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「僕だけが気づいてしまった世界の『違和感』に誰も賛同されなかったけれど、結局やっぱり変異は起きていてそれに気づけない奴ら雑ー魚雑ー魚って思いながら僕は布団から出れない悠々自適生活」




俺以外全員馬鹿だ。


そう確信したのは数日前からだ。
そもそもそんな事は何年も前から思ってはいたのだが...


ある日、ふと思った。

なんか違和感がある。

具体的に言えと言われるとわからない。

だけど違和感がある。


....。


俺は上京して練馬区に一人暮らししている28歳の男だ。


実家は田舎で不動産業をやっていて、
正直俺は将来安泰を約束された勝ち組なのだが、
今は親からの仕送りとアルバイトで生計を立てている。

ぶっちゃけただの親の脛かじりってのは情けないからアルバイトはしている。

そこらのクソニートとは一緒にしてほしくはない。


あ、でも2週間前に頭の悪いクソ店長と言い合いになってからバイトはバッくれてる。

まあ、バイトなんかしなくても仕送りだけで十分にやっていける。練馬なら5万円からの賃貸も探せばある。


クソ店長もようやく諦めたのか、鬼電がパッタリ来なくなった。

だから最近はもう家からはほぼほぼ出ていない。


そんな感じだからか、最近なんとなく退屈ではある。


...何故だ。


テレビをつける。


キャスター『日光にきていますー。あらーかわいいお猿さん。こうやってお猿さんと写真を撮る事もできるんですよーあーかわいい。』


...なんだ?


なにがおかしい?



....なんか


退屈な内容



そうか。

退屈なんだ。

なんていうか、

刺激が少ない。



そもそも平和な国だが、
テレビですらここ最近事件を取り扱わない。


それはおかしいぞ。


アイツら視聴率のためなら他人を地獄にたたき落とす偏向報道がお得意のはずじゃないか。




ああ、そうだ。

それだ。



俺の退屈は「異常なまでの平和」からきていたんだ。絶対そうだ。



やっぱり俺は感性が鋭敏なのか、頭が良すぎるのか、神様僕は気づいてしまったww



...なんか久しぶりに自分の有能さを確認したらなんかムラムラしてきたな。


久しぶりにエロサイトでもみてみっか。




あれ?


なんで出てこない?


どんなにドスケベワードで検索してもエロいサイトどころか画像すら出てこない。


は?は?

意味わからん!

こんなの異常だ!
くそ!!



俺は外に出た。



商店街はなんら変わらず存在している。


人も、車も、犬も猫も。



無い。


利根書店が無い!!



なんだ?潰れたのか?



くそが!





俺はこの街に来て極力他人とのコミュニケーションを絶っていた。

だから俺はクソ店長の居るバイト先へ走った。


俺「てっ...店長...!!」

店長「はい? おー!俺君じゃないか!心配したんだぞ?生きてたか良かった良かった!」

俺「あ...あの...おかしいくないっすか?わかります?」

店長「??なんの話だ?」

俺「あいや...だからなんつーか...世界が平和過ぎるなとか...テレビもあれでしょ。なんかワー楽しい〜みたいな感じで」

店長「? そらテレビはワー楽しい〜みたいな感じだろいつも。」

俺「いや違うんすよーわかんないかなー。
あ!そういえば...
友達 、友達が言ってるだけで正直よくわかんねっすけど..なんかエロいサイトも軒並み閉鎖してるとか、そもそも存在してなかったようにヒットしない...とか...。ヨクワカンネッスケド」

店長「はあー?お前何を言ってんだ。
そんな事よりまた働く気になってくれたか?いや嬉しいよ。お前が気に食わなかった所、店長直すからさ。だからまた...

俺「だめだこいつ!じゃ!」


店長「あ!おい!どこいく!
   また戻ってこいよー!」





なんなんだ?やっぱあいつクソだわ!


...いやでもクソ店長の感じも違ったな...


俺がバイトバックれたのも、あいつが俺のこと吃りとか臭いとか仕事遅いとか言ってきからなんだけど。


頭でも打ったのかってくらい改心してなかったか?



いやでもダメだくそ!


とりあえずこのくそイライラする気持ちを散財で晴らすしかねえ!

まずは資金調達だ!!





プルルルル  プルルルル  プルルルル  ガチャ

俺「おいてめー!ふざっけんなよ!何回コールさせてんだっつーの!!今すぐ30万追加で振り込め!


あ?

振り込んだ?


さっき?

90万?


あ?

三ヶ月分?


ふ、ふーん。

じゃ来月も頼むわ!


じゃな!」

....

とりあえず金は確保できたけど。



なんか萎えたな。


とりあえず買い出しして今日はネット三昧で終わらすかー。





さて、コンビニの店員が引くほど買い込んだし!何しよっかなー...そうだ!


この異常な事態を5chに書き込んで伝説的スレを立ててやる!
キタコレ!はよ!


は?



5chもヒットしねーじゃん!!


何ならXとかTikTokとかもアプリ消えてるし見つからねー!!!


なんなんだよ!!!

意味わかんねー!!!




....




やっぱそうだわ。




世界はおかしくなった。




で、それに世の中は気づいてねえ。




そうなるとコレって気づいちゃってる俺しかどうすることもできねーんじゃねーの?




そうだ...!!絶対そう!!




わかったぜ!!俺はやっぱり普通じゃ無い!!選ばれた子なんだ!!!


OK全世界、


やってやるよ...




とりあえず俺は理由もわからねーで消えたSNSを自分の力で構築してやる...!!

情報を拡散しないといけないからな!!



まずは多分プログラミングだから、
ヨドバシと紀伊國屋で良いPCとプログラミングの本買いに行かねーと!!



あーしんど!!!しんどいぜ世界!!!






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男「概ねうまく行っているようだな。」


女「はい。被験者001は国が定めた基準に基づいた仮想現実世界で生きる事に適しています。
稀に我々で定めた有害規定の穴を無意識に潜ってくるので、非常に優秀な個体でありデバッカーです。」


男「なるほど。いやはや世も末だ。
勢いを無くした日本がとった国策が、
国力を上げるために国が「劣性遺伝」と判断した人間を、現実世界から物理的に排除する方法とは。
そしてポッドの中で栄養を与えながら超リアル仮想現実を見せ続けられる被験者001。この実験が成功した暁には、いずれ何百万という老若男女が選定され、このポッドに収監され、人知れず本人にとって幸せな人生を見せ続けられるのだ。
どうかしてるよこの国は。」


女「はい。ただこの状況を招いたのも国民かと。」


男「まあいい。ここで禅問答をしていても仕方のない事。
ところで、
このポッドの名前はなんというのだ?」


女「はい。リアルライフシュミレーター『F-uton』といいます。」



男「...『F-uton』。
その名前の由来は?」


女「はい。具体的な意図は不明ですが、なんでも制作者側ののっぴきならぬ理由からそうせざるを得なかったと聞いています。」


男「...なんかそれ急にメタい感じするな。」


女「はい。」




終わり

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