＜無為フェス -Vol.2-＞#13 ひびの泡『ライブ後記』
2023年11月27日（月）
はじめに
2023年11月27日に、「無為フェスVol.02 芸術のアブ」出演させていただきました、音も光のインプロヴァイザーユニット『ひびの泡』です。今回、各メンバーからの感想をいただいていますので、こちら記載しております。また、末尾に27日のライブ映像も公開しておきますので、よろしければぜひ最後まで見てくださると嬉しいです。
『ひびの泡』とは
『ひびの泡』は、2023年から活動している、ピアノ、ギター、ドラム、映像による4ピースでの即興表現を行うユニットです。
試聴室でのライブののち、今回北千住BUoY地下スタジオにて公演を行いました。
『ひびの泡』は、フランスの小説『L'Écume des jours』の邦題から取っており、刹那的な儚さや、現れては消えていく音と光による表現を展開しています。
drum(samplar) / Takumi Nakanowatari
今回、北千住BUoYには初めてお世話になったのですが、まず会場に着いて地下スタジオを見た時に、あの仄暗さとスタジオに響く足音にはしゃいだのを覚えています。
「この空間にどんなものを『ひびの泡』は残せるだろうか」と来るまでは考えていたのですが、生で見た環境に「これはとんでもないところに来たぞ」と喜びが止まらず、むしろ「我々は何かを残しても良いのだろうか」「何も残らない2時間にしたい」と考えてるほどでした。
即興での表現において、既存の曲や映画と異なる要素として、「その日、その場にいた人々の中にしか印象や記憶が残らない」という特徴があります。故に、『現れては消えていく』ひびの泡、ひいては日々の生活において、『最後に残るものは何なのか』をずっと考えていることが最近のテーマです。
今回は会場の許容する音量の都合により、ドラムセットではなくiPadのサンプラーを使用したライブとなり、iPadの中に音を準備する時点で『何を残していけるだろうか』『残りやすいものは何なのだろうか』と考えながら構築していました。
終演後、片付けを完了した時、「この部屋の中に、色々なプレイヤーや作品たちと、それを観に来た人々が居たんだな」と思うと、その中に我々の音と光が少しでも残っているのならとても嬉しく思えました。幸いにも映像は残っていますので、そちらも是非見てもらえると嬉しいです。今回はありがとうございました。
piano / Naka Chia
元銭湯の地下スペースで音を奏でるという、日常生活では得られない、貴重な経験が得られました。
今回常設されているアップライトピアノと、普段からひびの泡でも使用しているキーボードとエフェクターを使用して、気まぐれに行き来しつつ、liquid lightingの時間軸をさらに長く伸ばしたような不思議な空間感覚になりました。 東京という忙しない時の流れから、別次元へ、そして「ここだけの時間」を意識して奏でました。 ひとつの物語と記憶の中に大事に刻まれました！
lighting / hidekimasuda
どのように光を当てようかと考えるとやりたい構想が増え続け止まりませんでした。とても魅力的でとても心落ち着く場所です。
ここまでの真っ暗闇と、光で現れるコンクリート、柱、壁の部分的なオレンジを、この特異な空間を活かせたかなと思います。ガラスの屈折やレイヤーされた色たち。演奏隊の音とシルエット。空気感と存在感。見てくれた方に伝わってくれると嬉しいです。
このフェスを機に「ひびの泡」を知ってくれる方が増えると嬉しいです。
support guitar / Sota Seo
今回，偶然のタイミングで誘いいただいた北千住buoy にて行われた日々の泡。 ほぼ初めましての状態で始まる即興には緊張感も伴った。 場所の持つ独特な空気感、打ちっぱなしのコンクリートに今は使われていない浴場跡。 白い蛍光灯の冷たい光がグレーのコンクリートに反射している。
どこに辿り着くのセッションになるのかhidekimasudaの有機的で宇宙的なライティングとNaka Chiaのピアノ、Takumi Nakanowatariの音の素材たちに、気づけば自分の精神はいつもとは違ったゾーンへ。 以前から演奏してきた即興でのギターアンビエントの予定は変わり果て、 音と光に連れられていつしか声が言葉が溢れ出る。 抽象的な像を音楽という枠の中でどのように輪郭を持たせることができるのかというとても有意義な時間になりました。 このような時間に関われたことをとても嬉しく思っています。
2023.11.27 ひびの泡 ライブ映像（約75分）
1st Set
2nd Set
BUoYスタッフより
無為フェスについてはこちらの記事をご覧ください。
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