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モンスターハンター:ワールドが過大評価な理由

モンスターハンター:ワールド(以下ワールド)を遊んだことはありますか?
私は2018年の発売当初から最終アップデートまで遊んでいました。
その後、サンブレイクの最終アップデートが終わった2023年6月に再びワールドへ復帰しました。
ワイルズの発売を控えている今、モンスターハンター:ワールドがなぜ過大評価なのか、発売当時とその後に再びプレイした上で解説したいと思います。
もちろん、追加コンテンツのアイスボーンも含んだ評となります。
※基本的にMODの利用はしていません。


ワールドの不満点

1.傷つけシステム

アイスボーンからスリンガーよりクローを射出して、大型モンスターにしがみつくことが可能です。そこから傷つけを行ったり、武器種によってはそのまま攻撃に転じることができます。
傷つけを行えばモンスターの肉質を軟化させられます。「弱点特攻」などのスキルはパーセンテージにボーナスがかかります。

これの何が問題かと言うとアイスボーンの最終アップデートまで、武器種によって1回で傷つけが完了する武器と、2回行わないと傷つけが完了しない武器が存在していました。
当然1回で傷つけが完了する方が利便性が高いので、アイスボーンは当初、新要素によって武器間で格差が存在していました。
そもそも、ゲームデザイン的に1回組と2回組で分ける合理性が存在しません。さらに「傷つけシステム」は行うと狩りが有利に運ぶものではなく、行わないと話にならない必須のシステムでした。
そういう必須性があるシステムで何の合理性もなく、格差が存在していたことは当時かなり疑問を感じていました。
ver15.01の最終アップデートにて、「クラッチ攻撃強化」というスキルが登場して格差は是正されましたが、新スキルによって雑に解決するならそもそも格差を生じさせなければよかったのです。

さらに、さきほど申し上げた通り「傷つけシステム」は行わないと話にならないため、従来のモンスターハンターには存在しなかった、モンスターと遭遇してから傷つけを行うという定型的な流れを強要されるようになりました。モンスターハンターはRPGのように強い技やコマンドを擦るのではなく、モンスターの動きに対してプレイヤーが自由に戦闘を組み立てていくアクション性が魅力だと考えています。
傷つけはその自由度を狭め、狩りを単調にする非常につまらないシステムでした。

2.装衣システム

防具の上から外套をまとって限られた時間、外套の種類に応じてフィールド上で効果を得られる特殊アイテムです。
装衣をまとうと、頭巾を被ったような見た目になり非常にカッコ悪い点です。せっかくXXの「防具合成システム」を洗練させた「重ね着システム」を実装したのに、狩りをしているほとんどの時間、頭巾を被ったカッコ悪いハンターが画面に映ります。
装衣の効果時間が切れても自動的に脱いでくれたりはしないので、見た目が気になるなら明示的に自分で脱がないといけないのもマイナスポイントです。
せめて、自動で脱いでくれるならと考えましたが、戦闘中に脱ぐモーションをやられてもと思うのでまとうという発想が失敗です。正直に言って過去作のキメラ装備より酷いです。

3.ギミックモンスターが多すぎる

ワールドの時にFFコラボでモンスターとして「ベヒーモス」が追加されました。ベヒーモス戦の際にはMMOのように、ターゲットを取ってもらうタンクのようなロール性を擬似的にモンハンで再現していました。
タンク役が敵視を取ると攻撃タイミングが増えたり、コメットにベヒーモスの攻撃が当たらないように誘導したりと、中々凝ったコラボクエストとなっていました。
コラボ自体は新体験ができて楽しかったのですが、その後のアイスボーンで「ムフェトジーヴァ」や「ミラボレアス」といったモンスターが実装された際に、ベヒーモスのエクリプスメテオと似たような岩の影に隠れて即死攻撃をやり過ごすというギミックが連発されました。

前述したように、モンスターハンターは自由にシームレスに戦闘を組み立てられるアクション性がウケていたと思います。
こういう「〇〇をしないと即死」のようなギミックはモンスターハンターと非常に食い合わせが悪いと思います。MMOのような大縄跳びを求めてくる要素はモンスターハンターには不要です。
アップデートで追加されたモンスターにはそういうギミック性が強い傾向があったので、これも大きな不満点の一つです。

4.エンドコンテンツの無さ

一応、アイスボーンのストーリークリア後に開放される「導きの地」がエンドコンテンツという扱いになっていると思います。
武器・防具のカスタム強化やお守りの素材を集められるので、やらない理由はないのですが、あくまで装備作りの一環に過ぎません。
「導きの地」には大した強敵は現れませんし、出現するモンスターも痕跡を使って呼び出す以外の場合はランダムと言っても、最効率のモンスターを狩るだけの作業になりがちでした。
つまり、強い装備を作ってもそれを担いでいくクエストがあまり存在しないのです。

歴戦王なんかは高難易度クエストとして、そういった需要を想定しているかもしれません。しかし、強敵と戦える以外の旨味がありません。報酬で貰えるチケットで重ね着を作れば遊ぶ動機がほぼありません。歴戦王個体も強いと言うより理不尽なだけで楽しくないです。
前作にあたるXXの二つ名のようなクリア後要素と比較すると、どうしてもボリュームやゲーム体験の点でいまいちです。

まとめ

巷で評されるほど名作では絶対にありません。
発売後6年で世界販売2500万本突破しカプコン史上トップの売上のようですが、はっきり申し上げて過去作と比較した際に劣化している部分が多いです。

新要素によってアクション性が単調になっていたり、せっかく見た目を自由にコーディネートできるシステムがあるにも関わらず見た目が半固定されるなど致命的です。
進化している点があるのも事実です。戦闘中にショートカットでアイテム調合ができたり、3DS時代と比較すればグラフィックの向上はめざましいものがあります。
ただ、ワールドの進化している点は直接ゲームの面白さに寄与しない利便性だけです。利便性が高いこととゲームとしての面白さはイコールではありません。モンハンシリーズでは発売から10年以上が経過してもなお、遊ばれているタイトルが存在します。それこそが利便性の向上=ゲームとしての面白さではないことの証左であると言えます。

モンスターハンターシリーズの名を世界に轟かせたヒット作であることは間違いありませんが、シリーズ最高のタイトルとして巷で語られているのは過大評価と言わざるをえません。
ワールドの路線をそのまま継承していくなら買わない理由になるくらいに強く不満を感じています。
マンネリと言われるのを恐れているのかもしれませんが今一度、原点に立ち返り新要素などの小細工は抜きにして、純粋にグラフィックなどを向上させた過去作のブラッシュアップを行ったほうがよいと思います。





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