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『時速47メートルの疾走』(著者:吉野万理子)は海城中、日本大学第二中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容を紹介します!

■『時速47メートルの疾走』(著者:吉野万理子)について

中学3年の体育祭でビリだった組の応援団長が罰ゲームとして、逆立ちでグラウンド1周しなければならない、その出だしのところがプロローグで、その後は、中学生4人が語り手となり、それぞれの内面が語られ、全部読み終わると背景が見えてきます。
同じ場面を違う人物が語るので、若干時間軸がズレますが、1つ1つが短編のような形なので、小学生でも読めるでしょう。

1人以外は男の子が語り手です。男の子にぜひ読んでもらいたい作品です。

この本の構成は、

  • 第1章 立ちすくむ人
      全国模試で4位の秀才伊集院慶一は、体育祭の応援団長を決める際、公平にジャンケンにしようと言う。(後述)

  • 第2章 見守る人
      料理上手な美鈴は母の再婚問題で悩んでいる。体育祭の応援団長を決める際、美鈴がジャンケンでチョキを出すクセがあることを町平は知っていて、わざと負けたことにより、町平は応援団長になってしまう。美鈴は責任を感じながら、町平を応援する。

  • 第3章 見守りたくなかった人
      ガキ大将肌の大門勝也は、2組の体育祭で応援団長になり、すっかり浮かれて、罰ゲーム話をしてしまった。4組の町平にやらなくてもいいように進めたかったが、やり続ける町平を見届けようと気持ちが変わる。 

  • 第4章 疾走する人
      普段は目立たない生物部の町平は、美鈴に応援団長にならないようにと、ジャンケンでわざと負けたことで応援団長になってしまい、さらに、大門の罰ゲーム話にも乗ってしまい、結果として、罰ゲームをしなければならなくなる。

受験では2校とも、第4章から出題されましたが、第3章もオススメです。第2章は小学生にはちょっと難しめです。

吉野万理子さんは『ひみつの校庭』で「うつのみやこども賞」を受賞しています。

2015年度第1回海城中学校2016年度第1回日本大学第二中学校の国語の入試問題で出題されました。

◆2015年度第1回海城中学校の問題

大問1番で「第4章 疾走する人」から最初にリード文が2行入って、単行本で約9ページ分出題されました。大問2番は論説文で、大問2番までです。

大問1番の設問形式は、4択の記号選択問題が8問、字数制限つき記述問題が2問(問8に2問)で全部で問9までした。

4組の応援団長を務めた町平が、他の組の応援団長たちの前で、一番ビリだった4組が罰ゲームとして逆立ちでグラウンド1周しなければならないという場面が出題されました。

◆2016年度第1回日本大学第二中学校の問題

大問2番で「第4章 疾走する人」から最初にリード文が5行入って、単行本で約9ページ分出題されました。大問1番は漢字・慣用句・敬語などの知識問題、大問3番は論説文で、大問3番まででした。

大問2番の設問形式は、抜き出しが1問、5択の記号選択問題が10問、自由記述問題が2問(問12に2問)で全部で問12までした。

2015年度海城中の問題と少しかぶっていますが、少しズレたところから出題されています。場面的には同じ町平が逆立ちでグラウンド1周する場面です。

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