青信号に立ち竦む




立ち竦んだ。

立ち竦んでしまった。

田舎の、それこそ車も通らないような横断歩道。


歩行者信号の青色が僕の歩みを促している。

それでも、動けなかった。


いつも、いつも僕は選ばれない。

何かを諦めないと進めない。


君には君の耀ける場所があるんだ。

そう、子供の頃から言われ続けた。


裏を返せば、ここは君の居場所じゃないと

言われ続けていたんだ。


涙が目に貯まる。

溢すまいと上を向いた。


田舎の、無駄に広がる夜空は高く遠い。

僕には手なんて届かない。


それでも、諦めきれなかった。

ずっと、黄色信号で滑り込むようにやってきた。


でも、結局は駄目。

これを生かして次に取り組む。


そんなことができる程に

僕は利口な性格じゃないんだ。


諦めて、諦めて。

僕の行き着く場所は何処ですか。


踏み出す力を。

誰か僕の背中を押してください。


ここの場所から歩き出して良いんだって。

そう言ってくれないだろうか。

           『青信号に立ち竦む』


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