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【注文の多い川魚屋】 呑みながら書きました

「今日は寛永14年から続いている川魚料理屋さんに来ています!ではさっそくお話を伺ってみましょう!」

「いらっしゃいませ。店主は奥でございます。当店は印旛沼周辺で取れた新鮮な川魚を料理しております。」

「わあ、お店に大きな囲炉裏がありますね!ここでとれたてのお魚を焼くわけですね!」

「そうでございます。最近では川魚のみならず亀の鍋や水鳥の唐揚げなんかも提供させていただいております。」

「ちなみに店主は?」

「店主は奥にいるあの者でございます。で、こちらがブラックバスでございます。ブラックバスと店主の間にいますのがブルーギルでございます。」

「わあ、大きなブラックバスですね!ブルーギルまで。あの…店主をよろしいでしょうか?」

「この先の奥に見えますのが店主でございます。ブラックバスの囲炉裏焼きは創業とともに始めた大ヒット料理でして、当時のガイドブックにも載せてもらったほどの名物でございます。よかったらどうぞ、焼き立てでございます。」

「うーん、店主。まあせっかくなので、人生初のブラックバスをいただいてみましょう!カプッ。んんん、すごいです。噛むと川の香りが立ってきて。野趣あふれる味と言いますか。え、内臓そのままですね、これ。」

「左様でございます。こちらはブラックバスの囲炉裏焼き長良川の鮎仕立てという名前でございますので内臓までじっくりと味わっていただくお料理になっています。ぜひ印旛沼水系の水の豊かさを楽しんでいただけたらと思います。」

「うう、ちょっとわたしには素材の味が強すぎるというか……あの、店主のお話を聞く予定だったと思うのですが。」

「店主は奥に見えるあの者でございます。どうぞ頂いた大切なブラックバスの命ですのでしっかりと食べてあげてください。」

「んぐっ、kなにかでてきた!これっ、ワーム!釣りで使うあのブヨブヨのカラフルなワーム!これ人工物じゃないですか!食用じゃないですよ!」

「左様でございます。外来種を釣るスポーツフィッシングの流行とともにワームも進化してございます。いかにお魚を惹きつけるか、いかに本物と遜色のない噛み心地を再現できるか。人智の賜物でございます。しかし初めてのブラックバスでワームはおめでたい!ワームが出たらブラックバスもう一本、釣り針出たらワニガメもう一匹のキャンペーンを開催中でございますお客様。」

「すいません、店主のインタビューを収録しないといけないんです!店主をお願いいたします!」

「店主は奥に見えるあの者でございます。」

「ええ、それは何度も聞きました!なのでその奥にいる店主のお話を収録しないと番組が成り立たないんです!」

「左様でございましたか。店主はですね、ワニガメの囲炉裏焼きを注文していただいて運良く内蔵から何か出てきましたらですね。はい、ブラックバスがもう一匹美味しく焼けましたよ。」




本日も【スナック・クリオネ】にお越しいただいき、ありがとうございます。 席料、乾き物、氷、水道水、全て有料でございます(うふふッ) またのご来店、お待ちしております。