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「夜桜さんちの大作戦」2024年春アニメ感想19

夜桜さんちの大作戦
は、権平ひつじさん原作の漫画です。「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて、2019年より連載中です。
既刊は23巻(2024年4月現在)です。

キャッチコピーは「諜報家族コメディ」(スパイバトルコメディ)

見たところ、ストーリーに引き込まれなくて…
今回は辛口です。
ファンの方は読まない方が良いです。すいません!

たぶん私がミッションインポッシブルとかVIVANT好きなせいで先入観あったので楽しめなかったのかなあと思います。スパイって感じでは無いですね。

〜あらすじ〜

家族を事故で亡くし、心を閉ざすようになった高校生・朝野太陽。
クラスメイトからの印象は「超・人見知り」。
唯一、話せるのは幼なじみの夜桜六美、ただ一人だった。

けれど六美にはあるヒミツが!?
彼女の正体は代々続くスパイ一家の当主で、
様々な敵から命を狙われていたのだ!

しかも彼女の兄・凶一郎は最凶のスパイで、
異常なほど六美を溺愛していた。
太陽は、そんな凶一郎から「排除」ターゲットとして命を狙われることに…!

六美と自分の命を守るため、
太陽のとった手段とは…
六美と結婚して夜桜家に婿入りすること!?

夜桜さんちの大作戦 アニメ公式サイトより

気になるポイント

・夜桜家の兄弟たち

長男、凶一郎
長女、ニ刃(ふたば)
次男、辛三
次女、四怨
三男、嫌五
四女、六実
四男、七悪(ななお)

多い!
キャラクターは個性的、絵はかわいめでポップな色で綺麗です。
1話でみんなの戦い方の個性の発表会みたいな感じでしたね。


・凶一郎

1話、主人公より目立ってるってどういことやねん…
今のところ群を抜いてぶっとんでるのが凶一郎で、インパクト強すぎでした。
六美への愛が重すぎる…。毒兄ですね。
スパイというより、サイコパス。

全体の感想

ジャンプらしいバトル漫画です。
作画は普通に見れるかなと思います。
バトルシーンも3Dなどは使わず、古き良き手書き作画。

ストーリーとしては、

スパイと言ってますが、1話では全然スパイ要素は感じられない。
コメディ要素も1話では無く、むしろシリアス。

スパイなのか、能力バトルものなのかラブコメなのか、家族ものなのか、
全部入れちゃったせいで、「スパイ」というテーマがぼんやりしちゃってる。

六実が太陽に「見ての通りスパイなの!」と言ってたんだけど、
「どこがスパイなんだ?」って思うくらいわかりずらい。


アニメ見てても「どういうこと?」と引っかかるところがいくつかあり、
それが引き込まれなかった原因なのかと思いました。

↓ひっかかりポイント↓

・凶一郎が太陽を狙った理由は
六実の命を狙っているやつがいるというタレコミが入った。それが太陽だとわかり殺すことにした」

SNSで凶一郎のアカウントがあり、ヘッダーには六実の写真をたくさん貼ってる。アカウント名にも六実ラブって書いてある。

これ、どういうこと?って思ってしまったんですが

六実と太陽は幼なじみなんだから、凶一郎がずっと見張ってて太陽のことを知らないわけがない。
スパイなんだから、太陽が凶器を持ってるのか、戦闘力があるのか、殺意があるのかくらいわかるはず。
こんなSNSなんて不確かなタレコミ信じちゃうの?

あと、六実を大事にしときたいならなんでSNSで顔写真と実名お披露目してるの?
かわいい妹をみんなに見せたいってことかもしれないけど、そもそも家族全員スパイなんだから基本秘密裏に動くもんじゃないの?

これ凶一郎が太陽を狙う理由にするなら、

「太陽と六実が結婚できる年齢になったから」

「六実は太陽好きそうだし、太陽も六実のこと好きみたいだからもう我慢できなくて殺すことにした」

とかのほうがしっくりくる。(もしくは太陽がライバル組織のスパイだったとか…)
行動動機がわかりづらいですね。

ちなみに、原作だと、アニメとはセリフが違ってて、

「六実のことを長年狙ってるやつがいる」というタレコミが入ったというだけで、SNSは出てきません。

「狙ってる」も単に恋愛感情として狙ってる、という意味にもとれるので原作のセリフの方が自然です。

アニメはなんでこんなことになったんだ…。


1話の最後。主人公が六実と結婚する描写が少し弱く感じました。


「家族なのに妹に悲しい顔をさせるのはまちがってる」
「凶一郎に殺されないために結婚する」
「六実はいつも見守ってくれたから、俺と六実を守るために結婚する」

という理由があっての結婚宣言だったのですが…。

ごちゃごちゃ理由なんていいから、「六実を守りたい!!」でいいのに

って思ってしまった。
アニメ見る限り、太陽は六実に恋愛感情が無いように見える。
なのに結婚か~。うーん。
結婚てのは自分たちを守る手段というだけしか伝わらなかった。
たぶんこれから家族愛を描きたいのかなと思ったけど、そうなるとSPY×FAMILYと被ってきてしまう。

スパイっていうと最近だとVIVANTが面白くて、やっぱりスパイっていわれると「ばれちゃいけないハラハラ感」というイメージがある。
夜桜家の能力見ると、実はスパイでした、じゃなくて実は暗殺一家でした、のほうがしっくりくる。
スパイというテーマを掲げてるけど、中身は違った…ということで、いろいろモヤモヤが残る1話でした。

アニメと漫画でストーリ―構成が違う。

原作1話を読んでみたら、冒頭の構成が全然違いました

アニメ

①冒頭、主人公の太陽の回想。事故で死んだ家族の葬式で呆然としている。隣には六実が泣きそうに寄り添っている。

②クラスメイトが人見知りの太陽をいつも気にかけてくれている様子。(太陽の家族が亡くなってるから気を遣ってくれてるのかと思ったけど違うぽい)
六実とクラスメイト→太陽みたいになってる。

原作漫画

①冒頭、凶一郎が、死体や燃え盛る建物をバックに六実を抱きながら歩いている。
「もう大丈夫だぞ、六実。この先何があろうと兄ちゃんが守ってやる」

②クラスメイトが人見知りの太陽をいつも気にかけてくれている様子は変わらないが、アニメより太陽は弱弱しくなく、六実と腐れ縁という空気がちゃんと表現されてる。照れてたり多少六実のこと好きそう。

1話だけ見ると、
アニメは太陽の物語(家族愛。独り。)
原作漫画は夜桜六実の物語(家族の中の毒。)に関わる太陽

のように感じました。

凶一郎(毒兄)が本編でこれだけ目立ってるなら、原作漫画のような構成でもいいんじゃないかと思うんですが…。

おそらく2話以降見続ければ面白くなるんだろうなとは思うのですが、
気になる方は原作をチェックしてから視聴すると良いかもしれません!


深読みすると、

六実は毒兄のせいで日々辛いんだけど、
太陽の前で、家族がいて辛いなんて愚痴言えなかった。とか。
それだとだいぶ共感できると思う。
家族がいる=幸せってわけじゃない
ってのがあったら、またスパイスがきいた家族ものになるかもしれないなあ、と思いました。

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