戦だし、
大学受験よりも遥かに高い倍率だ。

だから、たとえ30倍だろうと簡単に受かるというわけではない。

ただ一つ言えるのは、
NAの企業に比べたら遥かに可能性があるということ。

出来れば複数年の就職四季報を用意し、
各企業の倍率を調べながら、受ける企業を決めると良いよ。


3年後離職率について

ホワイトな大手を探すならここは絶対にチェックしなければならない項目だと思う。

そもそも「ホワイトな大手」の「ホワイト」の定義は人それぞれだ。
俺の場合は、ホワイトの定義の1つに、

「3年後離職率が1桁パーセント」

ということを考えていたね。
もちろん、これは面接では答えられない本音の部分。

この観点から就職四季報を見ていくと、

「NA」

やっぱり出てくるんだよね。

NAの理由、
その企業にとって不都合なことである可能性が高い。

つまり、めちゃくちゃ辞める
ということだと想像出来るんだ。

その根拠に、よく辞めると言われている金融業界。

ここを見ると、確かに3年後離職率の欄が「NA」だらけ。

従って、この仮説は概ね正しいことが分かる。

金融なんかは、特に今は辞めまくりだよ?
有名大のサッカー部出身で銀行や証券行った人で10年以内に半分以上が辞めたという噂も聞いたことがある。

体育会系でそれって、、、

そんなわけでさ、

しばらくホワイトな大手の傘に隠れて能力開発と副業に励みたい人、
仕事とプライベートの両立をされたい人は、
3年後離職率の欄はチェックしておきたい項目だよ!!!

また、ここの数字から色々な仮説が浮かび上がる。

例えば、BtoCメーカーで人気の食品、飲料業界。
就職四季報を見るとなぜか○藤園の離職率が高いことに気が付く。

んー、なんでだろう???

お〜いお茶という有名な製品を持っていながら何故こんなにも離職率が高いのだろう???

その答えは、

「直販」

これはあるだろうね!

直販、つまり代理店に売ってもらわず、
自分たちだけで販売するスタイル。

このスタイルは営業の本質で能力は上がりやすいんだけど、結構ハードワークになりやすい。
少ないメーカーの営業マンが、全国のスーパーやコンビニ、百貨店などに日々販売しなければならない。

これってかなり大変なことだ。

直販は代理店のマージンを払わなくて良い一方、
倒産による現金回収のリスクもあり、
担当の営業マンは休む暇なく、細かくお客さんを回り続ける必要があるよ!


直販で有名なのはメーカーだとキー○ンスだけど、
キー○ンスの営業もかなりのハードワークであることから、伊〇園の営業もハードワークなのだと想像できるかな。

もちろん営業としてのスキルは他のメーカーよりも遥かに身に付くけど、やっぱり辞める人も多い。

こういったことが、3年後離職率の数字にも反映されているのだと思う。

採用実績について

左下の採用実績の欄について書いていく。

就職四季報を購入して読み込んでる人なら誰しもが目にしているとは思うけど、意外と活用されてない印象だ。

やっぱり、こういうちょっとした何気ない部分でもさ、
アンテナの高い学生と、そうでない学生とで、
レベルの差が広がっていくのだろうと思うよ。

面倒くさいことをやるかやらないかで大きな差が出る。

さてさて、

まずは採用実績大のところ。
ここは、学歴フィルターかどうかが分かる。

読み方は簡単で、
早慶上+国立上位(一橋、東工大、旧帝大)
これしか採用していない場合は、
学歴フィルターを掛ける可能性が大いにあるってこと!

ここにマイナー大学が入っていた場合は、

①学歴フィルターが無い
②その学生が特別であった

この2パターン。

基本的には、
採用実績で自分の大学と同ランクの大学が入っていなければ、
書類で足切られる可能性がある。

学歴で不利取ってる人は、
念入りにチェックすべき項目だと思うよ!

偶然というのを避ける為に、
やはり最低でも1年前の四季報も入手しておくべき!!!


配属について

これは人によって気にする気にしないがハッキリ分かれるところ。

「最低限、ホワイトな大手ならどこでも!」

というのがFラン学生やノンゼミノンサーのスペックで不利を取っている学生が考えるところであり、

むしろ滑り込みたいなら、
配属部署や配属先が敬遠されるだろうな、という企業は積極的に狙っていきたい。

ゼッタイ都内がいい!!

という贅沢は、複数内定を取ってから考えよう。

都市部勤務の大手>僻地勤務の大手>都市部勤務の中小ベンチャー

俺ならこの順番でオススメするかな。
まあ人にも寄るけどね!

内定を取りたいなら大衆が敬遠するところにこそ、
チャンスがあったりする。

まずは、
配属先が田舎が多く、
みんなが嫌がりそうなところ。

どうしても大手企業に滑り込みたい人は、
そういうところを受けるべきだよ!

もちろん、東京か大阪配属が良いのは分かる(笑)

但し、目標の立て方はこうした方が成果に繋がりやすい。

①最低限の目標
②出来たら良いなという目標
③理想の目標

ポイントは、①の最低限許せる目標を作っておくこと。

③の理想だけだと、身動きが取れなくなるのが人間だから、
必ず、妥協だけど許せるという目標も同時に掲げておこう。

おわりに

世の中を全く理解していない学生ほど、まずは就職四季報を熟読すべき。

ここで興味が湧き、もう少し知りたいという知識欲が沸いた方人は、業界地図を見て、そのあとに企業のホームページからIR情報や決算説明会資料を読み込むと良い。

但し、就職活動においては、企業単体をいくら詳しく調べても駄目で、業界を理解しつつ、その企業が業界でどのような位置にいるのかを理解する必要がある。

つまり、「比較してみる」ということが大事であり、
これに役立つのはやはり就職四季報だ。

暇さえあれば就職四季報を読み込むクセを付けよう。

きっと就活が終わった後の人生にも役に立つはずだよ!!!

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