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『暑寒を制す』㉑新しい製品に買い替えれば確実に省エネできる「直接省エネ」とサスティナブルで環境に優しい「間接省エネ」を掘り下げて比較してみた

イメージしやすいように、事務系オフィスを例に考えてみます。
事務系オフィスの7〜8割の消費電力源は照明、空調、OA機器といわれています。

これらはいわゆる電化製品で、常に新型が発売されています。そして、それらの新型はほぼ例外なく省エネ設計になっています。同じ性能なら前のモデルよりは確実に省エネ性能がアップしているということです。

なので、新しいこれらの製品に入れ替えれば、それだけで消費電力が確実に削減されます。

先行投資はかかりますが間違いなく省エネは達成されます。これを「直接省エネ」と呼んでいます。

一方わたしの得意とする「間接省エネ」とは、室内の熱環境を制御することで空調機器を使う機会を減らし、あるいは設定温度を緩和することで、結果的に電気の使用量を減らすという間接的に効く概念をいいます。

こちらは初期費用はかかりますが、ランニングコストはゼロです。

やはりもっともエネルギーを多く消費するのは熱の調整です。熱を加えたり引いたり。しかもこれらの多くは、対象物体の熱調整だけではなく、必然か故意かにかかわらず対象物体を取り巻く空間の熱まで調整しなければならないのでより多くのエネルギーを要します。

たとえば、冬に人体を温めるののに一番効率がいいのは電気毛布でしょう。直に人体を温めるだけ、しかも布団で保温できますから。布団の外の空間まで温める必要がないのです。

ところが、エアコンなどは部屋全体を温めようとします。あるいは建物全体を。つまり人体に直接関係ない空間全体を温めようというのですからそれは多くのエネルギーが必要になるのは当然です。

あるいは、料理店の厨房での炎も熱源としては大きいですよね。特に小さな店舗では。

このように熱をコントロールするには相当のエネルギーが必要なのです。なので、熱を制すれば快適環境は容易につくることができるのです。

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常時大きな電力を要して稼働している空調機器の消費する電力を落とせれば大きな省エネ効果を生むはずです。

室内の環境を快適にして、空調機器が介入する機会を大幅に減らすことで消費する電力を抑えること、これこそが「間接省エネ」の真骨頂であり、象徴的なロジックなのです。

そのための手段のひとつが「遮熱」であると考えています。

そして、この「遮熱」技術で快適にした空間が生み出す省エネはサスティナブルであることも大きな特徴であると言えます。

ただし「間接省エネ」だけが優秀ということではありません。「直接省エネ」との組合せが最適です。

実際には予算の問題もありますが、理想論としては両手法の同時進行がベストな選択です。

次回は、会社に眠っている「社内埋蔵金」のお話をしましょう。

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