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ひきこもり文学が流行りそうな気がする

昨年の夏から数えて、ハートネットTVの「ひきこもり文学」が再々再放送された。前前前世なみの畳みかけだった。ひきこもりの特集番組でひきこもり当事者が自分の書いた文章を朗読するという、「えっ、大丈夫? 冒険しすぎてない?」という番組だった。

でも、テレビに出ると叩かれるんじゃないかという心配はあまりなかった。ハートネットは視聴者が限定されているから。それでも放送終了後にエゴサーチをするのは心臓に悪かった。有名人の気持ちがわかった。「家では親を叩き、ネットでは芸能人を叩く」という地獄のミサワ的なことは止めようと思った。

おそるおそる、エゴサーチをしたところ、ひきこもり文学は意外なほど好評だった。視聴者のなかには、「さとうさんの『銀の匙』の文章を活字で読みたくてひきポスを買いました」や「さとうさんに嫉妬した」という人もいた。天狗になってもいいのだろうか。

特に「新垣結衣のような支援者がいたら秒速でひきこもりから抜け出す自信がある」という文章に反応した人が多かった。これは僕がガッキーのファンだから書いたわけではない。いくつかの狙いが込められている。

■ガッキーが来ることなんて宝くじを当てるよりも確率が低い。そんなことはありえない。待つより動いたほうがいい。

■ガッキーレベルは無理だけど、普通の人でも家庭という密室を崩すきっかけになる。外部性の比喩

■災害などでひきこもりが一時的に外に出ることがある。阪神淡路大震災では復旧作業を手伝ったという報告がある。非日常的なものの比喩

これを見抜いた人はほとんどいなかった。しかし、一人だけいらっしゃった。その方は、ツイッターでこのようにツイートしていた。

「ずっと真剣な面持ちで朗読していたのでこちらも真剣に聞いていたが、ガッキーのくだりで大爆笑してしまった。でも、おっしゃろうとしていることはわかる。人生はそんなドラマチックじゃない」

エクセレント! 国語の試験で作者の考えを答えろという問題だったら100点満点。自分が作者になり、採点する気持ちになるなんてとても不思議な経験だった。

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