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Sign -Zodiac Chord-

「サブタイかっこよすぎん?」
「ちゃうねん……コレは『黄道のコード』っちゅう駄洒落やねん……」

茶番はともかく、ときのそら活動5周年の記念すべき日、2022/09/07に発売されたアルバムがある。
そう、『Sign』だ。みんな知ってるね。
え? 知らない? そうか。今すぐ聞け

聞いたな? よし。では帰っていいぞ。
あとは一般人のへっぽこ感想が読みたいヤツだけ残れ

タイトルとジャケット

"Sign"という英単語には、そのままサイン(合図、看板、しるし)という意味の他にも、『星座』という意味がある。星モチーフの髪飾りがチャームポイントのそらちゃんにぴったり。
今回のアルバムタイトルも、主としては『星座』の意味合いなのだろうけど、"constellation"でない辺りに意図を感じなくもない。
このアルバムが、そらちゃんからそらともに向けた"サイン"なのだと勘繰ることもできよう。えへへ

Sign通常版ジャケット

良すぎる。おるだん先生はいつもいい仕事をする。
キラッキラに飾られたタイトルとアーティスト名からのとんでもない美少女。顔面偏差値が高すぎる。往時のそらちゃんの国語の偏差値ぐらい高い。
造形の良すぎる顔に手の影がかかっていることから、かなり強めの光に向かって手を伸ばしているのが分かる。その"光"の正体に、思いを馳せるのも乙なものだ。

ジャケ絵の背景に目を向けると、北斗七星を擁するおおぐま座と、こぐま座に成り代わったあんきも座が目を引く。
あんきも座を構成する5つの星は、5周年の他にもリリース時点での0期生表しているんだとか。エんモい……
左耳の星が一際大きく輝いているが、北斗七星との位置関係を見るに、この星が北極星――ポラリスなのかもしれない。ここ、後でテストに出ます。

そして、おおぐま座の尻尾、北斗七星の先端にも同様に輝く星が配されている。コレ、何か分からなかったので調べました
おおぐま座イータ星、中国では"揺光"と呼ばれるこの星の固有名はアルカイド(Alkaid)。語源はアラビア語の「先頭の娘」なんだそうだ。
……えっ、なにそれは。完全にそらちゃんじゃん。
Sign、ジャケットからもう強いです。勝ったわ。むしろ買ったわ。

ピッとして!マーマレード

出だしを飾るのはMVも公開されてる『ピッとして!マーマレード』。
ポップでライトな曲調に、苦境にもめげずに進み続けようとする明るくも力強い歌詞が、ときのそらの描くアイドル像を強烈に引き出している。
アイドルってのは一見、甘くてキラキラしてる砂糖菓子みたいな立場にも思えるけど、それだけじゃない。確かな苦味もあるのを"マーマレード"に例えたのは見事な仕事だと関心はするがどこもおかしくはない

そして、そらとも皆が注目する最後の「語り」。
コレは邪推だが、ノレるタイプの明るい曲であり、かつ「そらともへのメッセージ」を伝えられる……
『ピッとして!マーマレード』は、『Sign』のトラック1でありながら――あるいは、あるがゆえに――来るべきライブのラストを飾ることを意識して、期待されて作られた曲なのだろう。
そらちゃんのnoteを書くたびに言ってる事なんだけど、大事なことだから何度でも言うわ。「終わりには始まりがある」ということ。今から期待が高まるな。

ユメゾラ☆ファンファーレ

そらちゃん自身が「(Signの中で)一番好き」と語るこの曲。
アニメ版『ときのそら』第4クールのED曲じゃん。名曲でないはずがない。
ときのそら5周年記念オンラインライブの〆として歌われたのは記憶に新しい。エラそうなこと言ってるけど、要するにメチャクチャエモかった

無数の星屑の中 見つけてくれてありがとう

『Sign / ときのそら』Tr2. ユメゾラ☆ファンファーレ

ここ!! ここよ!!!!!
VTuber黎明期においてはそもそもの知名度が、2022年現在では他の魅力的なVTuberが、『ときのそら』というコンテンツに至るまでの障壁になっていることは想像に難くない。
それらを押してそらともになった人々に対して、彼女は全力で応える。応えてきた。それはもう歴史が証明しているんだ。
そういう数々のドラマを見せてくれた『ときのそら』がハッピーエンドであることを、その時にこの曲が携えられているキラキラの未来を願おう。

ロゴバッジ

トラック1から続くアイドルソング3連続のトリを担う『ロゴバッジ』。
もうコレはストレートに輝いてる。明るい!!
何というか、歌詞の語り口とか言葉選びにすごくときのそらみを感じる。意図の深掘りとかじゃなく、水のようにスルッと入ってくる感じ。
これを練習したりレコーディングしてた時のそらちゃんの感想がめっちゃ聞きたい。いやまぁ全部聞きたいのは当然だけども。

アイドルって、人々の中心で輝いてる存在ではあるけど、それと同じくらい『輝かせてくれる周囲の人々』が重要なんよな。
そういうわけで、アイドルソングと称したマーマレードもユメゾラもロゴバッジも、『歌い手』と『キミ』の関係性を前面に押し出した曲だ。
そういうわけで、これからは「そらちゃんのキラメキの1つは、俺があげたバッジなんだな」とか思えるわけだ。実に良くない?

羽を手にして

一転して優しい曲調で攻めてくるヤツー! そらちゃんは芸風が広い
お互い悩める存在ではあるけれど、明るく優しく柔らかく寄り添ってくれる温かい曲だ。実質お姉ちゃんママ
これ以降も含めてだけど、『Sign』はかなりバラエティに富んだ曲調を揃えている。何というか、1stアルバム『Dreaming!』の魂を受け継いでいる感じがするんだよな。

「羽」「空」「青」と、ときのそらを強く想起させるワードが盛り込まれてるのは言うまでもない。
そんな中でも特に好きなのが「晴れ晴れにしちゃう」。リアルタイムで聞くことは殆どなくなってしまったが、ここに生きてたんだな……
オタク、文脈に弱い。

空の空

トレーラー聞いたときから思ってたけど、曲調めちゃくちゃかっこいい。そらちゃんは芸風が広い(再放送)。
疾走感のあるサウンドに虚無主義的なリリックを唄うハイトーン。全てのアンマッチがこの『空の空』を定義している。こういう構造めちゃくちゃ好き

こういうカラーの歌は、ときのそら名義としてはかなり珍しいんじゃないかな。すげー個人的にはときのそらってより美空時乃って感じ。まぁ彼女も厭世的ではなくてかなり激情の人だとは思うけど。
何というか、アーティストとして一段上のステージに登ったなって漠然と思ったわけだ(上から目線)。

エゴナデ・ラビリンス

いたずらっ子のそら出ちゃった。ちょおかわいいよねこの曲。
「もっと頂戴?」とか「アハッ♡」とかでキュン死するそらともが多発しています。用法・用量を守り正しく摂取してください。
キュン死事件が迷宮入りしちゃうからね。ラビリンスだけに(ドヤ顔)。

『Equation of Love』とか『ぐるぐる・ラブストーリー』あたりの系譜を感じる歌詞。好きにならないわけがない。俺もそらちゃんに悪戯されてぇよ。
系統的にはフェスで歌われてもおかしくない感じするな。ペンラ振りながら「Like! Like! Like! Like!」したくない? 俺はしたい。
声出しOKの世界、早いトコ帰ってきてください。マジで。

エレクトリカル・サーフィン

レトロなSEから始まる電波曲チックなトラック。8bit音源風のメインメロディーがいい味出してる。
古き良き令和の曲って感じ。何も古くない
インターネットおじさん全員が興じているスポーツのサーフィンをフィーチャーしてるのも馴染みやすくていい。サーフィンはサーフィンでも、ネットサーフィンの方だが。
「エレクトリカル・サーフィンが一番好きだわ~~www」っつってる香具師、ぽまいら90年代のオタクだろ???

歌詞の内容にもコンピュータやインターネットを彷彿とさせる用語がこれでもかと散りばめられていて、そんな歌を歌いあげるそらちゃんはまさに電子の妖精……それ違う人じゃね?
あとあれ、Commandキーがあるってことは十中八九Mac使い。
まぁそんなわけで、俺らもときのそらという波に乗っていこう。ザッブーーーーーーン!
ところで、最近のときのそら生放送の開始前鳴き声フェイズで「(๑╹ヮ╹)さーふぃん♪ さーふぃん♪」してるそらちゃんメッチャかわいくない???

デジタリックリリック

俺氏の一押しナンバー。ハイトーン&ハイテンポで往年のボカロ曲を思い起こさせる。人間向けの曲じゃない
何ならハイトーンに関してはときのそら自身の適正キーに起因するため、『Sign』の収録曲は音域狂ってるのばっか。若者の人間離れが昨今話題となっています。
こんなんばっか歌いよるそらちゃん、やっぱボカロなんとちゃうか……?

『エレクトリカル・サーフィン』に引き続き、こっちでもかなり電脳に寄せたリリックになっている。
強めのエフェクトがかかったボーカルと歯切れのいいサウンドも併せて、めちゃくちゃボカロっぽい。やっぱボカロやん。
2:20というかなり短い時間の最初から最後まで、過密なほどに詰め込まれたハイトーンボイス。気付いたら終わってるくせに印象が強すぎて耳から離れない。なんて曲だ。
しかもコレ、歌ってることがすげぇかわいい。ズルくね?

黄昏ミッドナイト

( ˘ω˘)ソラァ 黄昏ミッドナイトで眠りたい委員会、発足します。
この曲はアルファ波とマイナスイオンでできてる。俺は詳しいんだ。
こういうバラード調の曲が好きな人も多いでしょう。そうでしょうそうでしょう。そらちゃんはバラードもイケる
これはマイクラ放送的な、落ち着く癒し系ボイスのそらちゃんを前面に押し出してるよね。

歌詞の内容はしっとりした曲調とは少し離れた、夢見がちな甘酸っぱいラブソングで、これもまたいい。
大人びた少女が眠る前に自室の窓から夜空を見上げてる光景が見えませんか? 僕には見えました(キリリ)
ところで、黄昏時なのか深夜(ミッドナイト)なのかこの辺の解釈誰か持ってる?
時刻的には深夜帯だけど心情は黄昏的な? 誰かに会いたい思いを、夕暮れの郷愁にかけているってのはありそうだよな。

メアリースイート

曰く、「一番(レコーディングが)難しかった曲」。聞けばわかる「それはそう」感。
『デジタリックリリック』でも言ったが、人間向けの曲じゃない
ボカロ曲で最前線を走る柊キライさんを作詞作曲に持って来ただけあって、すげー最近の曲って感じの構成。今はこういうのが流行りなんだろうね。
そらちゃん自身も好きなボカロPらしく、オートファジーボッカデラベリタは歌ってみたがあげられている。そちらも是非。

そこはかとないヤンデレ臭を感じる歌詞だが、俺氏の貧弱な脳みそではコイツを読み解くことは極めて困難だった。
クセになるリズムとか通り一片のことしか言えないので、もっと掘り下げたい諸氏は #ときのそらSign で検索してみるといいんじゃないかな。
というか、むしろお前が感想を書くんだよ。おう早くしろよ。

そらのとき

冬季季節労働者でVictorの先輩でもある広瀬香美女史が作詞・作曲を担い、一方でSoraSongの第一人者と言ってもいい瀬名航氏が編曲を担うとんでもねー曲。レジェンドコラボか?
この曲に関しては、『Sign』の発売よりかなり先に配信されていて、事実上のリード曲になっている。オリジナル曲のCDに関しては、未だにトラック1≠リード曲のようだ。
この曲を通してそらちゃんと広瀬さんの交流も深まっているみたいで、中々ニコニコできる。これもまたてぇてぇってヤツだ。

香美節の効いたキャッチ―なメロディーに、ときのそらの要素をこれでもかと盛り込んだキュートな歌詞。これがときのそらだ
MVの構成もめちゃくちゃ良いので見てくれ。見ろ。うーん最高!!
そらちゃん自身も言及しているが、ときのそらの今までの歩みをつぶさに見てきたかのような歌詞になっている。広瀬さん、そらとも5年選手説。
戯言はともかく、時代の最前線を張ってきた人同士、何か感じあうものはあるのだろうね。
この曲の感想を締める言葉は一つしかないだろ。これからも、そらとともにLets's GO!!

ポラリスソラリス

『Sign』を締めくくる、未来への旅路を指し示す『ポラリスソラリス』。
最序盤に語った通り、ポラリスは現在の北極星で、ソラリスについては解釈が分かれようが、SF作品の舞台である「幻想を見せる星」じゃないかと思っている。
終わらない夢を振りまきながら、ブレることなく後進を導くそらちゃんにはかなり合致したタイトルではなかろうか。
つまりそらちゃんって導きの青い星じゃね?(妄言)

MVには『Sign』のメインビジュアルがそのまま使われているが、このジャケットが『ポラリスソラリス』のために書き下ろされていると言っても通るぐらいのマッチ率。
歌詞中に出てくる7つの星は北斗七星を、5つの星はあんきも座をそれぞれ指しているようにすら思える。……考えすぎか?
また、この星の数を足すと12となって、『Sign』の収録曲数と一致する。……こじつけか?
まぁとにかく、そういう『Sign』を象徴するような曲がラストに配されることで、この『Sign』は1つの作品として完成されていると思うわけだ。

総括

今回も良かった……と同時に、何というか「めちゃくちゃちゃんとアーティストをしているな」と思った。
歌の上手さもさることながら、表現の幅が広がっているし、高音モンスター度にも磨きがかかってしまった
これはときのそら活動5周年記念ライブにも期待が持てるな。

上記の有観客ライブに先駆けて、YouTube上で周年ライブもやってたりするので、是非そっちもチェックしてみてくれ。マジで良いぞ。

『Sign』に収録された12曲は、どれもそれぞれ全く違った魅力を持っている。
生まれたときに割り当てられる、黄道を巡る十二星座のように、何か1つは刺さった曲があったことと思う。
お前は何座だった? 俺はデジタリックリリック座。


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