見出し画像

小説:500,000希望の日記 6/5(完)



ヤス「あーじゃあじゃあ島村さん、そん時新しい奴二人お願いしといて下さいね?二人分余分に頑張るのありえないし。」


ドスン...


???....


ジロウが消えた。


『二人じゃ無え...』



『五人分だ...』



ヤス「...あ?島村さん?何か言ったの?は?何で顔真っ白になってんの?島村さん?ジロウ...


島村「ぎぃやぁぁ!!!シ



瞬間、島村の首の骨が折れもう喋らない島村班長が床に転がる。




ヤス「...て....て..てめぇ!!」




ヤス「シゲェ!!!」



ジロウを穴に引きずり落とし、
島村班長の首の骨を折ったシゲが、
ヤスの前に立ちはだかった。



シゲ「よぉ。戦友。」



ヤスは寒気がした。
2月後半という気温的なものでは無い。
人間の本能的な所で生命の危機を身体が叫んだ。


シゲ「どうして。俺たち日本人は、靴が揃えて置いてあるだけで『あぁ飛び降りて死んだんだ』って思っちまうんだろうな。」



ヤス「シゲ...先に聞く。

俺を見逃す可能性は?」



シゲ「ゼロだな。」



ヤス「お...オーケー...
そしたらよぉ...
聞かせてくれねぇか...
お前がいつから俺の狙いに気づいていたかから...」



シゲ「教育室...」


ヤス「...あん?お前が開発されちゃった日か??www
結構後じゃん...」


シゲ「教育室でお前の匂いがした。」


ヤス「へ...へえ!...やっぱあんたゲイ??www
冥土の土産に抱かせろとかいうなよな...??」



シゲ「その後この穴の2メートル下側面に人が隠れられる大きさの窪みを見つけた。」



ヤス「....ああ...
あの洞窟探検の時か...

あん時は演技がダルくてさぁ、紐引っ張っんのも角田しかやってなかったわwww

島村班長の小便はクセになったか?変態野郎ww」



シゲ「細谷の部屋を荒らしたのはお前だ。」


ヤス「おっと...今となっては言いがかりかどうかは関係ないが、お前がそう思う理由を言ってみろよ。」


シゲ「破り方だ。」


ヤス「あ?」


シゲ「細谷が傷つくようにどう破いたらいいか意図を感じる破り方だった。」


ヤス「プ!!はぁ?
まあ完全にお前の推測ではあるが面白い。

そうだな結果としては俺が破いた事には変わりない。細谷を洗脳するために仕方が無かったからな。」



シゲ「そして「希望」だ。」



ヤス「......

届かなくて残念だったなぁ。

500,000にも、お前の理想にもwww!!」


次の瞬間、
ヤスは姿勢を低くしてシゲの脇を抜けて
まだ床に転がっている島村班長の死体へ駆け寄った。


ブーーー!!!   ブーーー!!!  



けたたましくサイレンが鳴った。


ヤスは島村班長が護身用に持っていた、本社直通の非常アラームを鳴らしたのだ。


ブーーー!!!   ブーーー!!! 


ヤス「なあ、シゲさん。

このままだと本社の奴らが来る。


ここはどうだ一つこの...
島村班長が貯め込んだ「希望」5,000,000で
二人でこの状況を乗り切りませんか?
ここにほら、指紋も転がっています。」


シゲ「....ふっ」



シゲは笑った。そして泣いている。


シゲはヤスの右足首を踏んで折り、
ヤスを抱き抱えた。


ヤス「ぎぃぃいやあああぁぁぁ!!!!痛え!!!!ふざけんな!!!おい!!!お前が!!!!お前がいなければ!!!俺がここでNo.1になれたんだよ!!!!お前が死ねば!!!俺が1番だったんだ!!!!」



シゲは言った


「やっぱり。お前はトシにそっくりだったよ。」



トシ
「あぁあ!!??ああんん!!??痛え!!!痛え!!!!死にたくねえ!!!!クソが!!!」



シゲ
「No.1は俺でもお前でも無え、


                      No.1になるのは角田だ。」





3月1日 土曜日  am8:00

本社佐藤
「A区!!地下就労施設!!!

死者5名!!!内、班長1名!!!

但し!!!
人身事故無罪(笑)・・・500,000希望x5の

使用により、

この件については黙認、及びこの現場の責任者である私の責任も不問とする!!!

班長不在により、実務経験の長いものが班長になる規律に則り班長を選出する!!!


班長!!!角田!!!」


角田班長「はいっ!!!!」



終わり

ここまで読んで頂き誠にありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?