【那覇の好きなお店をいろいろ】
那覇にロピアができる。そんな風の噂を聞いた新年でしたが、本当に開店したのが2024年の3月末のこと。これは早い段階で来店しないことには真のロピアファンとは言えないのではないか。焦燥感に駆られ、なにも手につかずにただただ時間だけが過ぎていく日々でした。
そして仕事がひと段落するであろうと目星をつけた8月の初旬に合わせて、ついにわたしはフライトチケッツを押さえたのです。
飛行機は今回は成田-那覇間のわたしのホームとなりつつあるピーチ。そんなに値段変わらないしいいかってことで、やや広めのレッグルームの席を確保しました。仕方ないですよね、脚長いからとか言ったら嫌われるでしょうから言いませんが、到着後の脚の疲労感から行動が制限されるよりはずっといいはずですから。それでも膝のあたり軽くあざになってましたから。脚長いんで。まあ嫌われたくないんで言いませんけど。
もしわたしが無法者ならば、長い脚を投げ出してウィルソン・フィリップス上院議員とDIO様のようにしていたかもしれませんが、もうそんなのオラオラされるだけじゃないですか。周りを顧みない人って不快じゃないですか。脚が長いからという理由で通路に脚をDIO様してたら機内がウィルソン・フィリップス上院議員だらけになっちゃうじゃないですか。わたしはそんな世界を望んでいない。
なのでほんの数秒、ほんの数秒だけですが時を止めて広めの席をポチりました。決して無駄じゃありません。煉獄さんも言ってましたよね、広めの席を予約することは脚の長い者の責務だって。嫌われたくないので映画では言いませんけど。なので、わたしはわたしの責務を全うする!!ここにいる者は誰もウィルソン・フィリップス上院議員させない!!
無事と言ってはなんですが、パイロットの名前がジョセフ・ジョースターではなかったので無事に那覇につきました。定刻よりも早くつきました。DIO様がパイロットにウィルソン・フィリップス上院議員したかどうかはわかりませんが、途中何度か時が止まったのは確か。機内のお手洗い前で焦りながら必死に訴えてる人がいたんですよ。「あ……ありのまま起こったことを話すぜ!俺はパンツを下ろしたと思ったら下ろしてなかった!!」って。確信しました。止めた時間の中で動いていた者がいる、と。
で、那覇空港についてからゆいレールに乗ってホテルまで移動。用意された部屋で一休みしました。なんせ暑かったんです。日差しがやばいんです。気温的には≒千葉なんですが、日差しの強烈さがすごい!せっかくのホリデーなので外に出ようとしても、ラスボスが毎ターン強烈な全体攻撃を連発してきて回復すら間に合わない感じのヤバさ。誰だよ沖縄の夏はカラッとしてるって言ったの。カラッとどころじゃにゃい!グリル器並みじゃない!
安めのホテルから良い眺めなど臨めるわけもなく、バスタブに湯を張るクリオネ。夕方まで長い脚を湯でほぐすことに決めたのです。これを言うのは2度目ですが、軽くあざになってたんです。一応補足すると、長い足が機内の座席間にうまく馴染まずにいたからです。嫌われるの嫌なんで補足ということで記しますが。
そして夕方!カイロの街の地平線の向こうに太陽が落ち始めた頃、クリオネはついに外出を決行した!行先はロピアだ!いけ、ウィルソン・フィリップス上院議員!!
わたしのホーム・ロピアは船橋のららぽーとTOKYO BAY。ここは容赦無くアウェイに踏み込むがそこに待っていたのは!?
ロピアだーーーーーーー!!!!!
場所は国際通りの牧志駅近くです。店の規模としては正直大きくはない。サイゼリヤ千葉富士見店2軒分くらいって言えばわかりやすいかしら。こんなところでも千葉と那覇って近いんだなあってしみじみ思わされる。
店の中に入るとまずは果物や野菜のコーナーがあります。特に沖縄の食材を揃えてるってわけではなさそう。価格を重視するロピア的であると言えばロピア的ではある。でもこのあたりは観光客ばかりのはずで、地元客ってどれくらい来るんだろうって思った。近所の飲食店の方が買いに来るとかかな。
もう少し奥に進むとお肉やシーフードがあって、ここで注目の商品を発見!
1kgで800円しなかったと思う。でも重そうだなって懸念が頭をよぎるのです。そこで通りすがりの観光客、わかりやすくKankoukyakuのKとしておきましょうか。Kが、もずくを手に取ったり戻したりしているわたしに言うんです。
「精神的向上心のないもずくは馬鹿だ」
わたしは、自身の心の中に押さえ込んで、どこか見て見ぬ振りをしていたものを、まざまざと取り出されたような気持ちになりました。
「精神的向上心のないもずくは、馬鹿だ」
Kはもう一度言いました。
塩もずくなので常温で持って帰れるし保存も効いて最高のアイテム。Apple社が嫉妬するほどにスマート、最高のお土産の可能性にベット、これを2パック速攻でゲット、鳴り響く空高い音の先にジェット、やられたりまさにここはスパイダーネット。
早速店内でダンベル代わりにワークアウトして汗だくになった。これによりもずくの塩分濃度がアップしてより長く常温保存できるようになる。そんなカスタマイズできる楽しさみたいなのも魅力ね。
もずくはもずくであるだけではない。Kのおかげでわたしは目が覚めたのです。
鳴り止まぬスーパーマーケット・ミュージック。皆がこぞって固いフロアの上をお惣菜めがけて跳ね回る。ここは大容量のものが多かったのでお友達などの大人数で食べるにはいいかもね。少なくともぼっち那覇を人生の楽しみとしているわたしには食べ切れそうもない。ぼっちにはあまりにも陽気でファンキーで、根本的な問題として沖縄にぼっちで何回も来るものなのかってところに行き着いた。
翌日、わたしは牧志公設市場周辺の見慣れた場所にいた。以前から気になっていたお惣菜の並ぶ商店街をもっと詳しく知るために。
その通りの名は太平通りということがわかりました。ここは小さなお店が並んでいて、いろんなお惣菜が並んでいます。地元を支える台所感があってすごく好き。
小さい頃、大阪のおばあちゃんの家から少し離れた場所に市場があった。はっきりと覚えてはいないけれど、あまり清潔ではなかったのはなんだかはっきりと覚えてる。
最近いろんなことを思い出す。みんな遠くに行ってしまって、ひょっとしたら遠くに行って離れたのはわたしなのかもって思うほどに。
過ぎていった場所はこの世界にまだあるのか、それともどこか別の世界にあるのか。それすらもよくわからなくなることが多々ある。やれやれ、わたしは混乱している。わたしは混乱している。口に出していってみる。ワタシハコンランシテイル。自分の言葉すらも遠くで鳴っているような気がした。かっこう。
いつまでも、心のどこかに残ってる居心地の良かった場所にいたいけれど、わたしは生きていかなくてはならない。
見慣れた通りも少し顔を上げて歩いてみると巨大なオブジェがたくさんあった。お店の中を覗いたりしながらだと気づかない位置に。
どのくらいの大きさかというと、全盛期の大仁田厚くらいの大きさ。商店街に有刺鉄線にからまった大仁田厚がたくさんぶら下がってて、熱々のうどんをたべながらこっちを見ている感じ。これはかなり刺激的な体験だと思う。
「やれやれ」
「やれやれだぜ」
村上春樹の作品の主人公と空条承太郎がシンクロしていく那覇の市場の午後。
お魚やお肉を扱う牧志公設市場周辺の通りは何度通っても飽きることがないなぁ。わたしはこの場所が好きだし、毎回かなりの時間を費やしてる。それでもまだまだ知りたいことも気になる場所も出てくる。
大きさで言えば、大きなショッピングモール以上あると思う。その中にお惣菜の通りや飲み屋さんの通りや観光客向けの通り、お菓子の工場や服などの生地を取り扱う場所があって、本当に面白い。近くには希望ヶ丘公園という高台の公園もあって、この辺りを見渡すこともできる。
ドンキやファミマがあるのを除けば、ほとんどが専門店なのがなんともよくて、必要なものを買うにもいろいろ歩かなければならない。そしてそこには交流が生まれるの。
なにかを探しているうちに何度も同じお店の前を通る。いつのまにか挨拶しあって少し話をするようになる。こんなお買い物の時間って素敵じゃない?
それを何度か経ていくと、どこでなにを買えるかわかってくる。お買い物をゆっくり楽しむのも、ささっと買うこともできるようになる。
牧志公設市場周辺で大好きなお店をあげるとすれば、ニライカナイ食堂がまずきます。ここはいつもいく場所。愛してやまにゃい。
ゴーヤもレバニラも穏やかな味。わたしたちが食べたものでできているのなら、わたしは穏やかに生きたいのだ。
古本屋ウララも好き。小さなお店に所狭しと沖縄の本が並んでるの。猫の本もちょこちょこあって、好みのポストカードが売ってたりもする。店主さんの書くエッセイの本も淡々としてて好き。
この古本屋ウララさんの近くにある友利くだもの店も溺愛してる。沖縄の旬のものが少しずつ置いてあって、どれも美味しいの。滞在中にたくさん果物を食べるし、帰る日にバッグに入る分の果物を買うのも楽しい。店員さんたちのことが本当に好き。ここはなかなか観光客として入り込むことなさそうな路地にあって、迷子で彷徨ううちにたどり着いたの。
店で座ってパイナップルを食べさせてくれた。それからずっと那覇のくだものはここ。すぐ食べるのか、お土産でいつごろ食べるのかを伝えて、選んでもらってね!
ウララさんのある通りを国際通り方面にちょっと歩くと、この辺りで作ってる沖縄の伝統のお菓子を売ってるエリアがあって、ここも白目剥くくらいに愛してる。沖縄のお餅のお菓子のムーチーは、笹団子、桜餅と並ぶ日本三大葉っぱで包んだお菓子だとわたしは信じてる。
ぽーぽーもしぶい。ぶにぶに食感の厚めのクレープの皮を巻いたようなお菓子で、最初は多分あまり美味しいと思わないかも。でもね、食べ慣れてくると、これがないと寂しく思える不思議。
そう、沖縄のおいしいものってさ、ないと寂しくなるような距離までゆっくり近づいてくるのよね。もし住んでたら、全部常備していたくなるであろう愛しさ!
おばあちゃんがテーブル一つにお菓子が並べて売ってるお店がいくつかあって、その中の一つが行きつけのお店。お饅頭やお餅のお菓子を買うことが多い。黒糖もよく買う。
友利くだもの店の果物とこのおばあちゃんのお店の沖縄のお菓子が朝食と間食になるの。つまりこの二店舗がわたしの那覇旅行のかなり大事なパートを占めてるの。今すぐに行きたい!
通りには個性的な看板が並ぶ。もはや何屋さんかわからないのだから、この周辺を歩いていて飽きることなど絶対にない。
この看板見て何屋さんかわかります?わたしはわからない!フレンドリーなタッチの絵にしては難解すぎる!芸術とはなんたるかを思い知らされる。
下の写真をよく見ると、すいじょう店舗って書いてあります。この辺りにはガーブ川があって、その上にもお店ができていったのが名前の始まり。古本屋さんで本を買って、この辺りの歴史を齧ってから歩き直すとさらに楽しい。
ここからは滞在中に美味しかったものを紹介!
安里駅からすぐの栄町商店街にあるCoffee potohotoさんのアイスコーヒーの甘いもの。今回も名前を失念した自分を許せないでいる。甘さとコーヒーのバランスがかなり甘味よりで、それがなんとも沖縄の空気に合うの。おすすめ!店内はそんなに座る場所はないけれど、席を運良く確保できれば地域猫ちゃんを眺めながら至高の時間を味わえます。もし座れなかったらって?心配ありません!ウィルソン・フィリップス上院議員がいるじゃあないですか!!
豆はお店で焙煎してて、詳しい人はそのこだわりが楽しいはず。わたしはわからないので、甘くて冷たいこのコーヒーが好き。ブラックとかは強すぎて飲めませんもの。
てんぶす那覇の一階にあるユクル珈琲店に初めて行きました!偶然見つけて、お客さんが満足そうな顔をして出てきたので猫ダッシュで入店。
事前に行きたいお店を調べるのもありだけど、わたしはお店やお客さんの様子を見て選ぶことが多いよ。
なかなかに分厚い立派なメニューです。本を読むようにメニューを読んで、気になったクリームソーダを注文してわたしも満足顔になったことは言うまでもありません。コーヒーじゃないのかって思うでしょう?この日も暑かったんですよ。暑い日にはバニラアイス。このバニラアイスとメロンソーダの接触面をちょこちょこ食べていくのが美味しいのよね。そうするうちに、異空間を削るように円を描きながらどんどんヴァニラ・アイスが削られていくの。
次回はコーヒーを飲みたい!プリンも美味しいとのことなので待ちきれない!プリンは固めらしいよ!ますます気になる!
最後は現地で教えてもらったお店。栄町市場近くのお寿司屋さんの五枝松。まずは写真見てくれよにゃ。
一口で食べれないサイズの立派なお寿司が十貫で1000円位でした。しかもおいしかった。生の魚のお寿司でおいしかった。握ってくださる方は寡黙な感じ。でもカジュアルでフレンドリーなお寿司。これは絶対⭐︎5以外考えられない。十貫ひと揃えでバッチリ決まってくる。
実をいうとビールも一杯飲んだのよね。お寿司を待つ間に単品のもずくもいただいた。
↓
もずくがアート。遠浅の砂浜、透明な海、夜、水に映る次、岩。そういったものが浮かんでは消え、浮かんでは消え。たぶんビール好きな人ならここで2杯いけると思う。
沖縄はもずくの食べ方ではもずく酢の場合もあれば、出汁でお素麺みたいな味付けの場合もあります。どっちも最高においしいです。
は?通は塩で喰うのがうめえんだよって?食材によってはさ、「いやいや、それなら海で直で食べてきたらいいよ!」って言われるだろうからあまり蘊蓄をたれるのはよくないよね。
ウニは塩だろ!→海で海水と一緒に勝手に食べてこいよ。お前ラッコかよ
帆立は塩だろ!→海で海水と一緒に勝手に食べてこいよ。お前ラッコかよ
カニは塩だろ!→海で海水と一緒に勝手に食べてこいよ。お前ラッコかよ
ってなるじゃないですか。ウィルソン・フィリップス上院議員かよってなるじゃないですか。通は塩、それ以外はニワカみたいなことをあまり外で言わない方がいいと思うの。
結構いますよね?塩ゴリ押しの人。マクドナルドとかどうするんだろう。ケチャップとかのてりやきソースなしで、塩で頼むのかな。ラッコか!って店員さんが言いださないといいけど。
カレー屋さんとか牛丼屋さんとかどうなるんだろう。いやいや、俺白米でいいっす。カレーとか邪道だから!塩でしょ!って。ラッコか!塩キャラメル!ラッコか!
なんで塩派についてそんなことを急に言い出したかっていうと、お前ラッコかよ!ってフレーズが頭にずっと浮かんでて、これをどうにかして使いたかったの。塩派の方、気分を害したのならごめんなさい。わたしは焼き鳥はタレ派です。塩で食べたい方はそれで美味しく食べたらいいって思ってます。
この日は地元の方の宴会も行われていて忙しそうでした。天ぷらやお刺身もかなりおいしくてパワフルらしいので必ずまた行く。2人だけで切り盛りしてるっぽいので忙しそうな時間をずらして行った方がいいかもね。
以上、8月上旬の那覇旅行でした。暑すぎてあまり出歩けなかった。帰る日に友利くだもの店で島バナナとシークワーサーを買って、実家に届けた。それともずくに島豆腐。この島豆腐はお土産としては初チャレンジ。ずっしりしてて食べ応えがあって濃厚なの。父はこれに大層喜んでくれて、塩を少しかけて食べた。お醤油は?って聞いたら、豆腐はそのままかちょっと塩振るくらいでいいんだって答えが返ってきた。そういえばお豆腐にお醤油かけるところ見たことない。ラッコかよ!
(おしまい)
本日も【スナック・クリオネ】にお越しいただいき、ありがとうございます。 席料、乾き物、氷、水道水、全て有料でございます(うふふッ) またのご来店、お待ちしております。